【サンダンス映画祭レポート】ジョナサン・メジャース主演作『Magazine Dreams』
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『Magazine Dreams』
来年のオスカー主演男優部門の候補者が、早くもひとり誕生したかもしれない。あまりにも気が早いかもしれないが、『Magazine Dreams』のジョナサン・メジャースに対して、すでにそんなささやきが聞こえる。
メジャースが演じる主人公キリアンは、アマチュアのボディビルダー。スーパーの店員として生活費を稼ぎ、年老いた祖父の世話をしながらも、いつか雑誌の表紙を飾ることを夢見ている。だが、キレやすく、社交性に欠ける彼はトラブルを起こし、自ら怪我をするはめにも陥る。同じスーパーで働く若い女性(ヘイリー・ベネット)とついに初めてのデートにこぎつけても、楽しい会話ができずにぶち壊してしまうのだった。すべてが思うようにいかず、フラストレーションが募る中、キリアンは少しずつ暗く危険な考えを募らせていく。
『タクシードライバー』や『レスラー』を彷彿とさせる今作がメジャースのキャリアのターニングポイントになることは確実。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』や『クリードIII』も控える彼は、今年最も注目の俳優になるとも言えそうだ。
監督、脚本はイライジャ・バイナム。今作は彼の長編監督作2作目となる。
文=猿渡由紀
(C)Sundance Institute