老朽化したゴミ処理施設が観光名所に、「コペンハーゲンに山を」公開決定
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「コペンハーゲンに山を」ポスタービジュアル
デンマークの映画「コペンハーゲンに山を」が、2023年1月14日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開されることがわかった。
本作はデンマーク・コペンハーゲンにあるゴミ焼却発電所とスキー場のハイブリッド建造物「コペンヒル」誕生の背景をカメラに収めた作品。建築家のビャルケ・インゲルスは「未来都市とサステナブルな環境づくりは両立可能」という信念のもと、老朽化したゴミ焼却発電所の屋根にスキー場を併設し、コペンハーゲンに新たなランドマークを誕生させた。
コペンヒルの全長は450mで、ゲレンデ幅は60mある。ゴミで再生可能エネルギーを作るゴミ焼却発電所で、年間3万世帯分の電力と7万2000世帯分の暖房用温水を供給する。4つのリフトでスキーが楽しめるほか、屋上にはレストランやハイキング・ランニングコース、壁には85mのクライミングウォールが設置されている。
監督はキャスパー・アストラップ・シュローダーとライケ・セリン・フォクダルが務めた。彼らのコメントは以下の通り。
キャスパー・アストラップ・シュローダー、ライケ・セリン・フォクダル コメント
「コペンハーゲンに山を」で私たちは、建物が主役の映画を作りました。発電所のような技術的に複雑なものと、コペンハーゲンの人々を集める社会的な遊び場を組み合わせるプロセスを探求しました。この発電所は、未来の発電所の建設方法を変える可能性があります。この映画を制作するにあたり、これほど壮大なものには、イメージも、ストーリーの伝え方も思い切った決断が必要でした。^^^^^
建築を題材にした映画を作るのは、常にチャレンジングなことです。基本的に死んでいるものを、映画という手段で生き返らせなければならないのですから。しかし、この建物の建設に関わった人々は、時に対立し、同時に多様な意見を提示できる、映画にとって興味深い登場人物であることがわかりました。この建物は、ビャルケ・インゲルスが考案し、ウラ・レトガーが生活のために逆境に立たされても、それを支えたからこそ実現したものです。私たちは、このようなユニークな建物を建てることの複雑さを知ってもらい、強いイメージと力強い音楽が、このプロジェクトと同じくらい壮大なものとして映画を盛り上げてくれるような、そんな映画体験にしていきたいと思いました。そのために、リムスキー=コルサコフの交響曲で構成される章立ての映画にしました。
(c)2020 Good Company Pictures