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【ライブレポート】『FUTURE RESERVE vol.3』濃密なロックンロールの宴に酔いしれた一夜

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the dadadadys 撮影:吉田圭子

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VINTAGE ROCKとチケットぴあが手を組んで「今、観てほしい!」と思うアーティストをピックアップした共同企画「FUTURE RESERVE」の第3回目が開催された。前回のw.o.d.とGLIM SPANKYによるツーマンライブもいい組み合わせだったけれど、今回はthe dadadadysとa flood of circleが激突する形となり、恵比寿リキッドルームには熱心な音楽ファンが駆けつけた。

鉄風東京

今日のツーマンを盛り上げるべく、オープニングアクトを務めたのは仙台発のオルタナロック4人組・鉄風東京。バイラルチャートでバズッた人気曲「外灯とアパート」で幕を開けると、エモーショナルな歌声に加えて、牙を剥くノイジーなギターで襲いかかってくる。すべてを投げ打つような演奏は、平均年齢20歳のバンドとは思えない迫力に漲っていた。

シマヌキ(Gt)

「荷が重いっす。仙台のFLYING SONというライヴハウスから来ました! 自分に自信はない」と赤裸々なMCを挟む大黒崚吾(Vo / Gt)。時間も限られているため、矢継ぎ早に楽曲を放ち、NUMBER GIRLやbloodthirsty butchersを彷彿させる衝動や爆発ぶりを発揮。また、「BORN」におけるシマヌキ(Gt)のギターソロはブルージーな歌心に溢れ、完全に心を射抜かれてしまった。

a flood of circle

若手が場をしっかり温めると、先攻で現れたのはa flood of circleである。アオキテツ(Gt)、HISAYO(Ba)、渡邊一丘(Ds)、最後に佐々木亮介(Vo / Gt)が現れ、「おはようございます! アーユーレディ?」と呼びかけ、「Blood Red Shoes」でショウを開始。

HISAYO(Ba)

うねりを上げるベースを皮切りに演奏はガンガン加速していく。「ここから行くぞ!」と煽ると、「美しい悪夢」へ。カオティックかつグルーヴィーなロックンロールは痛快極まりない。また、各自のソロパートを織り込んだりと、奔放なアンサンブルも実にカッコイイ。

渡邊一丘(Ds)

「狂乱天国」に入ると、佐々木はハンドマイクで前のめりに歌い上げ、キャッチーなコーラスワークにフロアも沸き上がった。「New Tribe」ではポジティヴなロックンロールを放出。渡邊の手数の多いドラム、アオキのギターソロもいいフックになっている。佐々木がアコギを持つと、「花火を見に行こう」を披露。情景が浮かぶ甘美な歌メロに耳を奪われつつ、荒々しいロックテイストも忘れないバランス感覚にも惹きつけられた。

アオキテツ(Gt)

それから新曲「Party Monster Bop」も披露。これがまたアッパーな曲調で、フロアを踊らせるライヴアンセムと言っていい。バンドの最新モードを叩きつけるサウンドに興奮せずにはいられなかった。その後に放った「北極星のメロディー」も熱いリアクションを引き出し、その流れで「プシケ」「シーガル」と雪崩れ込んでいく。観客はステージに向けて、渾身の拳を突き上げてノッていた。緩急を付けた豪放なステージングに身も心も焦されてしまった。

佐々木亮介(Vo / Gt)

そして、最後に登場したのはthe dadadadysだ。「超々超絶絶頂絶好最高潮」でスタートすると、リズミックなバンドアンサンブルで会場を活気づけていく。「もしもし?もしもさぁ」に入ると、性急なビートに拍車をかけ、小池貞利(Vo / Gt)のヒリヒリした声色に心を奪われた。「気持ちいいことして行こう、ツイストで踊れ!」とMCを挟み、次は「しぇけなべいべー」へ。人懐っこいポップ性にパンキッシュなヴァイブスをぶち込んだ曲調にアガる一方である。ミドルテンポの温かなメロディが沁みいる「青二才」を経て、「にんにんにんじゃ」をプレイ。キャッチーな歌詞が脳内でグルグル回り、いつしか自然と口ずさんでしまう楽曲だ。

the dadadadys

「k.a.i.k.a.n」では演奏中に「もっとスピードアップ!」とバンドを内部から焚きつけ、その気合いに観客も飲み込まれていた。

小池貞利(Vo / Gt)

「a flood of circleは4、5年前に前のバンド(teto)で対バンした。鉄風東京は前のバンドを観に来ていたみたい」と小池は今日の対バン相手に触れた後、ロマンチックなギターを配した「らぶりありてぃ」に移り、ポエトリー風のヴォーカルを含めてドリーミーな音色を放つ。荒ぶるロック / パンク的なアプローチもいいけれど、メロディの美しさを際立たせた曲調も、the dadadadysの魅力と言えるだろう。「恋」をやり終えると、「the dadadadysは最低だけど、最高さ!」と告げ、「ROSSOMAN」を投下。殺気立つヘヴィな演奏を振りかざし、スリリングなサウンドで多くの観客を昇天させ、ライブは終了。

a flood of circleとthe dadadadysのツーマンはロック頂上対決という色合いを帯び、会場は凄まじいケミストリーに包まれていた。鉄風東京を含めて、濃密なロックンロールの宴に酔いしれた一夜であった。

Text=荒金良介
Photo=吉田圭子

<公演情報>
『VINTAGE ROCK×チケットぴあpresents FUTURE RESERVE vol.3』

2022年11月1日(火) 東京・LIQUIDROOM

【セットリスト】
■鉄風東京(O.A.)
01. 外灯とアパート
02. Numb
03. 遥か鳥は大空を行く
04. BORN
05. 21㎞

■a flood of circle
01. Blood Red Shoes
02. 美しい悪夢
03. 狂乱天国
04. NEW TRIBE
05. 花火を見に行こう
06. Party Monster Bop
07. 北極星のメロディー
08. プシケ
09. シーガル
10. Honey Moon Song

■the dadadadys
01. 超々超絶絶頂絶好最高潮
02. トリーバーチの靴
03. しぇけなべいべー
04. 青二才
05. にんにんにんじゃ
06. k.a.i.k.a.n
07. らぶりありてぃ
08. 恋
09. ROSSOMAN

関連リンク

鉄風東京:
https://tepputokyo.jp/live

a flood of circle:
http://www.afloodofcircle.com/

the dadadadys:
https://dadadadys.com/

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