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【インタビュー】ライブアーティストとしての活動を本格化させるやまもとひかるにソロ初ライブへの意気込みを聞いた

音楽

インタビュー

ぴあ

やまもとひかる Photo:吉田圭子

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14歳でベースをはじめ、18歳で投稿した演奏動画が評価されたことをきっかけにソロベーシストとして活動を開始。今ではももいろクローバーZ、YOASOBIのサポートベーシストを務めることで注目を浴びているやまもとひかる。

ベース&ボーカルとしてのソロ活動も昨年11月にリリースした配信シングル「ナムネス」でついに5作目となり、1月20日(金) には初となるライブを敢行する。23歳にして音楽界の大舞台で活躍する彼女に、歌とベースで自身の世界観を描くソロベーシストとしての方向性と、ソロ名義初パフォーマンスとなるライブの意気込みを聞いた。

──14歳でベースをはじめたそうですが、何がきっかけだったんですか?

父がドラムをやってる影響で、最初は幼稚園の年長さんのときにベースに興味を持って、サンタさんに子供用ベースを貰ったんです。でも難しくて数日で諦めてしまってずっとピアノとかエレクトーンをやってたんですけど、中学2年生の頃にガールズバンドのSCANDALを好きになって。ベースのTOMOMIさんに憧れてベースを弾くようになり、そこからスSCANDALのコピーバンドとか高校の軽音楽部とか、バンドをいくつか掛け持ちしながらずっとバンドのベーシストとしてやってました。

──その演奏シーンをYouTubeにアップしたことがきっかけで音楽系の番組に呼ばれるようになり、今ではYOASOBIやももいろクローバーZのサポートメンバーを務められてます。そして2019年にベース&ボーカルとしてソロデビューもされましたが、歌うベーシストとして活動したいというのは目標のひとつとしてあったんですか?

もともとバンドの中のベーシストになりたいというのが夢で、歌もやっていきたいというのは正直思ってなかったんです。小さいころからピアノとか色々音楽はやってきたんですけど、親から音楽の道に行きなさいともいわれたことがなかったですし……どっちかというとおすすめしない感じでしたし(笑)。ただ、親が音楽の仕事をしていたり、自分は勉強を好きじゃなかったこともあって、ベースで食べて行きたいっていう気持ちがあったんですよね。だから高校に進学するつもりもなくて「高校は音楽に必要ない!」とか言って受験勉強もしませんでした。でも、親は高校には行きなさいと言うので、勉強せずに推薦で受かった高校に進学したんです。結果的には、学校や外でバンドを組んで、ベースを弾く時間をたくさん持てたのがよかったんですけど。

──バンドのベーシストになりたかった気持ちと、他アーティストのサポートに入りながらソロのベーシストになっている現状にはどのように折り合いがついてるんですか?

お仕事としてはソロベーシストとしての活動から始まりましたけど、YOASOBIのバンドで弾くことが、私がバンドで弾きたいと思ってた理由と同じだったことが大きいんだと思います。たとえばYOASOBIのサポートバンドは職人としてではない呼び方で集められたメンバーで、すごくひとりひとりのキャラとか、その人が弾く意味みたいなものを重視してくれるバンドなんですよね。Ayaseさんも、サポートメンバーではなくYOASOBIのバンドを作るために集めたんだと言ってて。そこに加わることで、私がやりたかったのはこういうバンドで弾くことなんだなって思えたんです。

それに、ももクロさんの場合はYOASOBIとも違ってまさに職人という人の集まりなんですけど、中にはアーティストとして活動されてる方もいて。サポートバンドといっても、いろんな加わり方があるってことを知りました。ただ、私はたくさんのバンドにサポートで入る職人にはなれないなというか。少ない数のバンドのなかで、しっかりそのバンドの色に染まっていけたらなと思ってるんですよね。実際、ももクロさんの現場では他のメンバーについていくので必死ですし、「みんなで一緒に作ろう!」みたいなバンドはYOASOBIくらいだと思うんで。

──そういうひかるさんが、誰かのバックで演奏するにあたり心がけていることって、どんなことなのでしょうか。

自分で一番いい音を出せるという自信はあるんですけど、やっぱり私を呼んでもらったということは、バカテクを期待しているということでもないだろうし、プロっぽい演奏を第一に求められてるのではないと思うんです。例えばももクロさんのバンドには今まで女性が入ることも、ももクロさんより年下のメンバーが入ることもなかったんですよね。そこに私が入るのであれば無理に合わせることも違うし、自分にしか出せなそうなものを出していきたいなと思うんです。ドシッと構えたプロ級技術とは違う、今の私がいる意味が伝わる演奏をしたいなと思ってます。

──演奏テクニックだけではなく、プラスアルファで求められているものを自覚するということですよね。では今後、ソロ活動とサポートベーシストとしての活動はどのようにすみ分けていこうと考えてますか?

