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小柴陸×羽野晶紀×橋本さとし×たなかしん「めっちゃ笑ってめっちゃ泣ける」家族の物語 関西人3人が関西弁で贈る温かな感動の80分

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左から)羽野晶紀、小柴陸(AmBitious /関西ジャニーズJr.)、橋本さとし、たなかしん(『一富士茄子牛焦げルギー』原作)

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2021年1月、大阪で1日だけの上演となったリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』が新キャストで再演される。原作は明石在住で画家・絵本作家のたなかしんの小説で、第53回日本児童文学者協会新人賞受賞作。関西弁でつづる家族の物語で、“ぼく”は初演から続投の小柴陸(AmBitious/関西ジャニーズJr.)、“おとん”に橋本さとし、“おかん”には羽野晶紀という3人で演じる。俳優3人と原作者のたなかが顔をそろえ、取材会が行われた。

「めちゃめちゃ嬉しい。めっちゃ頑張ります!」(小柴)

「僕、初演では緊張しすぎて、最初に出る時につまずいてこけそうになったぐらい。本番中のことあんまり覚えていなくて」と初々しい小柴だが、初演はコロナで1日限りだった。「とても悔しい思いをしたけど、もう一回“ぼく”をやらせていただけると聞いて、めちゃめちゃ嬉しかったです。めっちゃ精一杯頑張ります」と力強く語る。そんな彼をフォローしつつ、両脇で見守る今作初挑戦の羽野と橋本。羽野は、オファーを受けて「脚本を全部声に出して読んだんです。すっごい勢いで笑ったり泣いたりしながら読み終わって、とっても感動しました。“おとん”役はさとしさんそのままでいい、ぴったりやなぁと思ってぜひやらせていただきたいと」。

ふたりは大学の先輩後輩で、元劇団☆新感線のメンバーでもあり、会見時もNODA・MAPの大阪公演で共演中だった。朗読劇は初体験で不安に思う橋本も、原作を読んで羽野と同様に感動。「活字の中からイメージが広がって、絵本のように絵が浮かんでくる。そして河原(雅彦)さんの演出に、瓜生(明希葉)さんの音楽が乗って映像もある。僕自身も感動しながらこの仕事できるんじゃないかなと思って、勇気を持ってお受けしました。僕が感じた以上の感動がお客様にも伝わればと思います」。原作者のたなかは、初演の舞台を観て「素晴らしい舞台やったんです。自分で書いたのに全然別の物語を見せてもらってるようで、どうやって嗚咽をこらえようかと。これを、どうにかもう一度みんなに観てもらいたいという思いがすごくありました。今回、また違った“おとん”と“おかん”になって、“僕”も1年経ってどうなってるのか、すごく楽しみです」。

左から)橋本さとし、たなかしん

初演の生瀬勝久と沢口靖子から、今回新たな両親役のふたりを得た小柴は「もう“ザ・おとん”“ザ・おかん”みたいな感じです。本当のひとつの家族のように楽しく過ごせたら」と話す。そんな彼を見つめながら「ピュアな感じ」と笑顔の羽野は「前回のおふたりとは真逆やと思いますよ。靖子さんは緻密にしっかり役作りをして臨みはったと思いますけど、私、ほんま出たとこ勝負やから」。橋本も「出たとこ勝負なのは僕も一緒。確かに、前回とは真逆やな」と、漫才のようなふたりの話は旧知の仲の生瀬の話題で盛り上がりながら、会見は関西弁一色で進んだ。

関西弁リーディングアクトで描くおもろい大阪の家族

リーディングアクトと呼ぶ舞台は、通常の朗読劇とは違う。朗読劇は出演者が椅子に座って脚本を読み、観客はそれを聴くというイメージ。だが、今作の舞台上にはコタツのある居間や寝室などシンプルな舞台セットが配置される。3人は本を朗読し、また移動してセリフを言いながら演じ、語り手になったり他の登場人物も演じ分ける。そして、背景にはたなかが描いた富士山などの絵が大きく映し出され、ピアノの情感ある音楽と共に作品の世界観を広げる。聴くというより観る印象が強く、朗読と演劇が交差するおもしろい作りの舞台だ。

左から)羽野晶紀、小柴陸(AmBitious /関西ジャニーズJr.)

小柴は初演で「“ぼく”は性格が自分と逆やったから難しかった。河原さんにセリフ全部にたくさんご指導いただきました。だから読みすぎて本はほぼ覚えていました」と言う。朗読のシーンはあれど、リ-ディングアクトでは通常の芝居と同じくセリフはすべて覚えて臨む必要があるようだ。また、たなかは「この舞台のためだけに50枚ぐらい絵を書きました」と語る。アニメーションのように動く茄子牛や鬼や龍などのキャラクター、切なくて印象的な桜のシーンの絵などを今回のために書き下ろした。物語のイメージが広がる温かく優しい絵だ。「原作者として絵の部分も関わらせてもらえてすごく楽しかったです」。

物語は元旦、オーブントースターで餅を焼く“ぼく”から始まる。餅はいくら焼いても焼きあがらない。「餅が焦げへんようにしてください」。“おとん”が初夢の中で富士山に頼んだしょうもない願いが叶った!? そして富士山はもうひとつ願いを叶えてくれるという……。

「一富士茄子牛焦げルギー」(BL出版)表紙 (c)SHIN TANAKA

「今、生きているといろいろ辛いことがあるけれど、それを乗り越えて、どうにか前を向いて生きてほしい、人に幸せになってほしいという純粋な思いからこれを書きました。たくさんの方に観ていただけたらと思います」。物語に込めた思いを語るたなかに続き、出演者3人からお客様へのメッセージを。「温かい笑いと温かい涙、1時間20分ほどの時間の中で心が動く感動を皆様に届けたいという一心です」(橋本)。「このナチュラルな関西人の3人が思い切り関西弁でやり取りできる、のびのびした舞台ができると思います。きっと客席いっぱいに感動を経験できるひと時を過ごせる気がするので、この大阪の家族の面白さと素敵さを、東京の皆様にもぜひ味わっていただきたいです」(羽野)。「これぞ大阪の家族、というのがわかってもらえると思います。前回観に来てくれたジャニーズ事務所の同期が『わかりやすくて、今まで観た舞台の中で一番おもしろかった』と言ってくれました。どんな方に観ていただいても心に響くと思います」(小柴)。劇場へはハンカチをお忘れなく。

取材・文:高橋晴代

リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』チケット情報はこちら
https://w.pia.jp/t/ichifuji/

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