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w.o.d. セルフプロデュースで挑んだニューアルバム『感情』 「バンドとして強くなった」

音楽

インタビュー

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今や人気急上昇中のネオ・グランジ・バンド、w.o.d.(ダブリューオーディー)。彼らがニューアルバム『感情』を完成させた。スリーピースの限界を突破する圧倒的なオリジナリティを武器に、セルフプロデュースで挑んだ今作はバンドにとって決定打的な一枚に仕上がった。衝動迸るロック・チューンからメロディに重きを置いたスケール感のある曲調まで、どれもw.o.d.らしい個性に貫かれている今作について、メンバーのサイトウタクヤ(Vo&Gt)、Ken Mackay(Ba)、中島元良(Ds)に話を聞いた。
ちなみに、今作のレコ発ファイナルは最大キャパ・Zepp DiverCityである。デカ箱で早く今作の楽曲を浴びたい!

グルーヴどうこうではなく、その先に行きたいんですよ(サイトウ)

――今作の話の前に今なお続くコロナ禍で徐々に有観客ライブも増えていますが、バンド的には何か心境の変化はありますか?

サイトウ コロナ前は小さなライブハウスをずっと回っていて、各所パンパンという感じでもなく、ドサ回りしてましたからね。いい感じでお客さんが増えてきた頃にコロナ禍になったんです。ライブがなくなったのは寂しいけど、声を出せないとか、そこは観ている側は辛いかもしれないけど、俺らはあまり何も感じなくて。

Ken 煽ったりしないもんね。

――ああ、なるほど。

サイトウ (コロナ前は)モッシュする人もいれば、腕組んで観ている人もいて、バラバラだったんですよ。だから、今も違和感はなくて。

元良 ステージ上でやっていることはずっと一緒なんですよ。MCもほとんどしないもんね。

サイトウタクヤ

――確かにw.o.d.はMCも少ないですからね。

サイトウ はい。2020年11月に名古屋CLUB UPSETで久しぶりにライブをやったときに、声も出せないし、動いてもダメという時期だったけど、人のパワーを感じたんですよね。演奏しながら押し負けるような感覚を3人とも感じて・・・ライブってこういうことだなと。改めて初心に返れたし、自分が初めてライブハウスに行った感動とか、洋楽のバンドを観に行ったときに音デカっ!とか、スタジオでマーシャルにギター繋いだときの感動まで思い出したんですよ。

元良 血が逆流するような感じがあったもんね。

サイトウ あのライブ以降は、そういう気持ちになれるように頑張っているし、それが観る側にも伝わるといいなと。

Ken やっと対バンもできるようにもなったし、そこからの刺激も多いもんね。バンド的にも成長できました。

元良 今、ライブで気をつけているのは、音楽そのものになるというか。そういうことだと思うんですよ。

サイトウ ゾーンに入れたら一番いいのかなと。グルーヴどうこうではなく、その先に行きたいんですよ。それを求めてやってますからね。

――先日のライブ(9月11日・渋谷クアトロ、w.o.d.とGLIM SPANKYとのツーマン)では今作から7曲披露してましたよね。曲調の雰囲気もあると思いますが、演奏はより一枚岩になり、整合感も出てきて、何よりサイトウさんの歌が前に出てきた印象を受けましたが、いかがですか?

サイトウ そうですね。歌は曲作りでも意識しているし…1stアルバム、2ndアルバムは衝動を大切に作ったんですけど、俺は最初はギタリストになりたかったし、ヴォーカリストとしての自信もなかったから、歌に重きを置いてなかったんですよ。ただ、ニルヴァーナのカート・コバーン、BUMP OF CHICKENの藤原さんの歌声にも憧れていたから。単純にバンドとして、いい曲を作るためには歌が大事やなと。あと、「楽園」(3rdアルバム『LIFE IT TOO LONG』収録)を出したときにw.o.d.の基礎が完全に固まって、アイデンティティが確率された気がして。その後はどんな曲を作ってもw.o.d.らしくあれるなと。
もともと歌モノっぽい要素はあったけど、それをどんどんナチュラルに出せるようになりました。だから、ライブの音のバランスも歌をフィーチャーできるようになったし。とはいえ、歌と楽器は並列なのかなと思うんですけど。

