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開幕Vにも悔しい引分にも大勝にも淡々と! 今季のS東京ベイは一喜一憂しない!!

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立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)JRLO

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今年のクボタスピアーズ船橋・東京ベイはひと味違う。試合はもちろん、試合後の記者会見からもチームのさらなる成熟が伺える。天敵からの久々の勝利にも、悔しい引き分けにも、ゲームプランを完璧に遂行した大勝劇にも、立川理道キャプテンは淡々と試合を振り返っているのだ。

12月18日・『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23』開幕戦。S東京ベイは出足の鋭いFW陣がブレイクダウンで優位に立ち東京サンゴリアスの反則を誘うと、PGを選択。オーストラリア代表75キャップの名手バーナード・フォーリーのキックで3点を加点していく。ショットだけではない。FWが持ち前の縦への強さを発揮した連続攻撃から左・木田晴斗、右・根塚洸雅の両WTBがフィニッシュ。縦の突進力と幅を使ったアタックで3トライをマーク。終わってみれば危なげない31-18。これまで幾度と壁となってきた東京SGから18季ぶりとなる白星を飾るも、主将の表情に浮かれた色は一切なかった。

根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)JRLO

「開幕戦の相手がサンゴリアスだから特別な用意をしたのではなく、この22週間で積み重ねたことを出そうと言い続けてこの試合に臨んだ。この勝利はうれしいが、来週以降も勝利できるよう成長していきたい」

立川自身、東京SG戦初勝利だが、「僕が入団してから初めての勝利。そういう意味ではうれしいが、この後15試合あるし、最後もサントリー戦があるので、浮かれずにこの後もしっかり戦っていきたい」と勝って兜の緒を締めた。

続く『NTTリーグワン2022-23』第2節・横浜キヤノンイーグルス戦は一転、ブレイクダウンで後手に回り、苦しいゲームとなった。前半終了間際に木田が1本返して8-10で折り返すも、後半も相手ペース。PGで加点しても、横浜Eに一瞬の隙を突かれトライを許す。残り10分を切って17-27と差を広げられたが、75分CTB立川のグラバーキックをWTBヴィリアメ・タカヤワがゴール前でハンブル。この好機を途中出場のCTBライアン・クロッティがトライにつなげて22-27。続いて79分相手陣でボールを奪われてFB小倉順平が大きく蹴り返そうとしたところで転倒! この棚ぼたのチャンスに途中出場のPRオペティ・ヘルがゴール前に迫り、最後も自慢の突破力でインゴールにボールを叩きつけた。しかし、難しくない角度のCGをフォーリーがまさかの失敗。劇的逆転勝利を信じて疑わなかったS東京ベイとしては、モヤモヤの残るドローに終わったが、立川は超然としていた。

「同点ということで、結果に関してはすごく残念、難しい結果になったと思うが、最後しっかりスコアでき同点に持っていけたのはチームの成長だと思う。先週の試合からも一貫性を持ってこの試合に臨んだつもりだったが、もう少ししっかりと日々の練習から取り組んでいくことが大事かなと思う」

そして年末年始を挟んだ第3節・花園近鉄ライナーズ戦では会心のゲームを披露。6分、ラインアウトからモールを押し込んで南アフリカ代表HOマルコム・マークスがインゴールにボールを運ぶと、トライラッシュが開演する。SH藤原忍の連続トライに前半の内でのマークスのハットトリック達成。後半早い段階でリザーブ全員を投入するもS東京ベイの猛攻は止まらない。勢いあるディフェンスから左サイドを駆け抜けたNO8トゥパ フィナウのトライに木田&根塚の両WTBのトライ揃い踏みなど、取りも取ったり11トライ。最後はこの日リーグワンデビューとなったSO押川敦治が角度のないシビアなCGを決めて77-12のノーサイド。してやったりのゲームにも試合後の指揮官と主将はしっかりと次を見据えていた。

木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)JRLO

フラン・ルディケHC「今日の結果はすごくハッピー、いいパフォーマンスだったと思う。80分間にわたり努力が見えたし、リザーブメンバーを含めて選手全員がしっかり貢献してくれたことでこのような結果になったと思う。自分の中で一番満足している点はプロセスに集中し、プロセスを追求できたところ。スコアボードなどに関係なく、ハードワークをしてくれた。ただ課題はあるので、引き続き向上できるように準備を進めていきたい」

立川主将「試合の感想はHCと同じ、ゲーム中も同じようなメッセージを言っていたので、スコアボードを意識するのではなく、自分たちでもやってきたことを試合に出していくことを言い続けた結果がこういう点差になったので、そこに関してはすごくうれしく思う。ただ、反省する部分はあるし、次の試合に向けて修正する部分はしっかりと修正していきたい」

立川は大勝後のチームメイトたちの振る舞いに手応えを感じていた。
「ロッカールームに帰っても、みんなが次の試合に向けて反省点を話し合っていたので、そういうマインドセットはすごくいいのかなと思う」

ルディケHCは3試合連続先発で起用したSH藤原をこのように評価した。
「藤原選手は確実に成長している。プレシーズンでもハードワークをし、スタートの立場を勝ち取った。パフォーマンスも毎試合どんどん良くなっているし、彼の成長が見られてうれしい」

藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)JRLO

2勝1分と好スタートを切ったS東京ベイは次節・グリーンロケッツ東葛戦へメンバーを入れ替えて臨む。ルディケHCは次の23名を選出した。

1加藤一希、2スカルク・エラスマス、3オペティ・ヘル、4青木祐樹、5ルアン・ボタ、6トゥパ フィナウ、7ピーター・“ラピース”・ラブスカフニ、8ファウルア・マキシ、9谷口和洋、10押川敦治、11木田晴斗、12ライアン・クロッティ、13テアウパ シオネ、14根塚洸雅、15ゲラード・ファンデンヒーファー、16杉本博昭、17山本剣士、18北川賢吾、19デーヴィッド・ブルブリング、20末永健雄、21藤原忍、22バーナード・フォーリー、23立川理道

1月12日にはゲームキャプテンを務めるFLラブスカフニ、デビュー戦に続き初先発となる押川がメディア対応を実施。こう意気込みを語った。

ラブスカフニ「ディフェンスはいい感じできている。ここまで何回かテストされた場面もあったが、準備したものを出せている。試合ごとに課題やミスもあったが、改善しているので、次の試合に向けてまた上げていけたらと思う。どうしてもスペースはできてしまうので、内側とのコネクションでどれだけカバーできるか、相手にどれだけプレッシャーを掛けるか。ディフェンスに求められるのはハードワーク。横とのコネクションを高めて、対応していきたい」

押川「NEC戦でスタメンで出場させてもらえるということで、非常に気合いが入っている。プレシーズンから準備してきたことを出して、ゲームをコントロールすることにフォーカスしていきたい。 (花園L戦は)最初は緊張で固くなってファーストキャリーで迷ってしまってターンオーバーを許してしまった。その後周りを動かすプレーは徐々にできていたが、まだまだ足りないところがある。迷わずに思い切ってやっていけば、絶対いいゲームができると思うので、自分の役割、ゲームプランを迷わずやっていきたい」

押川敦治(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

ラブスカフニは今季初となるえどりくでのゲームを楽しみにしていた。
「エキサイティングな気持ちで楽しみ。ホームゲームの初戦が待ち遠しい気持ち。オレンジアーミーの応援、サポートを感じながら、自分たちのラグビーができるいいスタジアム。今季も連勝を重ねていきたい。オレンジアーミーの人たちはエナジーを生んでくれる。花園ラグビー場でもサポートを感じることができた。恩返しはいいパフォーマンスをすること。前節それはできたし、今後も恩返しにいいパフォーマンスを見せていきたい」

ピーター・“ラピース”・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (c)JRLO

初めて10番を背負う押川は気を引き締めていた。
「やっぱりスタートとして出る意味は変わってくる。そこは楽しみな部分が大きい。誰が蹴るのかわからないが、いいキックができるよう最高の準備はできている」

一方、GR東葛はここまで1勝2敗。開幕戦では昇格組の花園Lに36-34と意地を見せたが、続く東京SG戦は19-50の完敗。第3節・コベルコ神戸スティーラーズ戦ではキックオフ直後のチャージでCTBマリティノ・ネマニがシンビン(10分間の一時退場)となり、数的不利の中0-19と出鼻をくじかれたが、その後盛り返し、33-43でノーサイドとなった。

試合後、レメキ ロマノ ラヴァ主将は「入りが良くなかったが、最後までファイトしたのは良かった。昨季ならば60点ぐらい取られていたと思うけど、今日はみんなが最後までファイトして、勝てそうだった。これからはいい入りができれば勝ち切れると思う」と敗戦の中に手応えを感じていた。また、かつての盟友WTB尾又寛汰とのプレーを「久しぶりに一緒にプレーができてうれしい。ホンダ時代から兄弟のようにずっと仲が良くて、NECに来て一緒にラグビーができたのをうれしく思う。彼の能力は本当に高い。何もない状況から何かを作ってくれるし、久しぶりに一緒にプレーができて、めっちゃうれしかった」と喜んだ。

レメキ ロマノ ラヴァ(グリーンロケッツ東葛) (c)JRLO

GR東葛の試合登録メンバーは次の通り。
1石田楽人、2アッシュ・ディクソン、3土井貴弘、4山極大貴、5ジェイク・ボール、6フェトゥカモカモ・ダグラス、7亀井亮依、8アセリ マシヴォウ、9ニック・フィップス、10金井大雪、11尾又寛汰、12ティム ベネット、13松浦康一、14後藤輝也、15レメキ ロマノ ラヴァ、16小林恵太、17瀧澤直、18上田聖、19ルーク・ポーター、20カヴァイア タギヴェタウア、21藤井達哉、22マリティノ・ネマニ、23杉本悠馬

『NTTリーグワン2022-23』第4節・S東京ベイ×GR東葛は1月14日(土)・江戸川区陸上競技場にてキックオフ。S東京ベイは1月21日(土)・神戸S戦、1月29日(日)・ブラックラムズ東京戦とえどりく3連戦に臨む。チケット発売中。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11027060

リーグワン特設ページ:
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/

ジャパンラグビー リーグワン 観戦ガイド 2022-23:
https://book.pia.co.jp/book/b617541.html

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