「コネクト」チョン・ヘインが三池崇史の演出を語る「やっぱり普通の方じゃない」
映画
ニュース
「コネクト」会見の様子。左から三池崇史、チョン・ヘイン、キム・ヘジュン、コ・ギョンピョ。
韓国ドラマ「コネクト(原題)」の会見が第27回釜山国際映画祭で行われ、キャストのチョン・ヘイン、 コ・ギョンピョ、キム・ヘジュン、監督の三池崇史が出席した。
三池が「愛の不時着」の制作などで知られるスタジオドラゴンとタッグを組んだ本作は、連続殺人犯と視覚を通してつながってしまった男の闘いを描くクライムファンタジースリラー。どんな大けがでもすぐに治せる自己治癒能力を持ったハ・ドンスは、ある日、臓器売買組織に誘拐され目を奪われてしまう。やがて失った目が連続殺人犯に使われていることが明らかになり、ドンスは目を取り戻すため、殺人鬼を追うことになる。チョン・ヘインがドンス、コ・ギョンピョが殺人犯のオ・ジンソプ、キム・ヘジュンが謎多き存在のイラン役でキャスティングされた。
三池は「スタジオドラゴンに呼ばれたとき『愛の不時着2』が作りたいと言ったんですが、『君の仕事じゃない』って言われまして」と茶目っ気たっぷりに話し、「当時は釜山国際映画祭に招待されるとも思っていなかったですし、自分から一番遠いディズニーで配信してもらえるとも思っていなかった。この2つは大きな驚きです」と言及。「コロナがあったので打ち合わせはデジタルで進んで、不安はありました。でもチョン・ヘインが『何があっても監督の味方だから好きにやってください』と言ってくれて。何の問題もなくスムーズに仕事ができましたね。日本でやっているときよりもストレスがなかった。台本にやるべきことが書いてありますし、それぞれの解釈の違いこそ作品の幅になっていく。奇跡的に生まれた作品だと思います」と語る。
チョン・ヘインは「監督と一緒に仕事をして、言葉の壁は大きな問題ではないと感じました。アイコンタクトとボディランゲージでコミュニケーションを取って、心が通じ合っていました」と言いつつ、「監督はユーモアあふれる方で、たまに冗談を言うんですが、通訳の方を通すのでこちらのリアクションに間ができてしまう。それがすごく残念でした」と悔しがった。
本作の魅力を問われたキム・ヘジュンは「監督の演出方法と独特な素材がマッチして、韓国ではあまり観たことがない作品が生まれたと思います」と期待を煽る。コ・ギョンピョは「作品ごとに違う演技をお見せすることを目標にしています。そのための練習、努力が楽しい」と笑顔を見せた。
三池はチョン・ヘインについて「俳優として生きていく人間の中には自分がどう見えるかを大事にしている人もいる。でも彼は作品に対して献身的な役者」と語り、「スタッフ1人ひとりの能力によって作品が支えられていて、ともに作っていくんだという感覚を持っている。すごく優しい。言葉ではなく雰囲気でそれが伝わるんです。役者の中では珍しいタイプ」とたたえる。コ・ギョンピョに関しては「たまに遅刻してくるんだけど、憎めなくてかわいい(笑)。本番のときの集中力はすごいです。役に入るときにガーッと集中する」とコメント。続けてキム・ヘジュンの芝居を「役になろうとするよりも、自分の中に取り込んで表現する。ナチュラルな演技」と分析し、「3人にそれぞれの役を演じてもらって助かりました」と感謝した。
これを聞いていたコ・ギョンピョは「監督の熱烈なファンなのですが、すごくかわいがっていただき、楽しい現場でした」と、キム・ヘジュンは「監督の頭の中に描きたいものが明確にあったので、現場でブレたことはなかったです。一緒に作品を作り上げているという感覚になれてありがたい時間でした」と笑顔に。チョン・ヘインは「監督は無駄なカットは大胆に撮らず、集中すべきところはかなり突っ込んで撮る。アクションシーンのたびに監督自ら実演してくださったのですが、すごくうまくて。やっぱり普通の方じゃないと感じました」と思い返す。
三池は「今、何が流行っているとかではなく自分のやりたいようにやることを心がけている」「流血シーンを撮る場合も、美しさや悲しさを感じてもらえるものになればと思って作っています」とこだわりを明かす。そして「実は、構想としてはこの作品は序章なんです。1匹のハツカネズミがタイムスリップして送られてきたところから物語が始まる。このシリーズではそこまでは描かれないんですが、それはAIが人間を超えたあとの人類からの我々に対する警告。いろんなところにそういったもののヒントを見つけて楽しんでいただければ」と呼びかけた。
「コネクト」はディズニープラス「スター」で独占配信。配信時期は発表されていないため続報を待とう。
(c)2022 Disney and related entities