Ken 最近はカタマリになってきた気がしますね。

サイトウ わかる! 演奏していてね。

Ken 今作はセルフプロデュースというのもあるけど、自分たちがやりたいことをやって、こんなにいいものができたから、それが自信にもなってますね。バンドとして強くなった感じがする。

元良 今作は、自分たちができることをちゃんと見つけられた気がします。

サイトウ アルバム3枚出して、バンドの自信もついてきたから、違うジャンルを取り入れたり、遊べるようになりましたね。それでいろんな曲ができるようになったのかな。

Ken 「オレンジ」とかね。3rdアルバムまでだったらできなかったと思う。「白昼夢」も前作の頃に出来ていたけど、なんか今じゃないかもね、という感じだったから。

Ken Mackay

――「オレンジ」、「白昼夢」もスケール感のある曲調で、それもこのタイミングだから仕上げることができたと。楽曲にも幅が出てきたし、今作の完成度が素晴らしいのはもちろん、作品全体の流れも最高だなと。

サイトウ 良かったぜ(笑)! 自分もアルバム単位で聴いてきたから、何度も入れ替えて曲順を考えたんですけど、めちゃくちゃ良くなりましたね。

元良 レコーディングは全曲アナログテープで録ったから、パソコンを一切通してないんですよ。曲順の入れ替えも簡単にできなくて、時間もかかりましたね(笑)

自分たちが演奏に感動しているときが一番最高(元良)

――今作はアナログ録音ということもあり、とんでもなく音もいいですね。そこにもビックリしました!

サイトウ いいですよね? アナログテープだと音が豊かになるし、角が取れる感じで、スタジオの部屋の鳴りも感じられて。

――ええ、「Kill your idols, Kiss me baby」もスタジオの空気感が伝わってきて、ゾクゾクしました!

サイトウ ですよね。フー・ファイターズの『WASTING LIGHT』も好きなアルバムで、コンプ感もすごく自然だし。ニルヴァーナの『IN UTERO』はプロデュースがスティーヴ・アルビニなんですけど、音量を上げてもむしろ優しくなって、耳に痛くないんですよ。それがテープの魅力かなと。

――そんな音質の良さもありつつ、今作のアルバム像はどんなものでした?

サイトウ 5曲ぐらいできたタイミングで、アルバム名も何となく漢字二文字のイメージがあったんです。曲作りは何となくの言葉やフレーズから広げていく感じで、今作もそうだったんですよ。そこでパッと「感情」という言葉が浮かんできて、みんなにいいね!と言われたから。でも途中で「衝動」かな、その方がロックバンドっぽいなとも思ったんです。だけど、それだとイメージが狭くなる気がして。本来いろんな音楽が大好きだから、「感情」のほうがしっくり来たんですよ。今回は生活っぽい歌も入れられたから、どこかだけをフィーチャーしたくなくて。

中島元良

――なるほど。今作は『感情』というアルバム名がぴったりハマッていると思います。楽曲の話に移ると、「Dodamba」はリズムが強調されて、サウンドの質感も含めて、新しい扉を開いた曲調ですね。今作の中でも1、2位を争うくらい大好きです。

元良 それは嬉しいですね!

サイトウ この2人(Ken、元良)が大元を作ったんですよ。かっこいいですよね!

元良 ジャック・ホワイトの『FEAR OF THE DAWN』が出た次の日に曲作りに入ったんです。

サイトウ 2人にトラックを作ってもらうことはあったけど、曲にならないことが多くて。一度、構成込みで曲を作るつもりでやらない?と話して。ビートありきの曲になればいいなと。

Ken この曲ではかっこいいベースとドラムを作りたくて。新しいし、やったことがない作り方でしたね。完成して嬉しいし、これからもこういう曲を作っていきたいですね。

――そしてラスト2曲「Sunflower」、「オレンジ」の流れも良くて、野外やスタジアムで映えそうな楽曲です。「Sunflower」はロシアによるウクライナ侵攻に着想を得たそうですね?

