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『魔術士オーフェンはぐれ旅』 江口拓也が乗り越えた過酷な旅とは

映画

インタビュー

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江口拓也 撮影:小川遼

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1994年の第1巻刊行以降、数々のシリーズが発表され、シリーズ累計1,400万部(電子書籍含む)を越えるダークファンタジーライトノベルの金字塔『魔術士オーフェン』(TOブックス刊)。1998・1999年にアニメ化された後、シリーズ生誕25周年を迎え、2020年に『魔術士オーフェンはぐれ旅』として再アニメ化。そして2023年1月、新たに『魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編』の放送が決定した。

今回、主人公オーフェンが対峙する暗殺者・ヘルパートを演じる声優・江口拓也へインタビュー。学生時代から触れていたという『魔術士オーフェン』の印象や、そんな作品へ新規キャストとして関わることになった心境、さらに“はぐれ旅”にちなんだ“旅の話”について聞いた。

『オーフェン』の世界観は“異世界”そのもの

――はじめに、25年以上愛されるアニメ『魔術士オーフェン』(以下、『オーフェン』)シリーズへの出演が決まった時の率直な気持ちからお聞かせください。

まさか自分が出られるなんてと思いました(笑)。『オーフェン』のアニメを見たのは、たぶん中学生の頃。当時は「将来、声優になりたい」とは1ミリも思っていませんでした。ただただ、アニメが放送されていたら見る。そのうちの一つが『オーフェン』で。そういう意味では、「今また『オーフェン』のアニメがやるんだ!」という凄さを感じます。その上で参加できて嬉しかったです。

――アニメを見ていた中学時代、作品に対してどんな印象を抱いていたか覚えていますか?

今みんな、憧れを持って異世界に行く作品が流行っていますけど、『オーフェン』は「異世界に行きたい」と思わせてくれる最初の作品だったんじゃないかなと。それくらい『オーフェン』の世界観は異世界そのものという印象が強くありました。

中二病を患う原因となった世界観が広がっていますよね。特に魔術詠唱。当時の魔術詠唱といえば、『オーフェン』か『スレイヤーズ』か、みたいな(笑)。そういう世界観にある意味憧れていました。

「森久保さんの魔術詠唱にテンションが上がりました(笑)」

――実際にその世界の中の一人として演じられてみていかがでしたか?

まずオーフェン役の森久保祥太郎さんとアフレコをご一緒する機会があったのですが、例の魔術詠唱「我は放つ光の白刃」を生で聞いた時はすごくテンションが上がりました(笑)。
また、異世界を舞台にした作品なので、台詞を聞いてもイマイチ意味が分からないこともあるんですよ。そんな難しい言葉を一つひとつ覚えていく作業が、こういう作品で役を演じる醍醐味であり、楽しむ場でもあると感じていました。

――森久保さんとアフレコをご一緒されたとのことですが、ほかのキャスト陣とのアフレコはどうだったのでしょう。

このご時世のため分散収録が多く、前半はほとんどレギュラー陣と絡めませんでした。そんな中でもライアン役の榎木淳弥くんと一緒になることが多くて。後半になってようやく、森久保さんやマジク役の小林裕介くんと一緒にアフレコができました。
裕介とは年代が近いから一緒に「今『オーフェン』をやっているのってすごいよね」と休憩中に話していたら、森久保さんが最初にアニメを放送していた20年前の話をちょいちょいしてくれるという(笑)。ご本人も「今もやっているのはすごい」と話していました。そういう話に興味深く頷きながら、20年以上の時を経て、今もなお演じ続けられるエネルギーを感じました。

ヘルパートの魅力は“無慈悲”なところ

――森久保さんを含めキャスト陣とのコミュニケーションは、役づくりをする上で影響を受けることも?

ヘルパート自体、あまり周囲に影響されないキャラクターといいますか……基本的に一定の感情で淡々と喋るんですよね。機械的に演じる感じなので、変化を持たせてしまうとキャラがブレてしまうと思いました。なので、逆にあまり影響を受けないように気をつけて演じましたね。

――では、どのように役づくりをしていったのでしょうか? ヘルパートはオーフェンと対峙するヒールキャラクターなので、演じる上で意識したことがあれば教えてください。

どの作品もそうなのですが、台本の中から読み取れる情報をもとに役づくりをしていきました。
ヘルパートは無慈悲に町の人たちを殺します。今の時代、死ぬ間際で主人公たちが「危ないところだったな」と助けてくれて誰も死なない流れも多いですが、本作は次々と人が死んでいきます(苦笑)。異世界って実際そういうところだと思うんですよね。すぐに死んでしまうほど無慈悲な世界。そこがある意味「異世界に来たな!」って感じがする。無慈悲であればあるほどいいと思ったので、言葉一つひとつに自分の意思や感情を乗せないように演じました。

――役づくりや演じる中で感じたヘルパートの魅力とは?

