フィンランドのアイデンティティが表れた織物“リュイユ”の歴史を概観する日本初の展覧会、1月28日より開催
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アクセリ ・ ガッレン = カッレラ 《炎》 1899 年 (デザイン) / 1983 年 (再制作) トゥオマス ・ ソパネン ・ コレクション Photo: Katja Hagelstam
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すべて見る「リュイユ」とは、フィンランドの伝統ある織物の名称で、寝具や壁掛け、敷物などとして生活を彩ってきたテキスタイルのこと。そのリュイユの歴史を概観する日本初の展覧会が、京都国立近代美術館で、2023年1月28日(土)から4月 16日(日)まで開催される。
今回紹介されるトゥオマス・ソパネン・コレクションは、フィンランド国立博物館と並び称される著名なリュイユ・コレクション。同展は、その所蔵品の中から、18世紀から現代までの作品約40点を厳選し、リュイユの歴史をたどる試みとなる。
16世紀から寝具として身近にあったリュイユの歴史の転換期となったのは、1900年のパリ万博だったという。ロシア支配下のフィンランドが初めて独立したパビリオンを設けたこの万博で、画家アクセリ・ガッレン=カッレラがデザインした斬新な作品《炎》が、ナショナル・ロマンティシズムの一端を担い、リュイユが国家のアイデンティティを表す織物と見なされるようになったのだ。
1917年にロシアから独立したフィンランドは、1950年代頃から、シンプルで美しく、機能的なデザインのプロダクトで国際的な評価を高めていく。ガラスや陶芸と並び、リュイユもその「フィンランド・デザイン」の一翼として、数々の国際展で受賞を重ねた。同展では、特に1950年代以降に国際的に活躍したデザイナーたちの代表作が多数並ぶのも見どころとなっている。
色彩の豊かさや織り手の手技を間近で感じられるのも、大きな魅力だ。色の異なる1本1本の糸を織り合わせることで、まるで点描画のように多彩な階調の柔らかな色面が生まれるのが、リュイユの特色のひとつ。また、すべて手織りで制作された出品作からは、1879年の設立以来、伝統的な技術や装飾模様を守りつつ、新たなデザインの織物化にも取り組んできた「フィンランド手工芸友の会」の職人の真摯な仕事ぶりも見てとれる。写真では伝わらない微妙な色の階調と手技を、ぜひ会場で実見したい。
<開催情報>
『リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション』
会期:2023年1月28日(土)~4月16日(日)
会場:京都国立近代美術館4F コレクション・ギャラリー
時間:10:00~18:00、金曜(2月3日・10日、4月14日除く)は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜
料金:一般430円、大学130円
※金曜は夜間開館割引あり
公式サイト:
https://www.momak.go.jp/
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