キネコ国際映画祭で「ブレンダンとケルズの秘密」監督の長編が海外部門グランプリに
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「生きのびるために」 (c)Cartoon Saloon
キネコ国際映画祭2018が11月26日に閉幕。クロージングセレモニーにてコンペティション部門の結果が発表された。
キネコ国際映画祭は、1歳から12歳までの子供を対象とした世界中の映画を上映する国際映画祭。コンペティションに出品された29作品のうち、5本が部門別で選出された。小学4年生から6年生の15名が審査員を務めた海外作品の長編部門では、「ブレンダンとケルズの秘密」のノラ・トゥーミーによるアイルランド、カナダ、ルクセンブルクの合作映画「生きのびるために」、短編部門ではアナ・ホルヴァットによるアニメ「真っ赤なリンゴ」が受賞。さらに、アンドレアス・ドレーゼンによるドイツ映画「ティム・ターラー ~笑いを売った少年~」がキネコ審査員特別賞に輝いた。
また世界の子供映画祭のディレクターや専門家が選考した日本作品の長編部門では、小林稔侍主演で妻を早くに亡くし一人娘と暮らす初老の男性と亡き妻の遠縁にあたる少年の交流を描いた、黒土三男の監督作「星めぐりの町」、短編部門では合田経郎によるストップモーションアニメ「モリモリ島のモーグとペロル」がそれぞれグランプリを獲得した。監督や審査員のコメントは以下に掲載している。
また、クロージングセレモニーではスペシャルサポーターの松本梨香が登場。「めざせポケモンマスター」「顔晴れワッショイ! 」を和太鼓集団・武志の演奏をバックに歌唱し、会場を盛り上げた。
キネコ国際映画祭2018 受賞結果
海外作品
長編グランプリ「生きのびるために」
短編グランプリ「真っ赤なリンゴ」
審査員特別賞「ティム・ターラー ~笑いを売った少年~」
日本作品
長編グランプリ「星めぐりの町」
短編グランプリ「モリモリ島のモーグとペロル」
「真っ赤なリンゴ」アナ・ホルヴァット(監督)コメント
とても素晴らしい賞を頂きましてありがとうございます。この素敵な映画祭に来れたこともとても光栄なことだと思っております。
「ティム・ターラー ~笑いを売った少年~」アーベット・フリーゼ(主演)コメント
僕が一番好きになった映画祭で賞を頂けるなんて、とてもビックリです。今回、多くの素敵な人と出会い、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。この日本で過ごした時間を忘れることはありません。
「星めぐりの町」岩城レイ子(エグゼクティブプロデューサー)コメント
主役の男の子は、本作での演技が初めての子だったのですが、監督はもちろん小林稔侍さんもしっかりと向きあって下さって、21日間の撮影を無事に終えることができ、こういう形で皆さんに評価していただける作品になりました。子供に対して、子供だからと子供扱いしないで、大人が正面から向き合うことが大切なんだなと、この撮影を通して感じました。本当に素晴らしい賞をいただきましてありがとうございました。
森本千絵(キネコ審査委員長)コメント
海外作品 長編グランプリ「生きのびるために」について
今もどこかの国で、差別や内戦が起きている現状を鮮明に表しています。世界の平和について深く考えさせられる映画です。主人公の勇気ある行動や、家族の絆に心を打たれます。是非家族で観てほしいです。
海外作品 短編グランプリ「真っ赤なリンゴ」について
色々な家族の構成が描かれていることから、本作をグランプリに選びました。
海外作品 審査員特別賞「ティム・ターラー ~笑いを売った少年~」について
グランプリ作品に負けないくらい、とてもいい作品でした。
日本作品 長編グランプリ「星めぐりの町」について
東日本大震災から8年が経ちますが、まだまだ私たちが忘れてはいけないことがたくさん詰まっていました。ここにいる子供審査員含め、私たちには大切な家族がおりますけども、本作は家族を失った少年のお話です。本当の家族はもう戻らないけども、大事な人との出会い、その大切な人と心が徐々に通っていく、じっくりとしたとても丁寧な作品です。とても素晴らしい作品となっております。審査員一同、この作品に出会えたことをとても誇りに思っております。
ダニエル・ルンドクイスト(審査員)コメント
日本作品 短編グランプリ「モリモリ島のモーグとペロル」について
本作をグランプリに選んだ理由は、子供たちに友情や、自分のためじゃなくて“他の人とわける”という大事なメッセージが込められていたからだと思います。映像自体もとてもクオリティが高く、とても楽しく観れる作品だなと思いました。
松本梨香 コメント
キネコ国際映画祭は年々パワーアップしておりまして、とても素敵な映画祭にたくさんの方々がいらしてくださってうれしいです。これからも是非キネコ国際映画祭を応援よろしくお願いいたします。