やっぱり無慈悲なところですね(笑)。何を考えているか本当に分からないからこそ、恐怖の対象でもあって。そういった「強キャラ感」が魅力なんじゃないかなと思います。

難しいのに説明がない。それが『オーフェン』の面白さ

――視聴者として見てきた『オーフェン』に今回携わったことで、新鮮さを感じることはありましたか?

今はどのコンテンツも何の知識がなくても説明してくれるけど、この当時の異世界作品ってよく分からない生き物や魔法に対していちいち説明がないんですよ。初めて聞くような単語だらけだけど、『オーフェン』の世界では当たり前に使われている言葉だから、「それってどういう意味?」と確認が入らないし説明もない。そこに新鮮さを感じました。

ちゃんと自分で興味を持って考えないといけない。台本の中の難解な言葉ややり取りを考えながら演じるのが楽しくもあって。また、演じていて「これは聞いている人も途中で巻き戻すんじゃないかな……?」と思うことがあっても、作品が進んでいくと言葉の意味が分かったりする。そういう人によっては「難しすぎる!」と思わせてくれるところが、『オーフェン』の面白さだと思います。

――では、全く『オーフェン』を知らない人に本作の魅力を伝えるとしたら、どのように説明されますか?

剣と魔法とドラゴンというファンタジーの世界の中で冒険をする。それが『オーフェン』の一番の魅力なんじゃないかと思います。世界観を楽しみたい人には特にオススメできる作品です。
過去の『オーフェン』を見ていない人でも『はぐれ旅』は当時と時系列が違うので、初めて見る人も大丈夫だと思いますし、逆に当時見ていた人からすれば「オーフェンにはこういう面もあるんだ」と感じられるのではないかと思いますね。

命の危機を感じた南米ロケ

――『はぐれ旅』にちなみ、江口さんの旅のエピソードをお聞きしたいです。これまでで特に印象に残っている旅はありますか?

南米にあるマチュピチュとウユニ塩湖を観に行く、6泊9日のロケがありまして。それが地獄の旅でした(笑)。
現地の空港が富士山の標高よりも高い場所に位置していて、ロケ先に行くにはそこからさらに山を登る必要があったんですよ。高山病になったらロケが終わり、日本に帰るまでの9日間苦しみを味わい続けなければならない。空港に到着するまでに数種類の高山病の薬を徐々に飲みました(笑)。でも結局、スタッフさん2人くらいになっちゃって、本当に可哀想でしたよ。

――ちなみに江口さんは……?
酒を飲んでいたので大丈夫でした(笑)。高山病に酒って効くんですよ(諸説あり)。朝から酒を飲み、ロケの移動中も酒を飲み、飛行機に乗る前に酒を飲み……常に体内にアルコールが入っていたから体調を崩すことはなかったですね。

また、ロケの移動中も過酷で……。街中に野良犬がいっぱいいるんですけど、ガイドさんに「全員狂犬病だから噛まれたら死ぬので絶対に近づかないでください」と言われて。なのに、移動のバスに乗ってバスが動きだしたら野良犬が3匹くらいタタタタッ!って追いかけてくるんですよ。あとバスの移動ルートによっては山賊が出るらしく「もし山賊が出たらマシンガンを持っている」とも。旅の中で何度も命の危機を味わいました。刺激的な旅でしたね(笑)。

――過酷すぎますね……。とはいえ、実際に遺跡を見てみていかがでしたか?

不思議な気持ちになりました。村から車で30分くらいかけて頂上まで行くと遺跡があるんですよ。昔の人たちは、そこまで歩いて石を運んだのだろうけど「なんでそんなことができるんだ……?」と。

――まさに異世界に近い感じなんですかね。

本当にそうでした。「異世界だな……」って思いましたよ(笑)。

――ちなみに、旅に欠かせない必需品は何でしょう? やはりお酒ですか?

お酒は現地調達できるからなぁ……。結局「お金」ですかね(笑)。お金がないと水も買えないですから。日本はどこで水を飲んでも大丈夫ですけど、海外ではお店で出されたお水でもお腹を壊す可能性があるんですよ。僕も「飲んじゃダメ」と言われてから、常に購入したペットボトルの水を携帯しています。水すらも買わないといけないから、旅ってお金がかかるんです(笑)。

――その通りですね(笑)。最後に、今後旅してみたい場所を教えてください。

「イタリア」に行ったことがないので行ってみたいです。韓国、中国、フランス、バリ、ハワイ、あと南米には行ったことあるんですけど。とはいえ、「イタリアに行った」って言いたいだけです(笑)。イタリアがどんな場所かあまり分かっていないのに、雰囲気と語感でイタリアを選びました(笑)。

取材・文:阿部裕華 撮影:小川遼

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