ルカ・グァダニーノが新作語る、純愛ホラーで描いた“社会の片隅で生きる2人”の旅
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「ボーンズ アンド オール」場面写真
「ボーンズ アンド オール」の監督を務めたルカ・グァダニーノのインタビューコメントが到着した。
第79回ヴェネツィア国際映画祭の監督賞をもたらした本作は、生きるため本能的に人を食べてしまう衝動を持ったマレンとリーが、その謎を解くために旅を続ける純愛ホラー。グァダニーノは“人食い”というテーマを持つ本作を「社会の片隅で生きることを強いられた2人の人間の物語」だと説明し、「この映画は、自分ではどうしようもないある条件にさらされた人々の物語であり、それはほかの多くの条件を示唆するものでもある。最初から、私は単純にこのような人の存在を信じていた。そして観客にもファンタジーの要素を持ち込むことなく、彼らの存在を信じてほしいと思っている」と作品に込めたメッセージを伝える。
主人公マレン役のテイラー・ラッセルは、第79回ヴェネツィア国際映画祭で新人俳優に与えられるマルチェロ・ マストロヤンニ賞に輝いた。グァダニーノはマレンについて「アメリカ文学の偉大な伝統の中に描かれる放浪者であり探求者」「1980年代に孤立し権利を剥奪された若き女性という特殊性を持ちながら、発見の媒介者になるという象徴的な性質をも持っている」と解説する。リーを演じたティモシー・シャラメとの再タッグに関しては「私たちは『君の名前で僕を呼んで』でとても美しい経験をともにした。それ以来、ティモシーが素晴らしい人間性を持って映画界で花を開かせていく様子を見てきた。ティモシーが演じてくれるなら、この映画の監督を引き受けると即座に言ったよ」と打ち明けた。
グァダニーノが本作の舞台に選んだのは1980年代アメリカ。一部地域の経済は活性化していたが、楽観主義の波に乗れず取り残された人々もいた同時代を「登場人物たちが抱える内面の矛盾、住処を探す旅、そしてそれらの不可能性に通じると感じた」とグァダニーノは表現する。一方、“秘密”を抱えた主人公2人の話ではあるものの、風刺や皮肉ではなく「マレンとリーの感情に嘘偽りなく描きたかった。それはテイラーやティモシーをはじめとするキャスト全員が、とても人間らしく演じることに力を注いでくれたからこそ可能になった」という描き方にも言及した。
「ボーンズ アンド オール」は2月17日より全国ロードショー。
※「ボーンズ アンド オール」はR18+指定作品
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