Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 福間洸太朗が奏でる多彩な「夜」にひたる春の午後

福間洸太朗が奏でる多彩な「夜」にひたる春の午後

クラシック

ニュース

ぴあ

福間洸太朗 (C)Masaaki Hiraga

続きを読む

フォトギャラリー(6件)

すべて見る

恒例の人気企画「アフタヌーン・コンサート」に福間洸太朗が初登場する。13時30分に始まる午後のコンサート。でもテーマは「夜」だ。演奏曲は以下のとおり。

J.S.バッハ/ジロティ編:G線上のアリア
モーツァルト/福間洸太朗編:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
クララ・シューマン:ノットゥルノ
シューマン: トロイメライ/夜に /夢のもつれ
グリュンフェルト:ウィーンの夜会~J.シュトラウスIIの主題による
------------
ショパン:ノクターン第2番、第13番
フォーレ:ノクターン第5番
ドビュッシー:月の光
ラヴェル:オンディーヌ
サン=サーンス/リスト編:死の舞踏

「もともとは、2月に出演するフランス・ナントの音楽祭『ラ・フォル・ジュルネ(LFJ)』のために組んだプログラムがベースになっています。音楽祭全体のテーマが“夜”なんです。静けさ、眠り、恐怖……。夜にはいろいろなイメージがあります。なるべくヴァラエティ豊かにしたいなと思いました。

向こうではドイツ音楽でまとめた前半部分だけを弾くのですが、LFJはたくさんのピアノ・リサイタルがあるので、あまのじゃくな私は、きっとみんなが弾いてくるであろう《夜のガスパール》とか《月光ソナタ》を外したんです。でもふたを開けてみたら《夜のガスパール》を弾く人は2~3人しかいなかった。みんなあまのじゃくでしたね(笑)」

3月のリサイタルは、後半にフランス音楽を加えた、いわば福間洸太朗の選ぶ“夜”のフル・ヴァージョンだ(《夜のガスパール》からも〈オンディーヌ〉が入った)。ドイツ音楽とフランス音楽で“夜”の現れ方に違いはあるのだろうか。

「やっぱりフランスのほうがポエティックな感じがしますね。ドイツ系のほうが、構成美とか、歌の旋律の美しさが前面に出ている。フランス音楽のほうは、和声がおしゃれで、構成よりも瞬間の空気感みたいなものが魅力だと思います。

フランス音楽とドイツ音楽は自分にとって2つの軸です。どちらからもそんなに長い期間は離れたくない。フランスの近現代作品は大好きですし、ドイツ音楽ではシューマンやブラームスを、もっと深く勉強したいと思っています。残念ながら今回はブラームスは弾きません。ブラームスは音楽自体は夜っぽいのですけれども、タイトルに“夜”のつくピアノ曲を書いてないんです」

福間洸太朗 (C)Rolf Schoellkopf

普段の生活は“夜型人間”だという福間。

「最近は健康のためにちょっと修正しているところなんですけど、夜のほうがインスピレーション湧きますし集中できます。動画編集なんかをやっていると、あっという間に午前3時とか4時とかになってしまう。お日さまが出るのを見て、そろそろ寝なきゃという感じですね(笑)。夜には何か摩訶不思議なことが起こるんじゃないか。そんな魅力を感じている人間のひとりなんです。きっとどの時代でも、人々はそれを感じてきたのだろうと思います。朝の曲ばかりのコンサートは私らしくないかも(笑)。

東京オペラシティ・コンサートホールでのリサイタルは初めてです。なんといってもあの天井の高さ。空間を贅沢に感じながら弾かせていただけるというのは素晴らしいですし、教会のような雰囲気で、プログラムの最初のバッハから、天上の世界とつながっているような感覚で弾けるんじゃないかと思います」

多彩な“夜”の音楽に身を委ねてホールを出れば、そろそろ春の匂いのする3月の日差しが注いでいるはず。

「コンサートを聴いたあと、太陽の光で現実に戻るというのは素敵だと思うんですよ。だからコンサートでは、夜の非現実の世界にどうぞたっぷり浸ってください」

アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2022-2023
福間洸太朗 ピアノ・リサイタル
3月4日(土) 13時30分開演
東京オペラシティ・コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2005/

取材・文:宮本明

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2237930&rlsCd=001&lotRlsCd=

フォトギャラリー(6件)

すべて見る