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江戸時代に腐食銅版画技法を大成した遅咲きの画人・亜欧堂田善の17年ぶりの大回顧展、1月13日より開催

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亜欧堂田善 《品川月夜図》(『銅版画東都名所図』のうち) 重要文化財 江戸時代(19世紀)須賀川市立博物館蔵 ※後期展示

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千葉市美術館では、2023年1月13日(金) より、『没後200年 亜欧堂田善 江戸の洋風画家・創造の軌跡』展が開催される。江戸時代後期に活躍した洋風画家・亜欧堂田善(あおうどうでんぜん・1748〜1822)の、初期から晩年までの作品約200点に加えて、司馬江漢や谷文晁、鍬形惠斎など同時代の絵師や弟子たちの作品約50点、計250点を紹介する(前・後期で展示替えあり)、首都圏では17年ぶりとなる大規模回顧展だ。

現在の福島県須賀川市に生まれた亜欧堂田善は、47歳の時に白河藩主松平定信の命を受け、腐食銅版画技法を習得した遅咲きの画人。主君の庇護のもと、当時の最高峰の技術を身につけた田善は、日本初の銅版画による解剖図『医範提綱内象銅版図』や、幕府が初めて公刊した世界地図『新訂万国全図』など、大きな仕事を次々と手掛け、一方では江戸時代最大の油彩画《浅間山図屛風》など洋風画史上に輝く傑作を数多く世に送り出した。

まず同展では、司馬江漢をして「日本に生まれし阿蘭陀人」と言わしめた田善の、『銅版画東都名所図』『銅版画見本帖』など銅版画約140点を網羅的に紹介する。これらは日本の近世銅版画史上初めて重要文化財となったシリーズ。前者の《二州橋夏夜図》などは、11.9cm×17.3cmという小品であるにもかかわらず、1cm四方になんと80本の線を掛け合わせる超絶技巧が駆使されている。会場では国内に現存する最古の銅版画制作用具なども展示される。

また洋風画でも油彩画と屛風が融合した江戸時代最大級の油絵である《浅間山図屛風》(後期展示)や、近年再発見され、74年ぶりに公開されるという《湖辺武人図》など、貴重な作品が目白押しだ。《浅間山図屛風》は、その下絵なども紹介するなど、亜欧堂田善の「創造の軌跡」にもスポットを当てる。「謎多き」絵師・亜欧堂田善の全貌に迫る同展は、彼本人の業績はもちろんのこと、江戸時代人の旺盛な好奇心や知識欲にも圧倒されるに違いない。

亜欧堂田善 《浅間山図屏風》 江戸時代(19世紀)重要文化財 東京国立博物館蔵 TNM Image Archives ※後期展示
亜欧堂田善 《二州橋夏夜図》(『銅版画東都名所図』のうち) 江戸時代(19世紀)重要文化財 須賀川市立博物館蔵 ※前期展示
亜欧堂田善 《今戸瓦焼図》 江戸時代(18~19世紀) 神戸市立博物館蔵 ※後期展示
亜欧堂田善 《フローニンヘンの新地図》(『銅版画見本帖』のうち)江戸時代(19世紀)重要文化財 須賀川市立博物館蔵 ※後期展示
亜欧堂田善 『医範提綱内象銅版図』 文化5年(1808) 杜若文庫蔵

<開催情報>
『没後200年 亜欧堂田善 江戸の洋風画家・創造の軌跡』

会期:2023年1月13日(金)~2月26日(日)
会場:千葉市美術館
時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:2月6日(月)、1月30日(月) は休室日
料金:一般 1,200円/大学生 700円
※同時開催:『新収蔵作品展−江戸絵画を中心に』『千葉市美術館コレクション選』
公式サイト:
https://www.ccma-net.jp/

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