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「まるでジェームズ・ボンドの映画のよう」衝撃のノンフィクション『リトビネンコ暗殺』主演俳優インタビュー

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『リトビネンコ暗殺』 (C)ITV Studios Limited All rights reserved.

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2006年にロンドンで起きたロシア人元スパイ、リトビネンコの暗殺事件と、その後10年間の捜査の全貌を忠実に再現した『リトビネンコ暗殺』(全4話)の独占日本初放送が2月6日(月)から「BS10 スターチャンネル」にてスタートする。放送開始に合わせて、アレクサンドル・リトビネンコを演じたデヴィッド・テナントのインタビューが到着。実在の人物を演じた心境や役作り、プロデューサーも務めた本作への強い思いを明かした。

“ロンドン警視庁史上最も複雑、かつ危険な捜査”と言われた「リトビネンコ事件」。本作は、この未曽有の事件の真相を追求し、懸命に戦ったロンドン警視庁の捜査官たちと、夫を亡くした妻、マリーナ・リトビネンコの10年間に及ぶ苦難の捜査の全貌を、警察と遺族ら全面協力のもと、徹底的なリサーチに基づき映像化したノンフィクションドラマ。本国イギリスでの配信を皮切りに、日本を含む世界80ヵ国以上での配信・放送が続々スタートするなど、世界中から注目を浴びている。

アレクサンドル・リトビネンコの壮絶な最期の日々をリアルに演じたデヴィッド・テナント。「世界中の人々と同じように、病床のアレクサンドル・リトビネンコの映像を見て、衝撃を受けました。最初は、まるでジェームズ・ボンドの映画のような、あり得ない話だと思いました」と事件当時の記憶を思い返し、「この事件が何を意味するのか、語り継がれる必要がある重要な物語」と出演を決めた理由を語る。

また、亡き夫の遺志を胸に今も闘い続けている妻マリーナ・リトビネンコの存在が大きな原動力となり、「この物語を正しく伝えなければならない理由であり、私たち全員が責任を感じている」とスタッフ・キャストの固い信念を明かした。

絶賛を受けた演技については「あの世界中で知られている、病床の彼の姿を再現することが課題」だったと述べ、「撮影中は信じられないほど殺伐とした気分でした。実在の人物を演じるのは大変なことです。とても重い責任を感じます。なぜなら、演技には常に少し馬鹿げた要素があるからです。説明するのが難しいし、気取っているように聞こえるかもしれませんが、とにかく重責を感じていました」と心境を打ち明けた。

そして「ベストを尽くし、とても誇りに思っています。サーシャ(アレクサンドルの愛称)との思い出とマリーナのライフワークを称えることができれば嬉しいです」とリトビネンコ一家への深い敬意を込め、視聴者へメッセージを送った。

なお、2月8日(水)からは声優・鈴村健⼀が主演デヴィッド・テナントの声を担当した吹替版の放送もスタートする。

【デヴィッド・テナント インタビュー全文】

──なぜアレクサンドル・リトビネンコを演じようと思ったのですか?

この事件が何を意味するのか、語り継がれる必要がある重要な物語だからです。私も当時、世界中の人々と同じように、病床のアレクサンドル・リトビネンコの映像を見て衝撃を受けました。最初は、まるでジェームズ・ボンドの映画のような、あり得ない話だと思いました。彼は自分自身の殺人の唯一の目撃者なのです。

あれほどの毒物に彼の肉体が耐えたことで、死因を突き止めることができたのです。普通なら毒殺者の思惑通り、ただひっそりと死んでゆくはずでした。原因不明のひとりの男の死として、誰も真実を知らないまま―。

この事件は「実は同じようなことが何度も起きていて、発覚しないままになっているのではないか」という大きな疑問を生むことになりました。とても現実とは思えないことばかりが起きるのです。そしてこの物語に説得力を与えているのは、この家族の個人的な悲劇であるということです。この物語が世界的に重要であるからこそ、私たちはリトビネンコ一家の物語を伝えることができるのかもしれません。

──この事件は、前代未聞の殺人事件捜査でしたね。

スタッフ、キャスト全員にとって、マリーナの存在が大きな原動力でした。この物語を正しく伝えなければならない理由であり、私たち全員が責任を感じています。マリーナは、夫の死を無駄にしないために、恐れずに自分の人生を捧げてきました。語り続け、ドアを叩き続け、何が起こったかを世界に伝え続けているのです。この物語の主人公はマリーナなのです。

──リトビネンコはなぜ毒殺されたのでしょうか?

