「圧倒的にすごい」舞台を 中村倫也主演ミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano』開幕
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ミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano』より (C)MUSICAL「ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~」製作委員会/岩田えり
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すべて見る厚い信頼で結ばれた中村倫也(主演)と河原雅彦(上演台本・演出)が7年ぶりにタッグを組み、韓国ミュージカルを日本版として再創造する『ルードヴィヒ』が、11月13日まで東京芸術劇場プレイハウスで上演されている(東京公演千秋楽・大千秋楽ライブ配信あり/その後大阪・金沢・仙台で公演)。ベートーヴェン役の中村、“不滅の恋人”マリー役の木下晴香、もうひとりのベートーヴェンほか複数役を務める福士誠治ら、出演者たった5人で天才音楽家の生涯を綴る濃密な作品だ。開幕を翌日に控えた10月28日、同劇場にてキャスト3人と河原が取材に応じた。
河原は、「倫也とやる時は、圧倒的にすごいものを作ると決めている。そういうつもりで今回も臨み、いい稽古が積めた」と手応えを見せた上で、「全員がひと皮ふた皮むけないと千秋楽まで行けない大変な演目」「ハイライトしかない、カロリーの高い芝居」と、本作のハードさを強調。それは全員が感じていることのようで、「ベートーヴェンは音楽に魂を注いでいる人。僕がふだん道を歩いている状態ではとても表現できないエネルギー」「いい意味でも悪い意味でもちょっと異常な人しか出てこない(笑)」(中村)、「こんなにエネルギーを放出する感覚を覚えているのは初めて」(木下)と、実感のこもったコメントが続く。
そんな作品であるがゆえに、受け取る側にもある程度のエネルギーが必要なようで、「多少の覚悟をもって観に来てくださるといいかな」と福士。「たまに『何も考えずに来てください』と言うこともあるが、今回は『観るぞ!』という気合で来てくださったら嬉しい」と語ると、中村も「『観るぞ!』と思わないと開幕でアワアワしちゃうかも(笑)」と同意する。「あっという間に終わって、ちょっとぼーっとしながら帰る舞台になるんじゃないか」としつつ、「少しでも何か浴びていただければ」と、観劇を心待ちにするファンにメッセージを送った。
取材会のあとに公開されたのは、約120分の舞台のうち100分ほどだったが、それでも本作が観る側にもエネルギーを求める刺激的なミュージカルであること、そして中村倫也が稀有な舞台俳優であることを実感させるには十分。どんなに100パーセントの情熱で演じても押しつけがましさや暑苦しさがなく、また苦悩や激情を吐露するような歌も芝居の延長線上で、かといって芝居を理由に歌声を制御することから逃げることもなく歌ってみせる。持ち前の澄んだ歌声にマリーの感情の色を混ぜて歌う木下、いくつもの役柄の間を瞬時に行き来する福士と共に、本番では「圧倒的にすごい」舞台を届けてくれることだろう。
取材・文=町田麻子
■MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』
【ライブ配信】
・11月13日(日) 13:00 開演(東京公演千穐楽)
・11月30日(水) 13:00 開演(大千穐楽)
【当日券キャンセル待ち参加券】各公演の前日18:00~開演4時間前まで受付
チケット情報
https://w.pia.jp/t/musical-ludwig/
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