自分の中では、ソロベーシストとして活動して、そういう私に弾かせたいと思ってもらえるような呼ばれ方をしたいなと思っていて。ベースが弾ける人というのではなく、アーティストとして参加させていただく関係性を作っていけたらいいなと思っています。

──そして2019年の1st配信シングル「DOGMA」から、早くも5作目となる配信シングル「ナムネス」を昨年11月にリリース。これまでの作品でベースの表現幅を広げ、やまもとひかるならではの歌とベースを披露してきましたが、今回は眩暈SIRENによる楽曲提供だそうで、さらに楽曲の世界観とベースの重低音がマッチした曲になってますね。

もともと眩暈SIRENのファンなんですけど、ドラムの仄雲さんとはYOASOBIバンドでもご一緒している縁で、「眩暈SIREN全開の曲が欲しいです!」って頼んでみたんです。その通り全開のデモを数曲いただいて、その中から選ばせてもらいました。本当は2020年に初めてライブをやるはずだったんですけど、告知のタイミングでコロナが始まり、そのままタイミングが取れずにずっと延期になってしまってたんですよね。さすがにもうライブをやりたいなと思って、この曲を聴いた方たちがライブに行きたくなるような曲にしたかったんです。

──楽曲の疾走感とリズムの重厚感が気持ちよくて、まさにライブで味わいたくなりました。記念すべき初ライブの対バン相手として、眩暈SIRENに直談判して了承を得たというのもすごい話ですね。

そうなんです(笑)。初ライブをツーマンでできるならそこに意味を持たせたいし、見る側としてもそのふたつの関係性にストーリーを感じたいんじゃないかなと思ったんです。それが私にとっての眩暈SIRENだったらうれしいなぁと思ってダメ元でお願いしてみたんですけど、まさかのOKをいただいて(笑)。やっぱり私は眩暈SIRENの世界観がすごく好きだし、京寺さんの歌もすごく好きなんですよね。特に、歌詞に共感する部分が多い。

眩暈SIRENの歌詞って表面的には暗いけど、だから頑張ろうとは言わずにそのままにしておいてくれるところが好きなんです。サウンドもそれぞれの個性が強いけど、内に向かわず自由に放たれてる感じがすごくカッコいい。その歌詞やサウンドの絶妙なバランス感が、今回の「ナムネス」にも出てると思います。

──やまもとひかるバンドは、yu-ya(G/vivid undress)、仄雲(Ds/眩暈SIREN)の3ピース・バンドということもあり、ますます2バン編成として面白くなりそうですね。対バン相手に対して、どう挑んでいきたいと思いますか?

ファン心理としては、むしろボコボコにしてほしいくらいなんですけど(笑)。本当にボコボコにされては困るので、やるからには……好きだからって眩暈SIRENに寄せていってしまうことなく、自分らしいステージを作らなきゃなと思っています。たとえば色でいうと眩暈SIRENが黒なのであれば、自分の中にある白寄りのところで戦っていきたいなっていうくらいに。

──そして何より、やまもとひかるとしての初ステージなわけで。ソロ活動はもちろんこれまでのサポート活動を見てファンになり、ライブに足を運んでくれる人に対してどんな姿を見せたいと思ってますか?

初ライブというと「頑張ります!」「よろしくお願いします!」みたいな空気感がどうしてもあると思うんです。でも、このライブこそ私がいろんな現場で培ってきたものを見せる場だと思ってるので。「応援してください」というより、「頑張ってやりますんで!首を洗って待っててください」みたいな感じですね(笑)。

──丁寧なんだか強気なんだか(笑)。

今の私が持つ全力の歌とベースをライブで見せることで、これまでの活動で私に興味を持ってくれた人に納得してもらえる機会にしようと思ってます。2023年一発目に良いライブをして、そこからもっとたくさんライブをやれるように足場を固めていきたいですね。

Text:川上きくえ Photo:吉田圭子

<ライブ情報>
やまもとひかる 初ソロライブ『AM Vol.1』

2023年1月20日(金) Veats Shibuya
開場18:00 / 開演19:00

出演:やまもとひかる(Ba/Vo) / yu-ya from vivid undress(Gt) / 仄雲 from 眩暈SIREN(Ds)
Special Act:眩暈SIREN

チケット料金:スタンディング4,000円(税込)
※10代の方は身分証明書の提示で500円キャッシュバック

※チケット情報はこちら
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=K2210071

<リリース情報>
やまもとひかる「ナムネス」

Now On Sale
※眩暈SIREN書き下ろし曲

やまもとひかる「ナムネス」MV

配信リンク:
https://orcd.co/numbness

プロフィール

やまもとひかる
動画サイトに様々な“ベース弾いてみた”カバー動画をアップしたことから注目が集まり、2019年にベース&ボーカルのソロアーティストとしてキタニタツヤの書き下ろし楽曲「DOGMA」でデビュー。YOASOBIのサポートベーシストとして2020年紅白歌合戦のステージに立ち、その後も武道館ライブを始め、各種フェスや海外ツアーにも帯同する等YOASOBIのLIVEサウンドには欠かせない存在となっている。そして2023年1月20日(金) にはやまもとひかるとして初のライブを行う。


関連リンク

オフィシャルサイト:
https://www.sonymusic.co.jp/PR/yamamotohikaru/

オフィシャルTwitter:
https://twitter.com/RUMVERworld

オフィシャルYouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/c/YamamotoHikaru