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ジョージアを舞台にした歴史ロマン小説を舞台化 星組トップスター・礼真琴インタビュー

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13世紀のジョージア(旧グルジア)を舞台に、ジョージア王国の女王・ルスダンとその夫・ディミトリの運命を描いた並木陽の歴史小説『斜陽の国のルスダン』。2017年にNHKのオーディオドラマで放送され、好評を博した同作が、宝塚歌劇でミュージカル化。今作ではディミトリを主人公に、運命に翻弄されながらも、ただひとりの女性への愛を貫き、激動の時代を駆け抜けた青年の生き様を描き出す。ディミトリを演じる星組トップスター・礼真琴に話を聞いた。

男役が統率力で魅せる、初挑戦のジョージアンダンス

「ジョージアという国について、あまり知識がなかった」という礼真琴。本作の世界観に触れることで、建物や民族衣装などさまざまなことに興味が湧いたと話す。「この作品の上演が決まりいろいろと調べていくうちに、国の景色や建物の美しさに興味を持ったのはもちろんですが、私が一番惹かれたのは“チョハ”と呼ばれる民族衣装。袖とはまた別に袖がついているような形のお洋服が美しく、とても興味を持ちました」。独特な形をしたこの民族衣装、美しく見せるための動き方も研究が必要だ。「ビジュアル撮影のときに着させていただいて、手の可動域が限られるお衣裳だなと。舞台で実際に動いたときにどう見えるか、動き方を研究していかなければと思っています。それと同時に、お衣裳の美しさ、きらびやかさなども楽しんでいただけたらと思っています」。

宝塚歌劇団星組『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』 (C)宝塚歌劇団

さらに本作の見どころのひとつとなるのが、ジョージアンダンスだ。初挑戦となる踊りに、ダンス巧者の礼も「苦戦中」と苦笑する。「脚本・演出の生田大和先生から、“ジョージアンダンスを宝塚の男役で見せたらきっとカッコいいだろう”というところからジョージアにまつわる物語を探したとお聞きしまして、ジョージアンダンスはこの作品のメインにもなるのかなと思っています。実際に基礎から学ばせていただいているのですが、バレエに反して作られた踊りということで、身体の使い方が根本的に違うんです。例えば、私たちがいつも踊っているダンスは、回るときは右回りが多いのですが、ジョージアンダンスは絶対に左回り。一番印象的なのは、バレエなどは、ポーズとポーズの間の動きをどれだけ美しく見せるかというところも重要になるのですが、ジョージアンダンスはポーズとポーズの間を見せてはいけないこと。すべてが静止画のように動く、そのキレや、力強さが重要だと教えていただきました」。

身体の使い方が異なる一方で、今まで男役として培ってきた経験も活かせるのではという。「ジョージアンダンスは、始まり方からワクワクしていただけると思います。大人数の男役で表現するのですが、黒燕尾などで培った、“揃える力”を発揮できる場でもあると思うので、舞台上のみんながひとつになって踊る姿にも注目していただけたらと思います」。

ディミトリの姿に希望や勇気を持ち帰ってもらえたら

演じるディミトリは、幼い頃に人質としてジョージア王国へ送られたイスラム教国の王子。幼馴染として育ったジョージア王女ルスダンの夫となるが、その出自ゆえ政に関わることを許されず、ルスダンの良き相談相手として生きることを決意する。そんなふたりの前に亡国ホラズムの王が立ちはだかり……。「人質としてジョージアに来て、心から信頼できる仲間と呼べる人物がひとりもいない。愛するルスダンでさえ、結ばれてしまったことで、ふたりの人生の歯車が狂っていく。ただただ正義のヒーローというわけではなく、切なさや儚さをまとう彼の中から、男としての意志や力強さが芽生えていく過程をどう表現しようかと考えています」。

ルスダンを演じるのはトップ娘役・舞空瞳。ふたりの関係性にも注目だ。「よくあるラブストーリーではなく、結ばれてしまうことで世界が変わっていってしまう。幼馴染のように育ってきたふたりが、立場が変わり、裏切り裏切られ、そして結果待つものは……と、ふたりにとっても壮絶な人生ではありますが、何があっても絶対に消えない愛、揺るがない愛が描かれます。また新しい関係性で演じられるのは、すごく新鮮でありがたく思います」。

作品のテーマは「勇気とは、何か」。ディミトリの姿に、前向きな気持ちになってもらえればと、思いを込める。「自分の中でもまた新たな役との出会いだと思いますが、女王として国を背負うルスダンの横で、自分は影の存在に徹して何ができるのか、というのがカギになると思います。役としては苦しい部分も多いですが、綺城(あやき)ひか理が演じるルスダンの兄・ギオルギ王を敬愛する思いがあり、王が亡き後も彼の思いを継いで勇気を見つけていく物語。ディミトリが“勇気とは何か”を求めて進んでいくその姿に、お客様も希望や勇気を持ち帰ってもらえたら」。

第2幕は齋藤吉正が作・演出を手掛ける、半人半獣のJAGUAR(ジャガー)を主人公にしたストーリー仕立てのショー。礼はプロローグから最後のパレードまで、ジャガーに扮して踊って魅せる。「ショーでひとつの役を通しで演じるというのが初めての経験で、楽しみのひとつです。ジャガーがクリスタルバードという鳥に出会い、喜怒哀楽の感情を手に入れていくというひとつのストーリーの中で、さまざまな人たちが絡んでいきます。ジャガーということで、ジャングルのような“緑”とか“土”をイメージされるかもしれませんが、テーマカラーがシルバーとブルーで、ゲームのような世界観。斬新なショーをお楽しみいただけると思います」。

トップ就任から3年。コロナ禍で組を率いる中で「一つひとつ乗り越えていく心の強さ」を身につけたと思う、と語る礼。今年も公演が中止になるなど、何度も悔しい想いをしてきたが、観客への感謝の気持ちと、組の仲間が支えとなっている。月組からの組替えで暁千星も加わり、さらに盤石の体制となった星組。礼真琴を中心とした、個性あふれる星組生の輝きをぜひ劇場で目にしてほしい。

取材・文=黒石悦子

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<公演情報>
宝塚歌劇団星組
浪漫楽劇『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』/ メガファンタジー『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』

【兵庫公演】
2022年11月12日(土) ~2022年12月13日(火)
会場:宝塚大劇場

【東京公演】
2023年1月2日(月・祝) ~2月12日(日)
会場:東京宝塚劇場

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