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【サンダンス映画祭レポート】審査員大賞受賞作『A Thousand and One』

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『A Thousand and One』

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今年のサンダンス映画祭で審査員大賞に輝いた『A Thousand and One』は、心を揺さぶる人間ドラマだ。

物語は1990年代のニューヨークで始まる。自身も児童養護施設で育った主人公アイネスは、愛する幼い息子テリーを養護施設に取られたまま、引き取らせてもらえずにいる。もうこれ以上離れていたくないと思った彼女は、息子を誘拐して逃亡。新たな名前をつけ、一緒に住み始めた。やがて、息子の父親で刑務所帰りのラッキーも加わる。

父子の関係は決してスムーズではなかったが、そんな中でもテリーは意外にも学校で頭の良さを発揮し、優秀な生徒のための学校に転校すべきだとのアドバイスを受けるまでに。しかし、その当時あまりにも幼すぎて知らなかった彼の過去の秘密が、そこに大きな影を投げかける事になる。そして最後にはショッキングなエンディングが待ち受けているのだ。90年代初めから2000年代なかばまで、ジュリアーニやブルームラングなど市長が変わる中、ハーレムに住む黒人がどのような影響を受けていったのかが描かれるのも興味深い。

アイネスを演じるのは『星の王子ニューヨークへ行く2』のテヤナ・テイラー。テリー役は、違った年齢の子役がそれぞれにすばらしい形で演じる。監督、脚本のA.V.・ロックウェルは、今作で長編監督デビューを果たす。

配給はフォーカス・フィーチャーズが配給。公開時期は決まっていない。

文=猿渡由紀

(C)Sundance Institute