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伝説的漫画『アンダーカレント』を今泉力哉監督が初の映像化!

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『アンダーカレント』(C)豊田徹也/講談社 (C)2023「アンダーカレント」製作委員会

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日本をはじめ海外でも人気を誇る伝説的漫画『アンダーカレント』が今泉力哉監督により初の映像化。2023年秋に公開されることが決定し、監督からコメントが到着した。

原作は2004年8月より1年間にわたり「月刊アフタヌーン」(講談社)に連載され、漫画評論家の間や口コミで高い評価を得て、2005年に単行本も出版された豊田徹也の唯一の長編漫画。その後も人気は衰えず、2009年パリで開催されたジャパンエキスポにおいて、フランスの批評家と記者が選出する「第3回ACBDアジア賞」を受賞。2020年にはフランスメディアで発表された「2000年以降の絶対に読むべき漫画100選」で3位に選ばれるなど、フランスを中心とした海外でも人気を博している。

家業を継ぎ、夫の悟と銭湯を切り盛りし順風満帆な日々を送るかなえ。しかし突然、悟が失踪する。途方に暮れるかなえだったが、一時休業していた銭湯の営業を再開。そこに「働きたい」という謎の男・堀が現れ、ある手違いをきっかけに住み込みで働くことに。友人から紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに期間限定で悟を探しながら、穏やかな日常を取り戻しつつあったかなえだったが、ある事件をきっかけに、堀、悟、そしてかなえが閉ざしていた心の深層(アンダーカレント)が、徐々に浮かび上がってくる。

監督を務めるのは、『愛がなんだ』『あの頃。』『窓辺にて』など話題作を次々と発表し、来月には有村架純主演『ちひろさん』の公開が控えるなど、日本映画界で注目すべき映画監督のひとり・今泉力哉。脚本は『愛がなんだ』の澤井香織が、今泉とともに手がけている。

また、原作ファンの熱い声を受け、『アンダーカレント』単行本の重版が決定。全国の書店ならびにネット書店にて発売中だ。

【今泉力哉(監督)コメント】
この世界にはそれが存在することで誰かが救われるという作品があって、そして、そういうものを生み出す人がいて、豊田徹也さんの『アンダーカレント』はそういう漫画で、豊田さんはそういう人だ。映画化にあたり、豊田さんと何度もふたりきりで会っていろんな話をした。はじめて会った日に4時間お茶をしたのだが、まだまだ話し足りなかった。帰り際、原田芳雄さんのエッセイ『B級パラダイス俺の昨日を少しだけ』をいただいた。豊田さんは「僕はいいんだけど、登場人物が嫌な思いをしない映画にしてください」と言った。登場人物が嫌な思いをしないように。とってもすてきな言葉だと思った。コロナ禍でお茶をしたある日、会計時に自分の分のコーヒー代を、きっとこういうご時世だからだろう、衛生面からラップにくるんでご用意してくださっていて。この繊細さをきちんと映画にしたいと思った。私はキリスト教徒なのだが、熱心な信者ではなくて、それでもたまに教会に行くと心が澄む感覚になるのだが、自分にとっての豊田さんはそういう人で、会うと心が澄む。とても繊細で面白い方で、日々、自分は映画監督に向いていないなと思いながら映画をつくっているのだが、こういう原作の映画化の話が来ることはとても光栄だし、きっと器用に生きることができない人にしか生み出せないものがあると信じて、これからも生きていきます。かなえや堀も、今もどこかで元気でいてくれたら。
監督今泉力哉

『アンダーカレント』
2023年秋公開
(C)豊田徹也/講談社 (C)2023「アンダーカレント」製作委員会