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油彩画とは違ったヴァロットンの魅力を展観『ヴァロットンー黒と白』10月29日より開催

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フェリックス・ヴァロットン《お金(アンティミテⅤ)》1898 年 三菱一号館美術館

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19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家フェリックス・ヴァロットンは、黒一色の革新的な木版画で名声を高めた版画家でもあった。その黒と白のみでつくられた木版画の世界に焦点をあてた展覧会が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で、10月29日(土)から2023年1月29日(日)まで開催される。

三菱一号館美術館は、2014年にヴァロットンの回顧展を開催し、この画家の全貌を日本で初めて紹介した実績がある。その際にも一部の木版画が展示されたが、実は同館は世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇る美術館だ。今回は、約180点に及ぶそのコレクションを一挙初公開し、油彩画とはまた違ったヴァロットンの魅力を探求する試みとなる。

希少性の高い連作〈アンティミテ〉〈楽器〉〈万国博覧会〉〈これが戦争だ!〉なども含むコレクションはまた、ヴァロットンが生涯に制作した版画の大部分を網羅している。そのため、作品を通じて彼の生涯をたどり、また彼が時代ごとに抱いていた関心の移り変わりを見てとることもできる。

たとえば、スイスからパリに出てきた彼が異邦人としてパリを観察した作品では、「群衆」や社会の暗部を露呈するような事件が、皮肉やユーモアを込めて描き出されている。ナビ派の仲間たちと活動した時代には、アール・ヌーヴォーの美学にも似た装飾性豊かな作品が登場。結婚後は、男女関係や結婚生活の不協和音が感じられる作品も見られ、また第一次世界大戦が勃発すると、戦争を主題とした作品もつくられた。テーマや表現は多様だが、一貫しているのは、その独特の視点や、白と黒を効果的に活かした卓越したデザインセンスだ。ときにブラック・ユーモアにあふれるその作品は、観る者を魅了してやまない。

なお、今回は、同館と姉妹館提携をしているフランスのトゥールーズ=ロートレック美術館の開館100周年を記念した特別展示もある。ロートレック美術館の協力のもと、ロートレックとヴァロットンの作品を並べて見せる展示室では、同時代のパリでともに女性たちを描いたふたりの画家の個性の違いを見比べる楽しみも待っている。

フェリックス・ヴァロットン《ユングフラウ》1892 年 三菱一号館美術館
フェリックス・ヴァロットン《入浴》1894 年 三菱一号館美術館
フェリックス・ヴァロットン《フルート(楽器Ⅱ)》1896 年 三菱一号館美術館
フェリックス・ヴァロットン《嘘(アンティミテⅠ)》1897 年 三菱一号館美術館
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《二人の女友達》1894 年 トゥールーズ=ロートレック美術館、アルビ

【開催概要】
『ヴァロットンー黒と白』
会期:2022年10月29日(土)〜 2023年1月29日(日)
会場:三菱一号館美術館
休館日:月曜(10月31日、11月28日、12月26日、1月2日、1月9日、1月23日は開館)、12月31日、1月1日
開館時間:10:00〜18:00、金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで(入館は閉館30分前まで)
料金:一般1,900円、大高1,000円
公式サイト:https://mimt.jp/vallotton2/

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