サイトウ そうですね。現地で巻き込まれている人のことを考えていると、本当に辛くて。歌詞や曲作りは自分を救済する面もあるので、このモヤモヤを消化したいなと。ヒマワリはウクライナの国花で、戦争反対のモチーフとしても使われていて。テレビのニュースを観て、ウクライナの現地の人たちは住み慣れた場所を動きたくないみたいで、それを安全な地域へ移動してもらうのに、説得するボランティアの方がいて、その時に現地の花を持たせて移動させるという話を聞いて、すごく素敵だなと思ったんです。あくまで自分の言葉で、そういうことを思いながら歌いたいなと。音像的にはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインを思い浮かべて…轟音やけど、優しくて包み込まれる良さがあるから。あくまでこの曲は優しい歌にしたかったんですよね。

――では、今作を引っ提げて、10月からツアーが始まります。最後に意気込みを。

Ken  バンドとして今は一番いい状態だから、絶対に観に来てほしいですね。

サイトウ 今作が完成した後もスタジオにいっぱい入って、準備しているし、どんどん仕上がってますからね。今は演奏も楽しいんですよ。そういう意味でも今が一番いいと思います。ツアーでさらに良くなればいいなと。

元良 自分たちが演奏に感動しているときが一番最高で、そのためにやっているんですよね。お客さんに楽しんでほしいというのも二次的なもので、音楽のために音楽をやりたいんですよ。最高になりたいですね(笑)。

――最高な自分たちを見せて、観客が最高な気持ちになるのが理想だと?

サイトウ そうっすね。で、その後にビールをクイッといけたら、最高ですね(笑)。

Text:荒金良介

<リリース情報>
w.o.d. ニューアルバム『感情』

Now On Sale

w.o.d.『感情』ジャケット

●生産限定盤(CD+布ポスター+ライナーノーツ):5,500円(税込)

●通常盤(CD):3,300円(税込)

【収録内容】
01. リビド
02. イカロス
03. バニラ・スカイ
04. 白昼夢
05. 馬鹿と虎馬
06. Kill your idols, Kiss me baby
07. Dodamba
08. 失神
09. Sunflower
10. オレンジ

w.o.d.「リビド」MV

w.o.d.「オレンジ」MV

詳細はこちら:
https://www.wodband.com/discography/3883.html

<ツアー情報>
w.o.d.『ONE MAN TOUR “バック・トゥー・ザ・フューチャーⅣ”』

w.o.d.『ONE MAN TOUR “バック・トゥー・ザ・フューチャーⅣ”』告知画像

10月1日(土) 兵庫・太陽と虎 ※SOLD OUT
10月7日(金) 岡山・IMAGE
10月10日(月・祝) 福岡・DRUM Be-1
10月14日(金) 北海道・cube garden
10月16日(日) 宮城・仙台CLUB JUNK BOX
10月19日(水) 京都・KYOTO MUSE
10月21日(金) 香川・高松DIME
10月22日(土) 広島・SIX ONE Live STAR
10月29日(土) 長野・LIVE HOUSE J
10月30日(日) 石川・金沢vanvan V4
11月5日(土) 愛知・名古屋BOTTOM LINE
11月6日(日) 大阪・BIGCAT
11月17日(木) 東京・Zepp DiverCity TOKYO

【チケット情報】
前売:4,400円(税込)
※ドリンク代別途必要

■チケット一般発売
※予定枚数に達し次第販売終了となります。
https://w.pia.jp/t/wod-tour22/

<番組情報>
FM NACK5『w.o.d.のパジャマdeラジオ Re:Loaded』

放送日:毎週木曜日 25:40~26:00(『ラジオのアナ~ラジアナ~』内)

番組公式サイト:
https://www.nack5.co.jp/program/pajama-de-radio/

関連リンク

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https://www.wodband.com/

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