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迫力ある「面構」シリーズ42点が一堂に『面構(つらがまえ) 片岡球子展 たちむかう絵画』1月1日より開催

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《面構 足利尊氏》 1966(昭和41)年 神奈川県立近代美術館蔵

昭和から平成にかけて活躍した日本画家・片岡球子の画業のなかで、特に「面構(つらがまえ)」シリーズに焦点をあてた展覧会が、2023年1月1日(日)から1月29日(日)まで、横浜・そごう美術館で開催される。

1905年に北海道札幌市に生まれ、1926年に女子美術専門学校を卒業後、横浜市の尋常高等小学校に勤めながら創作を続けた片岡球子は、25歳で院展に初入選。日本画壇で地位を築き、2008年に103歳で逝去する間際まで画業を貫いた。

将軍の足利尊氏や足利義満、浮世絵師の葛飾北斎や安藤広重など歴史上の人物を描いた「面構」シリーズは、1966年から2004年までの38年間で44点が院展に出品され、片岡球子のライフワークとなったものだ。

「面構は顔だけを描いているだけではなく、その人間が現代に生きていたらどんな風に役立つかなどと、思いながら描いています」。画家自身の言葉にあるように、「面構」は単に歴史上の人物の肖像ではなく、人間の「魂」を描きたいと考えた彼女が生涯をかけて取り組み続けたもの。綿密に取材や推敲を重ね、力強い筆致を用いて、確信をもって血肉をもった人間に仕上げている。そうした人間性や精神性とともに、大画面での構成や大胆な構図、ときに加えられたデフォルメ、色彩や装飾性の豊かさといった造形要素もまた見逃せない魅力だ。

同展では、その迫力ある「面構」シリーズ42点が一堂に会する。院展出品の大作が今回ほどの規模で集結するのは初めてのことだという。代表作「面構」シリーズのみで構成する初の展覧会でもあり、初公開の小下図やスケッチ、さらに「面構」の出発点となる作品なども合わせ、その制作の軌跡をたどる貴重な機会となる。

力強い表現と、生涯をかけて果敢に挑んだ創造の軌跡を会場で一望すれば、展覧会タイトルの「たちむかう絵画」という言葉に深くうなずくことになるだろう。作品そのものを堪能できるとともに、日本画のもつ力と新たな可能性も感じられる展覧会である。

《面構 歌川国貞と四世鶴屋南北》 1982(昭和57)年 東京国立近代美術館蔵
《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》 1988(昭和63)年 北海道立近代美術館蔵
《面構 安藤広重》 1973(昭和48)年 神奈川県立近代美術館蔵
《歌舞伎南蛮寺門前所見》 1954(昭和29)年 個人蔵
《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》小下図

<開催情報>
『面構(つらがまえ) 片岡球子展 たちむかう絵画』

会期:2023年1月1日(日・祝)~1月29日(日)
会場:そごう美術館
時間:10:00~20:00、1月1日(日・祝)は18:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
料金:一般1,400円、大高1,200円

美術館公式サイト:
https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/

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