犬童一心らが「ガンニバル」絶賛、ヨン・サンホ「柳楽優弥は伝説的な俳優の域に」
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「ガンニバル」
柳楽優弥主演のドラマシリーズ「ガンニバル」を鑑賞した国内外の監督からコメントが到着した。
二宮正明のマンガをもとにした本作は、山間の供花村(くげむら)に赴任した警察官・阿川大悟が、1人の老婆の奇妙な死をきっかけに村の異常性に気付いていくサイコスリラー。柳楽が大悟を演じた。
本作へコメントを寄せたのは犬童一心、黒沢清、三池崇史、ヨン・サンホの4名。犬童は「消えない因習から生まれる血の匂いが画面から溢れる」、黒沢は「冒頭からいっきに持っていかれる。この村はマジでヤバイ」、三池は「日本だから作れる間とか空気感とか、何かが起こる前の気配が怖かった」と述べる。ヨン・サンホは「柳楽優弥の演技は、今頂点に達し、伝説的な俳優の域に入った」と称賛した。
片山慎三が監督を務めた全7話の「ガンニバル」は、ディズニープラスで独占配信中。
犬童一心 コメント
「ガンニバル」は、“日本”の新しい映画製作者たちが本気で取り組んだ“日本”の「恐怖」。消えない因習から生まれる血の匂いが画面から溢れる。ここまでやるかあ、と、いい仕事してます。この土地から逃れるには、早く観終わるしかないのか。ああ。
黒沢清 コメント
冒頭からいっきに持っていかれる。この村はマジでヤバイ。大丈夫か柳楽優弥。頼りになる仲間など誰もいない。でもだんだん、彼こそがいちばんヤバイのではないかと思えてきた。この先いったいどうなるのか? もう目が離せない。
三池崇史 コメント
「ガンニバル」は怖いというよりヤバい(笑)。日本だから作れる間とか空気感とか、何かが起こる前の気配が怖かった。普通は不気味な音響や特殊効果、カメラワークなどで恐怖をあおるわけだけど、やっぱり人間の捉え方なんですよね。ステレオタイプな人間が1人も出て来なくて、観客はキャラクターとうまくコミュニケーションが取れない。そこからどんどん分からない世界に入っていく感じが、日本人にしか作れないテイストの作品だなと思いました。世界に向けて発信するという作品であっても、自分の世界を表現することが大事だと僕は思っているので、やっぱりそうだよねと再確認できた作品でした。
ヨン・サンホ コメント
片山慎三監督の研ぎ澄まされたカメラワークと演出の方向は、原作漫画が持つ恐怖の核心に迫る。つまり、原作漫画の実写化への解釈が完璧に近い。片山慎三監督は、原作漫画を実写ドラマという言語で“再描写”した感じだ。また、「こんな部分まで原作に忠実なのか」と感嘆した。スクリーントーンを使わずに、荒々しいペンの線で描かれた村が持つ不穏な空気を、カメラと照明、そして素晴らしい演技で再現した。そして、柳楽優弥の演技は、今頂点に達し、伝説的な俳優の域に入ったと感じる。 ただし、柳楽優弥だけでなく、この作品を構成する多くの俳優たちが、熟練した指揮者に従うオーケストラの一員のように“ガンニバル”という作品を一つの生命体として感じさせる。
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