花村想太らが織りなす新たな「ジャージー・ボーイズ」開幕、中川晃教はさらなる進化目指す
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チームGREENによるミュージカル「ジャージー・ボーイズ」の様子。(写真提供:東宝演劇部)
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」が、昨日10月6日に東京・日生劇場で開幕した。この記事では、昨日6日に行われたチームGREENのプレビュー公演の様子をレポートする。
「ジャージー・ボーイズ」は、マーシャル・ブリックマン&リック・エリスの脚本、ボブ・ゴーディオの音楽、ボブ・クルーの詞によるミュージカル。2022年公演では2016年の日本初演から引き続き、藤田俊太郎が演出を務める。今回はBLACKとGREENの2チーム制で上演。出演者にはチームBLACKに中川晃教、藤岡正明、東啓介、大山真志、チームGREENに花村想太、尾上右近、有澤樟太郎、spiが名を連ねている。
“天使の歌声”を持つフランキーは、成功を夢見る兄貴分のトミーとニックのバンドグループに迎え入れられる。鳴かず飛ばずの日々が続く中、作曲の才能あふれるボブが加入。金もコネも持たない彼らは過酷な下積み生活を経て、才能を開花させていく。ついに大物プロデューサーの目に留まった彼らは、ザ・フォー・シーズンズとしてレコード会社と契約してヒット曲を次々と生み出す。しかし活躍の裏では、莫大な借金やメンバー間の確執などさまざまな問題が起きており……。
劇中では、大衆や労働者に愛されてきたザ・フォー・シーズンズの軌跡が4章に分割される。各章でフランキー、トミー、ボブ、ニックが語り手を務め、グループの栄枯盛衰がつづられた。4人が美しいハーモニーを響かせる場面では照明が客席を明るく照らし、観客が劇中の“大衆”であるかのような一体感を劇場に作り出す。また今回は過去の上演版の大枠を引き継ぎつつ、衣裳や演出に変更が加えられた。過去公演からのファンは、ぜひ違いをチェックしよう。
フランキー役で本タイトルに初参加する花村は伸びやかな高音域を自在に操り、切ないバラードからロック調のナンバーまで、多彩な歌声を披露する。右近は歌舞伎風の動きを取り入れたコミカルな演技で笑わせつつ、ドスのきいた声でメンバーとけんかする姿からはトミーの危うさものぞかせ、その落差で観客を惹きつけた。
花村と同じく初参加でボブ役を務める有澤は、「Cry For Me」で突き抜けるような歌声を響かせて大きな拍手を浴び、満を持して登場したグループの4人目として存在感を示す。またspiは、寡黙なニックが怒りを爆発させるシーンで力強い独白を聞かせ、グループを支えてきたニックの心情を丁寧に描き出した。
このたびキャストのコメントも到着。チームBLACKでフランキーを演じる中川は「演出や美術の変更や、新たな出演者の皆様が加わり、2016年の初演キャストとスタッフ皆様と共に創り上げた奇跡の舞台が、どのように進化を遂げるのか。進化することを恐れずに進み続けたいです」と意気込みを語り、花村は「チームGREENならではの『ジャージー・ボーイズ』にできていると、自信を持って言えます」と話し、「このご時世に劇場へ足を運ぶと決めてくださった皆様、本当にありがとうございます。その皆様の覚悟に沿える最高の音楽と、不安を吹き飛ばす最高の感動を必ずお届けしたいと思います。僕達と大切なお時間を過ごすと決めてくださった事、本当に感謝しかありません」とメッセージを送った。
上演時間は休憩込み3時間を予定。日生劇場では本日10月7日にチームBLACKのプレビュー公演が実施され、明日8日から29日まで本公演が行われる。本作はその後12月11日まで大阪、福岡、愛知、秋田、神奈川を巡演する。
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
2022年10月6日(木)~29日(土)※10月6・7日はプレビュー公演
東京都 日生劇場
2022年11月3日(木・祝)~6日(日)
大阪府 新歌舞伎座
2022年11月10日(木)~13日(日)
福岡県 博多座
2022年11月26日(土)・27日(日)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2022年12月3日(土)・4日(日)
秋田県 あきた芸術劇場ミルハス
2022年12月10日(土)・11日(日)
神奈川県 横須賀芸術劇場
脚本:マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
音楽:ボブ・ゴーディオ
詞:ボブ・クルー
演出:藤田俊太郎
キャスト
フランキー・ヴァリ:中川晃教、花村想太
トミー・デヴィート:藤岡正明、尾上右近
ボブ・ゴーディオ:東啓介、有澤樟太郎
ニック・マッシ:spi、大山真志
ボブ・クルー:加藤潤一
ジップ・デカルロ:山路和弘
ノーム・ワックスマン:戸井勝海
綿引さやか、小此木麻里、遠藤瑠美子、ダンドイ舞莉花、大音智海、山野靖博、若松渓太、杉浦奎介、岡施孜