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鉄風東京・大黒×仙台FLYING SON・佐々木氏 鉄風東京の原点に迫る対談インタビュー

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左から)佐々木章宏、大黒崚吾

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仙台を拠点に活動する平均年齢19歳の4ピース・オルタナティブロックバンド、鉄風東京(てっぷうとうきょう)。オルタナロックやエモ、ポストロックといった要素にキャッチーさを加えたサウンドで、高校3年生で公開した「外灯とアパート」のMVは50万回再生を突破、10月19日(水) には2ndシングル『BORN』をリリース。

結成から現在に至るまでライブを大事に活動していると語る、鉄風東京が拠点にしているライブハウスが仙台FLYING SONだ。多くのライブハウスが点在する仙台駅西口と反対の東口に店を構えるFLYING SONは、日本のオルタナバンドや独立した精神を受け継ぎ独自の色を出すライブハウスでもある。今回、「from 仙台FLYING SON」を掲げる鉄風東京のVo / G:大黒崚吾(だいこくりょうご)と、同ライブハウスの店長・佐々木章宏(ささきあきひろ)の対談を行い、2人の関係から、鉄風東京の成り立ち、FLYING SONというハコについて話を聞いた。

鉄風東京

――最初に2人の出会いのきっかけから教えていただけますか?

佐々木 ちょうど3年前の2019年11月、うちのライブハウスに鉄風東京が出演しているのを観てすぐにいいなと思ったので、終演後にメンバーに話しかけたんです。名前からしてNUMBER GIRL好きなのかなと思っていたのと、そういう高校生がいると噂を聞いていたのもあって。実際オルタナの影響を感じるサウンドでおもしろいなと思ったんです。

大黒 自分たちがどういうバンドと対バンしたらおもしろいのか定まっていなかったとき、佐々木さんが最大限トゲがないようにアドバイスをくれて。それまで出会ってきた中で、そうやって声をかけてくれる大人が仙台にはいなかったのでびっくりしました。

――FLYING SON自体、仙台のライブハウスにおいて、どういう色のハコなんでしょう?

佐々木 自分ではそこまで意識していないんですけど、所謂オルタナと言われているようなバンド、エネルギーに溢れているような若い子たちがよく出ていて。僕も観ていて楽しいので、そういうバンドが必然的に多くなっている感じですね。

大黒 すごく悪い言い方をすると、仙台のはみ出し者が全員ここにいますよね(笑)。

佐々木 (笑)。ちょっと斜めから見る感じの人たちが勝手に集まってくる。

大黒 仙台のライブハウスって基本的に西口にあるんですけど、FLYING SONは真逆の東口にあって。初めて出演したとき言葉をかけてもらって意表を突かれたというか、こんなところにこんなにいいハコがあったのかというイメージでした。分かりやすく言ったら、地元バンドを大事にするライブハウスと、ライブハウスを大事にする地元バンド、それぞれ相思相愛の関係性がFLYING SONにはあるんです。なのでイベントを作るときに、こういう日にしたらおもしろいよねって話はめっちゃします。

佐々木 例えば、「MEGA★ROCKS」って仙台のサーキットイベントが毎年行われているんですけど、うちが駅の裏側にあって遠いこともあってサーキットに参加していないので、毎年ジャンル的に違うヘヴィメタルのイベントとかを開催しているんです。今年もヘヴィメタルのイベントをFLYING SONでやったんですけど、深夜に「MEGA★ROCKS」に出た2バンドで無料ライブをやっちゃおうぜってアイデアを思いついて。鉄風東京と、うちによく出ている勃発というパンクバンドに声をかけたんです。しかもたまたま鉄風東京と勃発が「MEGA★ROCKS」で同じライブハウスで順番も続いていたので、無料ライブをうちでやったらみんな騒ぐんじゃないかと思って。22時半スタートだったので、お客さんが集まるのか直前まで不安だったんですけど、逆に集まり過ぎちゃって(笑)。

大黒 僕は「MEGA★ROCKS」でもFLYING SONのTシャツを着て「仙台FLYING SONから来ました」って言ってライブをやったんですよ。その日「MEGA★ROCKS」唯一の入場規制になったんですけど、めっちゃ誇らしかったです。してやったぜ!って感じでした。

――2011年の東日本大震災直後の4月23日、FLYING SONは「Play for Japan in sendai」という復興のライブイベントをいち早く開催しました。bloodthirsty butchersの吉村(秀樹)さんも出演していましたよね。

佐々木 うん、弾き語りで来てくれたんです。

大黒 まじっすか!

