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初タッグ! 林美智子と上原彩子が歌曲の世界へ誘う

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林美智子と上原彩子 (C)Toru Hiraiwa (C)武藤章

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ちょっと意外な顔合わせ。メゾ・ソプラノの林美智子とピアノの上原彩子が初めてコンビを組み、ドイツ歌曲(リート)の森に踏み入る(11月11日(金)Hakuju Hall)。

間違いなく、聴き逃せないコンサートだ。上原にとって初めての声楽との共演。

上原「テンポ感やリズムを作るのがリートのピアノの重要な役割。そこは責任重大です。もちろん、私にとって新鮮なのは歌詞の存在。普段経験がないので面白いところです」

林「歌には言葉=意味があるので、“色”を想像できる世界。それがない世界で表現するピアニストはすごい。歌曲でも、描写のほとんどはピアノ・パートの和音やリズムが作り出してくれるんです」

上原「ピアノ曲にも、作曲家の頭のどこかには言葉のイメージがあるはず。今後にも生かしたいです」

プログラムのメインはシューマンの《女の愛と生涯》。じつはふたりを結んだのがこの曲。5年前、仙台の音楽祭でこの曲を歌った林が、直後のステージで上原のモーツァルトを聴いて感銘を受け、食事に誘ったのが出会いだった。その上原は中学生の頃、ピアノのレッスンの一環で《女の愛と生涯》を弾いた経験があったのだそう。この話で盛り上がり、「いつかぜひ!」と約束した共演が、やっと実現するのだ。

シューマンのほか、ブラームスの数曲の歌曲とベートーヴェンの歌曲集《遥かなる恋人に》を歌うリート・リサイタル。林がリートだけでプログラムを組むのは初めてだ。

林「挑戦です。若い頃は、理屈では理解できても、詩の重みが本当に心に響いてはいなかったと思うんですね。もう少しいろんな経験を積んで歳を取ってから、と思っていたのですけど、そろそろその時期かなと。詩の世界がわかるようになったとまでは言いませんが、感じることが増えてきました」

上原「《女の愛と生涯》が表情がはっきりしているのと比べて、《遥かなる恋人に》は、もちろん歌曲だからロマンティックなんだけれども、まだそれを模索しているような時代。こまやかな移り変わりを表現するのがとても難しいと感じています」

林「ロマン派のように感情を放出するのではなく、内面に向かっているイメージですね」

上原「ふたりで時間をかけて合わせながら、最後はある程度同じ方向を向いて。でも互いが違うニュアンスで、それがひとつになればいいなと思います」

林「その過程も楽しみよね。生まれてくるものが毎回違うから。音楽がそこに導いてくれる。楽しみです」

<プラチナ・コンサート・シリーズ Vol.14>
2人の芸術家が描き出す「女の愛と生涯」
林美智子&上原彩子 デュオ・リサイタル
11月11日(金) 19時開演
Hakuju Hall
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2226039

文:宮本明

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