彼はロシアの腐敗について真実を語ることができる人物であり、その結果命が狙われることを自覚していました。しかし、彼は躊躇することなく、何度も何度も訴え続け、権力に屈しなかった。自分が愛してやまない祖国に何が起きているのか、愕然とし、恐怖を覚えていた。目をそらすことができず、そのために暗殺されたのです。並外れた道徳心ゆえでした。彼は誠実さを保ったまま死んだのです。

──病床のリトビネンコを演じたことについて?

あの世界中に知られている、病床の彼の姿を再現することが最初の課題でした。忠実に再現できれば、観客は物語の細部にまで入り込むことができます。熟練スタッフたちが全力を注ぎ、私はただ椅子に座っていただけです。自分の変身した姿を見たときは、一瞬オリジナルを見ているのかと驚き、「いい作品になる」と思いました。

撮影中は信じられないほど殺伐とした気分でした。実在の人物を演じるのは大変なことです。とても重い責任を感じます。なぜなら、演技には常に少し馬鹿げた要素があるからです。メイク・ビリーブであり、フリなのです。説明するのが難しいし、気取っているように聞こえるかもしれませんが、とにかく重責を感じていました。

マリーナに会ったとき、彼女はとても寛大で、家族が一緒に写っている写真をたくさん見せてくれました。その瞬間、何よりも彼女たち家族の気持ちを尊重したいと思いました。

──ロシア語の台詞は大変でしたか?

ファビアン・エンジャリックという素晴らしいボイスコーチと仕事をしました。サーシャの単なる物まねにならないように、私の声域に合ったロシア語のアクセントを探し、バランスをとりながら台詞を作っていきました。リトビネンコは疲れて、英語で話し続けるのが難しくなるとロシア語交じりになります。その表現がとても大変でした。

──サーシャは、イギリスの警察に絶大な信頼を寄せていました。この事件の捜査官たちは自分たちの義務を果たし、彼やマリーナとの約束を守って、正義を貫こうとしたのですね。

この事件の捜査官たちの誠実さ、信念に感動しました。役人が腐敗し、誰も信用できない世界から来たサーシャにとって、イギリスも完璧ではなくても、彼がいた国とは全く違う。イギリスの警察が対応してくれると信じ、やり遂げるという彼の信念は、非常に感動的でした。そして彼が信じた通り、並外れた捜査を行った警察官たちによって、見事に成し遂げられたのです。まだいくつかの疑問が残っていますが、多くのことが明かされました。

──犯人は誰なのでしょう?

ポロニウムは、ある特定の場所からしか持ち込めません。だから私たちは、彼がロシアによって毒殺されたと確信しています。その痕跡は、この事件を担当した警察官によって徹底的に調査されています。この暗殺はプーチンの指示なしには行われないとリトビネンコは疑っていませんでした。プーチンが関与を全否定し、「彼はもういない。ラザロではない」と言う有名なセリフがあります。しかし、この事件を語り、忘れないようにすることでサーシャはラザロのように蘇り続けます。それがマリーナの使命であり、私たちの誇りでもあるのです。

──視聴者へのメッセージ。

この作品がどのように受け取られるか、どのような影響を与えるか、私にはわかりません。でも、私自身は、ベストを尽くし、とても誇りに思っています。サーシャの思い出とマリーナのライフワークを称えることができれば嬉しいです。それが、私たちが目指したものです。


海外ドラマ『リトビネンコ暗殺』(全4話)
【配信】「スターチャンネルEX」
<字幕版>配信中 ※第1話は無料 
<吹替版>配信中 ※毎週木曜1話ずつ更新

【放送】「BS10 スターチャンネル」
【STAR1 字幕版】2月6日(月)より 毎週月曜よる11:00ほか ※2月5日(日)吹替版 第1話 無料放送
【STAR3 吹替版】2月8日(水)より 毎週水曜よる10:00ほか 
  (C)ITV Studios Limited All rights reserved.

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