――その遺伝子を大黒さんが受け継いでFLYING SONでやっているのが熱いなと思います。

佐々木 それこそ当時、ブッチャーズが年2回くらいツアーで来てくれていたんですけど、最後に吉村さんから「仙台のオルタナシーンは任せたぞ」って言われたことをすごく覚えていて。今うちで鉄風東京のような若いバンドが盛り上がっているから、自分の中で吉村さんに対しても、やってやった!って気持ちがあります。

ー鉄風東京はどんな音楽に影響を受けていて、どんなルーツがあるバンドなんでしょう?

大黒 僕自身は、KOTORIとpaioniaから特に影響を受けていて。世代的には時速36kmとか、さよならポエジー、灰色ロジックなど、今25~34歳ぐらいの年齢のバンドが影響を受けている世代だと思います。メンバーは、ギターがBase Ball Bearとか空想委員会だったり、ポストNUMBER GIRLって言われるようなバンドが好きで、ドラムはハヌマーンとか、ベースはジャコ・パストリアスやスタンダードなロックナンバーが好きだったりします。そういう背景があるので、4人が統合した時に、メロはストレートだけどギターとかフレーズが変だったり鋭利な感じがある音楽に結果的になったのかなと思います。

――メンバー全員、同じ高校なんですか?

大黒 いや、全員違いました。ライブハウスなどで僕が一人一人スカウトしたんです。実際バンドをやっていたのはギターだけで、苦しそうな顔でギターを弾いていたから、やりたいのはNUMBER GIRLとかでしょ?って聞いたらドンピシャで。ベースは偉そうにレッチリの話とかをしていたので、これだけ偉そうに喋っていたら上手いだろうなと思って誘って(笑)。ドラムはTwitterでクソうまいって騒がれてたので、誰かに盗られないうちにツバつけとこって思って誘って、みんなでNUMBER GIRLのコピバンをしたんです。

――最初はNUMBER GIRLのコピーから始めたんですか?

大黒 そうですね。WONDER GIRLって名前で、「omoide in my head」「透明少女」「鉄風 鋭くなって」とかやってました(笑)。

――ルーツではNUMBER GIRLの名前は出てこなかったんですけど、どうしてそこでNUMBER GIRLを4人でやろうと思ったんですか?

大黒 ドラムとギターがNUMBER GIRLがめっちゃ好きで、ベースはZAZEN BOYSが好きなんです。メンバーを集めるために僕も勉強して聴いていたので、最初にNUMBER GIRLの曲で合わせて。その時のどんどん走っちゃうようなグルーヴ感というか、そういうマインドの部分で、バンドのグルーヴ感としてNUMBER GIRLがある気がしますね。

――バンド名の鉄風東京の由来は?

大黒 “鉄風”はNUMBER GIRLの曲名「鉄風 鋭くなって」から、“東京”は東京03とか東京事変とか東京が名前についているのが格好いいって理由でドラムがつけたんです。後付けで、何かの中心になれるようにという意味を持たせたんですけど、漢字4文字ってかっこいいなと思って。エゴサもしやすいので鉄風東京にした記憶があります。

――大黒さんの熱い想いの根底にある原動力ってどんなものなんでしょう。

大黒 僕の根底にあるのって、卑屈さとなにくそ精神だと思うんですよ。昔から運動も勉強もできなかったので、どんどん卑屈になったんですけど、結果的にその卑屈さがなにくそ精神って感じで反骨精神になって。言い方が悪いですけど顔がいいバンドマンには絶対負けないぞっていう(笑)。そういう部分での卑屈さが反骨心で出ている気がしますね。

――佐々木さんは大黒さんの性格をどう捉えてらっしゃいますか?

