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様々なエピソードとともに美しいボタニカル・アートが大集合『おいしいボタニカル・アート』11月5日より開催

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ウィリアム・フッカー 《リンゴ 「デヴォンシャー・カレンデン」 》 1818年 Michael Whiteway

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科学的な視点と美術品としての美しさを合わせもった「植物画」、ボタニカル・アート。そのなかでも、特に「食用」となる植物をテーマとした展覧会が、世界屈指のボタニカル・アート・コレクションを誇るイギリスのキュー王立植物園の協力のもと、11月5日(土)から2023年1月15日(日) まで、東京・新宿のSOMPO美術館で開催される。

もともとは薬草学や植物学といった科学的な研究を目的として描かれた「植物画」は、17世紀の大航海時代に、珍しい植物を追い求めた人々が率先して記録を残そうとしたこともあって、急速に発達したのだという。専門の画家も活躍し、18世紀以降には、科学目的に加え、芸術性の高い作品も描かれるようになった。野菜や果物、茶やカカオ、ハーブ、スパイスなどの植物が描かれた今回の出品作も、正確かつ緻密な線描に繊細な手彩色がほどこされた、美しくも可憐な作品ぞろいである。

見どころのひとつは、こうした美しいボタニカル・アートを通じ、イギリスの食生活のみならず、広く文化や歴史にもふれられること。たとえば、リンゴは古代ケルトでは食べた者に知恵を授ける不思議な力をもつ植物とされていたことや、古くから親しまれていたイチゴのモチーフがシェイクスピアの悲劇にも登場して重要な役割をはたしていること、17世紀から普及した街中の「コーヒーハウス」に人々が集って情報交換をするなかでジャーナリズムや金融が発達したこと、あるいは飲み物としてのお茶の普及にはイギリス王室の女性たちが大きく関わっていたことなど、様々なエピソードとともに作品を楽しむことができる。

また、古くからの料理のレシピやヴィクトリア朝の時代の家政読本といった資料のほか、食卓を飾るティー・セットやグラス、カトラリーなどのテーブルウェアも出品される。ボタニカル・アートと食にまつわる様々な資料が並ぶ同展は、「おいしい」をキーワードに、イギリスの歴史や文化も楽しく学べる貴重な機会となることだろう。

作者不明 《イチゴ 「ストロベリー・オブ・ヴェルサイユ」 》 1788年 Photo Brain Trust Inc.
フレデリック・ポリドール・ノッダー 《ジャガイモ 》1794年 Photo Brain Trust Inc.
ロイヤル・ウースター社 《コーヒーカップ&ソーサー》 1879年頃 Photo Michael Whiteway
ピエール・アントワーヌ・ポワトー 《ビター・オレンジ》 1807-1835年 Photo Michael

【開催情報】
『おいしいボタニカル・アートー食を彩る植物のものがたり』
会期:2022年11月5日(土)~2023年1月15日(日)
会場:SOMPO美術館
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜(1月9日は開館)、12月29日(木)~1月4日(水)
料金:一般1,600円、大学1,100円/事前購入一般1,500円、大学1,000円
公式サイト:https://www.sompo-museum.org/

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