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香港が誇る7人の監督が全編35mmフィルムで撮ったオムニバス映画『七人樂隊』 ユエン・ウーピン監督インタビュー公開

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ユエン・ウーピン監督 (C)2021 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved

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コロナ禍で通常開催を断念した2020年第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに選出された香港映画『七人樂隊』が、10月7日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開される。このたび、ユエン・ウーピン監督のインタビュー映像とメッセージが公開された。

『七人樂隊』は、ジョニー・トー監督のプロデュースで、現在香港で活躍する7人の監督が集まり、1950年代から未来までを、担当する年代をクジで選び撮影されたオムニバス映画。フィルム時代に敬意を表し全編35mmフィルムで撮影された。

それぞれ固有の作風で注目を集めるフィルムメーカーたちの中でも、世界に名だたるアクション監督・武術指導として傑出した存在のユエン・ウーピン監督は、かのジャッキー・チェンを大スターに押し上げた初期監督作『スネークモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』や、ドニー・イェンのデビュー作『ドラゴン酔太極拳』で 一大カンフー映画ブームを巻き起こしたカンフーアクションの巨匠。

90年代末にはハリウッドに進出し、『マトリックス』『マトリックス リローデッド』のカンフーアクション指導(カンフーコレオグラファー)を担当し、革新的なアクション表現に貢献。

その他、『グリーン・デスティニー』『キルビル』『カンフーハッスル』『女帝 [エンペラー]』、『グランド・マスター』『イップ・マン 継承』など、国内外の多数の大作で、アクション監督・武術指導を手掛け世界にその名を馳せている。

そんなユエン・ウーピン監督の作品は、イギリスから中国への香港返還を前にした1997年に、カンフーの鍛錬に励むお爺ちゃんと、高校生の孫娘の交流を温かく紡ぎあげた『回帰』。

エレベーターのない唐楼と呼ばれる香港の古い集合住宅でひとり暮らしをしているお爺ちゃんは、かつては武術大会で優勝したこともあるほどカンフーが得意。

息子一家がカナダに移住するため、高校生の孫娘を一時的に預かることになり、腸粉や砵仔糕(プッチャイコウ)のような香港の伝統的な料理やお菓子を用意して出迎えるが、ハンバーガーと即席麺が好きな孫娘とのやりとりは嚙み合わず……。

お爺ちゃんを演じるユン・ワーは、サモ・ハン、 ジャッキー・チェン、ユン・ピョウらが出演し、京劇を学ぶ北京戯学院で特に優秀な7人の生徒が選抜されていく実話を描いた名作『七小福』のメンバーのひとり。『ドラゴン怒りの鉄拳』以降、ブルース・リーのスタントマンを務めたことでも有名な香港のレジェンド俳優である。

劇中でお爺ちゃんが若い孫娘にカンフーを教えるエピソードには、カンフー映画への深い愛情が滲む。ユン・ワーのカンフーを本作で観ることができるのも、貴重な体験となる。

このたび公開されたのは、日本の観客に向けたユエン・ウーピン監督のインタビュー映像とメッセージ。



香港版ポスターをバックに日本の観客へのメッセージに応えてくれたユエン・ウーピン監督。今回、『回帰』を撮った理由について問われると、「抽選で当たったのが90年代だった。それで家族を撮ろうと思った。世代間の溝とか互いに理解しあう物語だ」と訥々と語る。

全編35mmフィルムでの撮影については「トー監督がフィルムに敬意を表して撮ると言うので、僕はいい企画だ、昔を懐かしんでみようと」と、香港映画を盛り上げてきた朋友の企画に賛同したこと。

そして、カンフーや中国武術について問われると「カンフーや中国武術は長年続く中国の伝統がある。カンフー映画はアクションで世界中の人が理解できる。だから僕らの撮る映画は、世界中で受けるんだ」と、誇らしげに語った。

最後に日本のファンに向けて、「『七人樂隊』は、われわれ7人の監督が、香港への思いと記憶で創作しました。ぜひ皆さん劇場でこの作品をご覧いただき、この気持ちを感じてください。ありがとう」とメッセージを送っている。

『七人樂隊』
10月7日(金)より公開