佐々木 僕も全く同じ感じなんですよ。ライブハウスの場所も所謂表じゃなくて裏側にあることもそうですし、少数派なんだけど絶対負けたくないぞっていうところがある。そういう部分で似ているところが、上手く一緒に企画だったりを作り上げられている理由なんじゃないかと思いますね。

――大黒さんが「仙台FLYING SONから来ました」とライブで発言するのも、そうした共鳴する部分があるからなんでしょうね。

佐々木 うちをホームって言ってくれるのはすごくありがたいし、すごくうれしいんですけど、僕的にはとっとと大きいハコにステップを踏んでもらって、全国を回ってお土産話を持って帰ってきてもらえればと思っているんです。それを言っても「いや、FLYING SONでやります!」ってしつこいんですけど(笑)。

大黒 僕としては、Official髭男dismくらい売れてもここに来ますよ(笑)。今回のツアーファイナルはやっとFLYING SONでできるのですごく気合が入っています。

――大黒さんがそこまでFLYING SONを大切にされている理由はどこにあるんでしょう?

大黒 FLYING SONに出ている時が一番楽しいし、息がしやすいし、誰と喋っても気を遣うこともないんです。こんなにいいライブハウスのスタッフさんを調子に乗らせたいというか、単純にこの場所が好きで、店長を早く調子に乗らせたいっていうのがありますね。

佐々木 調子に乗ってるぜ、俺は(笑)。

大黒 まだ足らないですよ(笑)。「閃光ライオット」とか「未確認フェス」とかに出ていたバンドで東北の優勝者がずっといないのも悔しいので、from仙台FLYING SONって言っている部分もあります。単純に自分の好きな場所をもっとみんなに知らしめたい。そこでやっているバンドとして、かっこいいことをやるぞっていう気持ちでいますね。

――最後に、お互いに激励の言葉を伝えていただけたらと思います。

佐々木 出会ったのが2019年で、そこからすぐコロナ禍が始まって、ライブハウスを続ける上で悩んだし、いろいろ大変な時期もあったんですけど、そういう時に鉄風東京の活躍が俺にとってはすごく支えになったんですよ。SNSで東京で活躍している写真を見たり、ツイートが盛り上がっているのを見たりすごく励みになりました。鉄風東京が盛り上がっているおかげで、若い連中だったり同世代から鉄風東京に負けねえぞって子たちが出てきている。大黒が盛り上げれば、周りの連中も負けねえぞって頑張る循環が自然に出てくる。FLYING SONで作りたい環境が大黒のお陰でできつつあるので、これからもよろしくお願いします、ってことを伝えたいですね。

大黒 簡潔に言うのであれば、佐々木さんくらい真っ当にまっすぐやっているライブハウスや人たちが日の目を見ないといけないと思うんです。それができるくらいデカいバンドになるので、いつものFLYING SONであり続けてくれたら、巻き込んでいく人がどんどん増えると思っています。いつだか忘れちゃったんですけど、佐々木さんがFLYING SONを聖地にしてくれ、みたいなことを言っていて。俺はそれを本気で受け取ったので、ここを聖地にするまで頑張りたいと思います。

Text:西澤裕郎(SW)

<ライブ情報>
『鉄風東京 presents BORN Tour 2022』

11月20日(日) 札幌PLANT
11月26日(土) 広島4.14
11月27日(日) 福岡Queblick
11月29日(火) 高松TOONICE
12月1日(木) 心斎橋ANIMA
12月2日(金) 名古屋UPSET
12月8日(木) 下北沢Shangri-La
12月11日(日) 仙台FLYING SON

チケット料金:3,000円 ※入場時ドリンク代別途要
チケットはこちら:
https://w.pia.jp/t/born-tour2022/

<リリース情報>
2ndシングル『BORN』

発売中

『BORN』ジャケット

【収録曲】
M-1 BORN
M-2 Orion
M-3 know pain

鉄風東京 関連リンク

オフィシャルサイト:
https://tepputokyo.jp/

Twitter:
https://twitter.com/teppu_tokyo

Instagram:
https://www.instagram.com/teppu_tokyo/

YouTube:
https://www.youtube.com/channel/UC63ZXuXkA3S4eEYX3B6Axgg

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