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東出昌大×入山法子「天上の花」特報解禁、ビジュアルにはコブシの花

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「天上の花」本ビジュアル

東出昌大と入山法子が主演を務めた「天上の花」の本ビジュアルが完成。特報もYouTubeで公開された。

萩原朔太郎の娘・萩原葉子の小説をもとにした本作では、詩人・三好達治が妻子と離縁して朔太郎の妹・慶子と結婚するも、奔放な彼女に対する愛と憎しみを制御できなくなっていくさまが描かれる。達治に東出、慶子に入山が扮したほか、吹越満、有森也実、マンガ家の浦沢直樹、朔太郎の孫・萩原朔美らが出演した。脚本を手がけたのは五藤さや香と荒井晴彦。「いぬむこいり」の片嶋一貴が監督を務めた。

ビジュアルには達治、慶子らが写し出されているほか、コブシ(辛夷)の花が大きく扱われている。タイトルの「天上の花」とは一般的に仏教用語で曼珠沙華、彼岸花のことを指すが、達治が「山なみとほに」という詩で天上の花として詠ったのがコブシの花だ。タイトルロゴには、達治が生前に書いた直筆の文字が使用されている。特報には、達治が慶子に自作の詩を渡すシーンなどが切り取られた。

また東出、入山、片嶋からコメントが到着。東出は「愛ゆえに男が女を殴る。そんな理屈は詭弁だと思っていた。しかし悪魔的な、本人にとっては純真無垢な愛に翻弄された時、人は変わってしまうのかも知れない」、入山は「私は、いつか、こんな世界に飛び込みたかった。私を慶子にしてくれて、ありがとうございます」と語り、片嶋は「あらゆるものは、絶えず移り変わって行く。そんなままならない世の中に、ボクらは何を考え悩み、情熱をかけて、いったい何を守り、得体の知れない不条理と闘って行かなければならないのか? 不穏な空気が蔓延する世界に、そんなことを考えるきっかけの映画になればと心から願っている」とつづっている。

「天上の花」は12月に東京・新宿武蔵野館、ユーロスペース、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかで公開。なお本作は、今秋開催される大回顧展「萩原朔太郎大全2022」を記念する映画として製作された。

東出昌大 コメント

愛ゆえに男が女を殴る。
そんな理屈は詭弁だと思っていた。
しかし悪魔的な、本人にとっては純真無垢な愛に翻弄された時、
人は変わってしまうのかも知れない
深淵を覗き込む物語です。
是非ご覧下さい。

入山法子 コメント

愛したり憎んだり許したり許せなかったり言葉にならない曖昧な人間の思いを、
いつも、映画は受け入れてくれた。
私は、いつか、こんな世界に飛び込みたかった。
私を慶子にしてくれて、ありがとうございます。

片嶋一貴 コメント

戦争は人を狂わせる。
第二次世界大戦時、泥沼の戦争状態に突入した日本。時代をおおう閉塞感と不安と焦燥の中、主人公の詩人は戦意高揚詩で名を上げる。男は一人の美しい女を愛し、やがて激情のままに女に手を挙げ、泣きながら暴力を振るうようになる。その振り上げられた拳と悲しみの涙は、誰のものでもない。それは、今を生きるボクら自身の抑制のきかない衝動そのものだ。時代を超えて、誰もが加害者にも被害者にもなりえる。詩に心魂を捧げ、女を愛し、日本という国家と自我を同化させて生き抜いて来た男は、戦後すべてを喪失する。女との離別。そして、残酷なまでの価値の崩壊。あらゆるものは、絶えず移り変わって行く。そんなままならない世の中に、ボクらは何を考え悩み、情熱をかけて、いったい何を守り、得体の知れない不条理と闘って行かなければならないのか?
不穏な空気が蔓延する世界に、そんなことを考えるきっかけの映画になればと心から願っている。

(c)2022「天上の花」製作運動体