赤木春恵の告別式で里見浩太朗が弔辞、角野卓造は「本当の母親という気がします」
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弔辞を読む里見浩太朗。
11月29日に94歳で死去した赤木春恵の告別式が本日12月4日、東京・築地本願寺和田堀廟所にて執り行われた。
NHK連続テレビ小説「おしん」やドラマ「3年B組金八先生」、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」シリーズの小島キミ役で知られる赤木。2013年に公開された森崎東の監督作「ペコロスの母に会いに行く」で映画初主演を務め、「世界最高齢での映画初主演女優」としてギネスブックに認定されている。
祭壇には赤木が好きだったトルコ桔梗をはじめ、紫綬褒章、勲四等宝冠章、舞台「佐渡島他吉の生涯」で森繁久彌と共演したときの写真が飾られた。また棺の上には、映画界に入った頃より目をかけてもらっていた片岡千恵蔵、東京へ活躍の場を移すきっかけとなった森繁、そして戦時中に慰問先へ向かうトラックで出会った“心友”森光子という、赤木にとってかけがえのない存在であった3名から贈られた楽屋のれんも。
約500人が参列した本日の告別式。会場には、赤木が出演した「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」のテーマ曲や「3年B組金八先生」の主題歌「贈る言葉」が流れ、彼女をしのびに来た人々を迎える。葬儀委員長は「渡る世間は鬼ばかり」のプロデューサー・石井ふく子が務め、同作の脚本を担当してきた橋田壽賀子の弔辞を代読。続いて里見浩太朗、大空眞弓が声を震わせながらそれぞれ弔辞を読み上げた。
囲み取材には「渡る世間は鬼ばかり」で赤木と共演経験のある角野卓造、長山藍子らが出席。赤木が演じた小島キミは泉ピン子扮する小島五月らに厳しくあたる役どころであるが、角野は「意地が悪いってことではないんです。あの世代の、あのお母さんが嫁(五月)に対してどう思うかってことを橋田先生はお書きになっていて」と、赤木の演技が橋田の意図を汲んだものであったと話す。舞台で共演した際のことも振り返りながら「朝から晩までママの部屋でご飯を食べさせてもらって。本当の母親という気がしています」とあふれ出る感謝の気持ちを抑えられない様子だった。長山は、赤木の演技をプロフェッショナルと断言し「個人(登場人物)の主張を理解して演じてらしたんです。普段は本当に優しくて……」と涙をこらえる。また囲み取材には小林綾子、東てる美も出席し、赤木への思いを目をうるませながら語った。
舞台「三婆」で赤木と共演した中村玉緒も取材に応じた。赤木が普段疲れを見せなかったことに触れ、「人間はだんだん疲れてくるものなのに、毎日同じ顔なんです。あんなに同じ顔ができるものかと」と驚いたことを吐露。「私はしんどいときにしんどそうな顔をしてしまって。今日からでもしようと思ってるんですけど、うちへ帰るときは元気で帰ろうと。先生(赤木)は子供たちに元気な顔を見せるということをなさっていたそうです」と続けた。
赤木の棺には、孫からの手紙や知人が作った雛人形、孫と犬の写真、森とおそろいの楽屋着、そして晩年は食べることができなかったという好物のせんべいが入れられた。そんな棺を、顔に悲しみを浮かべた角野、太川陽介、川崎麻世らが霊柩車へと運び込む。彼らは厳粛な面持ちで長い間合掌していた。
喪主は赤木の長女・野杁泉の夫であり、オフィスのいりの社長である野杁和俊が担当。彼は「『ドラマや映画は何千人が関わってできている。愛を持って接すれば、必ず返って来る』と教わりました。その心を大切にして、家族で生きていきたいと思います」と、赤木から学んだ考えを家族で受け継いでいくことを表明した。
※森崎東、川崎麻世の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記