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【サンダンス映画祭レポート】女性のほうが出世したらカップルはどうなる?『Fair Play』

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『Fair Play』

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競争がとりわけ激しく、圧倒的に男社会のニューヨーク金融業界。ルークとエミリーは、同じ会社で働くアナリスト。社内恋愛はご法度だが、2年間こっそり付き合ってきたふたりは、ついに婚約して幸せいっぱいだ。

そんなある日、上司のひとりがクビにされた。その地位を得るのはおそらくルークだとの噂を聞いて、ふたりは興奮する。だが、驚いたことに、昇格したのはエミリーだった。

最初は平静を装い、エミリーを祝福するルーク。しかし、自分たちがカップルであることを誰も知らない職場で、上司と部下という関係を続ける中、ルークの中では複雑な思いが募っていく。

ルークを演じるのは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のオールデン・エアエンライク。チャーミングさと自信に満ちる男が内側から少しずつ破滅していく様子を見事に表現している。エミリー役を演じるのは、『ブリジャートン家』のフィービー・ディネヴァー。監督、脚本は、今作で長編映画監督デビューを果たすクロエ・ドモント。

これが男女逆だったら、何も問題はないはず。女性の社会進出が進む現代のアメリカにもなお存在する伝統的な価値観をあぶりだす傑作だ。今作はNetflixが2000万ドルという大枚をはたいて世界配信権を獲得した。

文=猿渡由紀

(C)Sundance Institute