47年ぶりの再演『フィレンツェに燃える』を新たな演出で。宝塚歌劇団花組の全国ツアー公演開幕
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(c)宝塚歌劇団
宝塚花組の『フィレンツェに燃える』と『Fashionable Empire』全国ツアー公演が、10月14日、大阪の梅田芸術劇場メインホールで開幕する。同ツアーは大阪を皮切りに、横浜、長野、上田、名取、そして名古屋と、計6都市を巡る予定だ。
ミュージカル・ロマンス『フィレンツェに燃える』は、1975年、雪組の汀夏子主演で初演された。作・演出は柴田侑宏。柴田はこの作品で、ドストエフスキーの「白痴」で描かれたような愛の二面性というテーマを、宝塚の舞台で追及し、芸術選奨新人賞を受賞している。47年ぶりとなる今回の再演では、新たに大野拓史が演出を担当した。
19世紀半ば、国家統一運動の兆しが見え始めたイタリア、フィレンツェ。バルタザール侯爵には、対照的な性格のふたりの息子がいた。兄のアントニオ(柚香光)は、侯爵家の長男にふさわしい高潔で聡明な貴公子で、弟のレオナルド(水美舞斗)は奔放な性格の熱血漢だが、仲の良い兄弟だった。そこへ、遠縁の公爵の未亡人パメラ(星風まどか)が静養にやってくる。彼女は酒場の歌姫から公爵夫人に上り詰めた女性で、周囲の貴族からは敬遠されていたが、アントニオは一目で彼女に魅せられ、恋に落ちてしまう。レオナルドは、彼女が兄を破滅させるのではないかと危惧し、仲を裂くためにパメラを誘惑しようとする。
出演はほかに、パメラの元恋人で憲兵のオテロに永久輝せあ、アントニオの幼馴染アンジェラに星空美咲、その婚約者レナートに聖乃あすから。
ショーグルーヴ『Fashionable Empire』(作・演出稲葉太地)は、今夏上演された大劇場作品で、トップスター柚香光が、時代や流行の先端を行く洒落者が集う帝国のエンペラーに扮する、ストーリー仕立てのスタイリッシュなエンタテインメントだ。
なお、10月22日16時30分開演の横浜・神奈川県民ホール公演は、全国各地の映画館でライブ中継が、タカラヅカ・オン・デマンドでライブ配信が予定されている。
また、宝塚バウホールでは、花組の若手を中心に編成された2組によって、バウ・ワークショップ『殉情』が上演される。谷崎潤一郎の小説「春琴抄」を原作に、石田昌也が脚本・演出を手がけたもので、95年と02年に絵麻緒ゆうの主演で上演、08年にはバウ・ワークショップとして再演され、早霧せいな、蓮水ゆうやが主演した。今回は竹田悠一郎が潤色・演出を担当する。主人公の佐助役は、10月13日から21日までが99期の帆純まひろ、10月30日から11月7日までは100期の一之瀬航季で、いずれもバウホールでは初主演。ヒロインの春琴役は、103期の朝葉ことの、104期の美羽愛がそれぞれ務める。
こちらもライブ配信があり、帆純主演が10月21日15時公演、一之瀬主演が11月5日15時公演で実施される予定だ。
文=原田順子