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約200点の作品で戦後日本版画の流れをたどる『戦後日本版画の展開』12月24日より開催

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靉嘔《グッドバイ・ムッシュウ・ゴーギャン》1973年 茨城県近代美術館蔵

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第2次世界大戦後間もない時期から海外の国際展で高い評価を得た日本の版画家たち。こうした成功にともない活況を呈した戦後の日本版画の多彩な魅力を紹介する展覧会が、水戸市の茨城県近代美術館で、12月24日(土)から2023年2月5日(日)まで開催される。

同館は、戦後日本版画の充実したコレクションを誇るが、その背景にあるのが、館蔵の版画の約3分の1に及ぶ約600点を寄贈した県内のコレクター・照沼毅陽の存在だという。同展は、その照沼コレクションをはじめとする同館の版画作品収集の成果を公開し、77作家の約200点の作品で戦後日本版画の流れをたどる同館初の展観となる。

大きな見どころは、サンパウロ・ビエンナーレやヴェネツィア・ビエンナーレなど、1950年代から60年代にかけて、主要な国際展で受賞を重ねた斎藤清、駒井哲郎、浜田知明、棟方志功などの代表作が一堂に展示されること。

こうした版画家たちの国際展での活躍により、国内での版画に対する関心が高まったことから、1960年代には「版画ブーム」ともいえる状況が到来し、製版技術の革新や多様な版画技法の普及を背景に、従来の版画の概念を超えるような作品を生み出す版画家たちが現れ始める。さらには、現代美術の世界でも、自身の表現のひとつとして版画に取り組む作家たちが登場。同展では、1957年に始まった「東京国際版画ビエンナーレ」で受賞した加納光於、靉嘔、野田哲也、李禹煥、井田照一ら、現代美術家による新しい傾向の版画作品も一望できる。

もうひとつの見どころは、繊細な表現による詩情豊かな木版画で多くのファンをもつ清宮質文の優品の数々が見られること。照沼氏がコレクション形成の初期から買い求め、愛してやまなかった作家がこの清宮だったという。近年、清宮のご遺族から寄贈を受けた遺品を紹介するアトリエ再現コーナーが設けられるのも、同展の楽しみなところのひとつだ。

恩地孝四郎《楽曲による抒情 ドビュッシー『子供の領分』より「象の子守歌」》1950年 茨城県近代美術館蔵
棟方志功《〈二菩薩釈迦十大弟子〉より「舎利弗の柵」》1939年 茨城県近代美術館蔵
浜口陽三《黒いさくらんぼ》1962年 茨城県近代美術館蔵
清宮質文《早春の静物》1977年 茨城県近代美術館蔵
加納光於《「波動説」―intaglioをめぐって No.24》1984-85年 茨城県近代美術館蔵
野田哲也《日記 1977年8月10日》1977年 茨城県近代美術館蔵

<開催情報>
『戦後日本版画の展開-照沼コレクションを中心に』

会期:2022年12月24日(土)~2023年2月5日(日)
会場:茨城県近代美術館
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜(1月2日、1月9日は開館)、12月29日(木)~1月1日(日)、1月3日(火)、1月10日(火)
料金:一般610円、70歳以上300円、高大生370円、小中生240円
※土曜日は高校生以下、1月21日(土)は満70才以上の方無料

美術館公式サイト:
https://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/

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