伊丹十三4K修復版が台湾で初披露、宮本信子が現地で会見「どの子供もかわいい」
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左から伊丹プロダクションの代表取締役会長を務める玉置泰、宮本信子、伊丹プロダクション代表取締役社長の池内万平。
伊丹十三のレトロスペクティブが行われている台北金馬映画祭の記者会見が本日11月11日に台湾の映画館・台北之家で開催。多くの作品で主演を務めた妻で女優の宮本信子、製作・プロデューサーを担い、現在は伊丹プロダクションの代表取締役会長を務める玉置泰が出席した。
このたび伊丹が遺した「お葬式」「マルサの女」などの監督作、全10本が4Kデジタルリマスター化。「タンポポ」を除く9作が台北金馬映画祭でワールドプレミアされる。宮本は今回の上映について「伊丹さんも、それはそれは喜んでいると思います」と吐露。現地メディアから「このことを伊丹監督が知ったら?」と問われると「全10本がきれいになって、台湾の方々にまとめて観ていただける。『僕は幸せだなあ』と言ってると思いますけど」と笑みをこぼした。
1984年の監督デビュー作「お葬式」から、遺作となった1997年の「マルタイの女」まで、監督としての活動期間は13年。その間に日本社会を見つめた稀代のヒットメーカーとして映画界に足跡を残した。今年で伊丹が死去した1997年から25年が経過し、玉置は「10本作った間の倍ぐらいの時間が経ちました。全10本の4K化は、すごく大きな決断。それが結び付き、この台湾の素晴らしい映画祭に招待していただいた」と説明する。
宮本が台湾を訪れるのは2度目だそうで「飛行場から出て、私の好きな街だと思いました」と親しみをコメント。「台湾の観客にお薦めの1本を選ぶなら?」と問われると「選ぶのは大変。どの子供も、作品もかわいいので。順番を付けるのは、とても難しいです。一番は見つかりません」とほほえむ。玉置は「伊丹監督は、映画館で映画を観てもらうのが本当に好きでした。映画館で映画らしく、大きな画面で、どう観てもらえるかを気にしていましたから。4Kになって、とても喜んでいると思います」と話した。
現地メディアからは「お葬式」や「タンポポ」など個別の作品や、台北金馬映画祭アジアの窓部門で上映された宮本と芦田愛菜の共演作「メタモルフォーゼの縁側」に関する質問も。なお「メタモルフォーゼの縁側」は本日11月11日に台湾での劇場公開がスタートした。
台北金馬映画祭は11月20日まで開催。宮本は本日夜の「お葬式」上映時の舞台挨拶、明日の「タンポポ」上映後のQ&Aに出席する予定だ。4Kデジタルリマスター化された伊丹の全10作は、2023年1月より日本映画専門チャンネル、日本映画+時代劇 4Kにてテレビ初、独占放送される。