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木工芸分野で初の“人間国宝”に指定された黒田辰秋の創作の原点に迫る『没後40年 黒田辰秋展』開催

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《欅拭漆食卓》《欅拭漆肘掛椅子》《欅拭漆椅子》 1928年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

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京都・アサヒビール大山崎山荘美術館では、2023年1月21日(土) より、『没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより』を開催する。

1970年に人間国宝の指定を受け、その翌年には紫綬褒章を受賞した黒田辰秋(くろだ・たつあき/1904-1982)は、昭和を代表する木工芸家。京都市祇園清井町に塗師屋(ぬしや)の子として生まれた彼は、小学校卒業と同時に蒔絵師・瀬川嘯流に弟子入り修行をするも、木漆工芸の分業制に疑問を抱き、ひとりで素地から塗り、加飾、仕上げまでを行う一貫制作を志す。その後柳宗悦や河井寛次郎の知遇を得て民藝運動と関わり、1927年には「上賀茂民藝協団」を結成して、志を同じくする青年らと共同生活を送りながら制作した。

この「民藝」の哲学が、世間に広く知られるようになるのが、翌年の1928年、昭和天皇の即位を記念して上野で開催された『御大礼記念国産振興東京博覧会』である。この時柳宗悦らは「民藝館」というパビリオンの中で、住宅と家具・調度が一体となった総合的な生活の美を紹介。ここでまだ20代前半の若き黒田が制作したのが、テーブルセットをはじめとする多くの家具什器の類であった。

博覧会終了後、「民藝館」は、「民藝運動」の支援者であった朝日麦酒(現在のアサヒビール)の初代社長・山本爲三郎が建物ごと購入。大阪・三国の山本邸に移設され、「三國荘」と名付けられた。

同展は、山本家から美術館に寄贈され、開館以来コレクションの軸となっている「三國荘」ゆかりの山本爲三郎コレクションを中心に、黒田辰秋の創作の原点を探る。欅拭漆の重厚なテーブルセットや、漆塗りの灯火器など、あたたかみのある作品に「民藝」の思想や、時代の雰囲気を感じることができるに違いない。

会期中は、座談会や講演会のイベントのほか、リーガロイヤルホテル京都が同展のために考案した特製オリジナルスイーツを提供するカフェ企画などもある。詳細は、同展ホームページで確認を。

《貝象嵌色字筥》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵
《黒朱漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵
《朱漆振出し》1932年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

<開催情報>
『没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより』

会期:2023年1月21日(土)~2023年5月7日(日)
会場:アサヒビール大山崎山荘美術館
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(3月20日・27日、4月3日、5月1日は開館)
料金:一般 900円/大高 500円
公式サイト:
https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

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