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宝塚雪組、清朝末期の紫禁城を舞台にした壮大な歴史ドラマ『蒼穹の昴』東京公演が開幕

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宝塚歌劇団雪組 グランド・ミュージカル『蒼穹の昴』東京公演ポスター

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宝塚雪組のグランド・ミュージカル『蒼穹の昴』の東京公演が、11月26日(土)、東京宝塚劇場で開幕する。

この作品は、浅田次郎の同名長編小説の初の舞台化で、脚本・演出は原田諒が担当。宝塚で浅田作品を舞台化するのは、2017年の宙組『王妃の館-Château de la Reine-』、19年の雪組『壬生義士伝』に続いて3作目で、原田にとっては初の1本物大作への挑戦となる。原作では、極貧の境遇から身を起こし、のちに宦官となって西太后に仕える李春児(リィ・チュンル)を軸にして、そこに同じ村の地主の息子で、春児と義兄弟の契りを交わした梁文秀(リァン・ウェンシウ)が深く係わっていく。一方この宝塚版は、科挙に首席で合格し、やがて光緒帝の下で改革派の俊英として名を上げる文秀を主人公に据え、対照的なふたりの若者の生き方が描かれる。

19世紀末、清朝末期の広大な紫禁城を舞台に、政治の中枢“外朝”で重用され、様々な困難に立ち向かいながらも新しい国づくりに心血を注ぐ文秀と、その奥にある私的な空間“内廷”で、西太后の側近に取り立てられる春児。韃靼(だったん)の老占い師の予言を信じ、それぞれの生きる世界で昇り詰めていったふたりを、時代の大きな流れが吞み込んでいく壮大な歴史物語だ。

文秀を演じる雪組トップスター彩風咲奈は、優秀な若い官吏らしく颯爽として、胸元に豪華な刺繍が施された補服が長身に映える。春児の妹玲玲(リンリン)には、この公演で退団するトップ娘役の朝月希和。ひとり残された自分を救ってくれた文秀を慕い、甲斐甲斐しく世話を焼く。春児役の朝美絢は、西太后の寵愛を受けるにふさわしい美しさで、旗を背負い、長い槍を持って踊る京劇のシーンが見せ場だ。

このほか将軍・李鴻章役に専科の凪七瑠海、文秀の同僚官吏・順桂(シュンコイ)に和希そら、光緒帝に縣千、謎の美女ミセス・チャンを、次期トップ娘役に決まった夢白あやが演じている。専科の一樹千尋が、悪女と言われる西太后を存在感たっぷりに好演。

大階段を使って壮麗な紫禁城を舞台上に再現した松井るみの美術、豪華な有村淳の衣裳、美しく洗練された玉麻尚一の音楽も、物語を盛り上げる。

なお、12月25日(日) の千秋楽には、終演後、朝月のサヨナラショーが行われる予定で、当日の公演の模様は、全国各地の映画館でライブ中継され、タカラヅカ・オン・デマンドでライブ配信される。また、12月8日(木) の新人公演(華世京主演)でも、ライブ配信が行われる。

文:原田順子