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渋谷すばる×THE BAWDIES、野音で寒さ吹き飛ばす灼熱のロックンロール対決

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「ライブナタリー 5周年記念公演 “渋谷すばる × THE BAWDIES”」出演者たち。(撮影:森好弘)

渋谷すばるとTHE BAWDIESが出演するライブイベント「ライブナタリー 5周年記念公演 “渋谷すばる × THE BAWDIES”」が、2月5日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で行われた。

この公演は、ライブナタリーが発足5周年を迎えたことを記念して「ライブナタリーが観てみたい組み合わせ」をテーマに企画された対バンライブ。全3回にわたって行われたライブの最終回では、初顔合わせとなる渋谷とTHE BAWDIESによるロックンロール対決が真冬の野音で繰り広げられた。

ゆっくりと日が暮れ、空気が徐々に冷たさを増す中で現れたのは先攻のTHE BAWDIES。ROY(Vo, B)は寒さを吹き飛ばすように盛大にシャウトをすると、「お祭り好きの4人が神輿を担いで練り歩いていると思ってください」と渋谷のファンに伝え、ライブの定番曲「IT'S TOO LATE」を爆音で冬空の下に轟かせる。間髪をいれずに披露されたのは「YOU GOTTA DANCE」。お祭り騒ぎに拍車をかけるように、ゴキゲンで豪快なロックチューンが総立ちのオーディエンスの体を温めていった。

挨拶代わりのナンバーを披露したところでROYは、「寒いと思います。どんどん体を動かしていただけたらと思います」と述べ、渋谷との初対バンが実現した喜びを口にした。甘い聴き心地のミディアムチューン「LEMONADE」を経て、ROYの「我々の使命として50年代、60年代の音楽を届けるというものがあります」という言葉から続いたのはThe Isley Brothers「WHY WHEN LOVE IS GONE」のカバーだ。煌びやかな照明に包まれたステージで4人は、リスペクトを込めて往年の名曲を情熱的にパフォーマンス。自分たちの音楽に脈々と流れるロックンロールの魅力を観客に伝えた。すっかり夜の帳が下りた頃、「ロックンロールを愛する者同士であるすばるくんに捧げたいと思います」というROYの言葉から突入したのはTHE BAWDIESの初期ナンバー「I BEG YOU」。心躍らせる陽気なサウンドを、4人は絶妙なアンサンブルで高らかに響かせた。

最後のMCでROYは「今年は出会いを大切にしていきたいと思ってます」と切り出すと、年末にメンバーから「お前、俺ら以外に友達にいるのか?」と指摘されたエピソードを自虐混じりに披露する。その流れで4月に「LET'S BE FRIENDS! TOUR」と題した対バンツアーを開催することをしっかりアピール。「皆さんもそうですよ! 忘れませんからね。すばるくんも離しませんので、よろしくお願いします!」と呼びかけた。その後、学園ドラマ風の小芝居を経てなだれ込んだ「HOT DOG」で、客席のテンションはピークに。THE BAWDIESファンも渋谷ファンも笑顔で体を揺らしたり、クラップをしたりしながら一体感を作り出す。そして、メンバーは最後に心も体も熱くなるような「JUST BE COOL」を観客にプレゼントして自分たちの出番を終えた。

2番手の渋谷すばるはサポートメンバーの新井弘毅(G / THE KEBABS)、安達貴史(B)、本間ドミノ(Key / THE BOHEMIANS)、茂木左(Dr / myeahns、ピーズ)とともにステージに登場。1曲目「ライオン」のイントロをゆったりとかき鳴らし、力強い歌声で観客を自身の世界へ引き込んでいった。渋谷は「あったまっていこうか日比谷!」と叫び、客席から大きな拍手を浴びる。その後はブルースハープを激しく吹き鳴らして「BUTT」を熱唱し、自由闊達にステージ上を舞いながら「ぼーにんげん」を歌った。

「アナグラ生活」のストレートなロックサウンドで会場の一体感を高めたあと、渋谷は「今日はTHE BAWDIESの皆さんと初めてご一緒させていただきます。僕、すごい人見知りで『緊張するな』と思っていたんですが、このライブの告知動画で『同じ音楽を愛する仲間じゃないか』と言ってくれてすごく救われました。面と向かってはあまりしゃべれていないので、ここで言おうと思ってました(笑)」と対バン相手のTHE BAWDIESへの感謝を述べる。そして「THE BAWDIESのファンの皆さん、はじめまして。今こんな感じで音楽をやっております。仲よくしてください」と客席にも呼びかけた。

MCで和やかな空気を醸し出したあとは「ベルトコンベアー」へ。ヘビーなアンサンブルから華々しく展開していくこの曲に会場の熱気はさらに上昇していく。渋谷も朗々とした歌声を日比谷の夜空に力強く響かせた。続いて披露されたのは「きになる」。安達のファンキーなベースラインが印象的なこの曲で、渋谷はハンドマイクをを握ってステージ最前方を隅々まで行き来し、遊び心に満ちた歌詞を楽しげに歌った。そのまま続けて「ワレワレハニンゲンダ」が始まると、渋谷は上着を脱いでパワフルに熱唱。ギターをフィーチャーしてエネルギッシュに生まれ変わった新たなアレンジに、観客も驚いた表情で聴き入っていた。

「ラストスパートです、楽しんでいきましょう!」と叫んだ渋谷は力強いギターストロークとともに、高らかに「爆音」を歌う。「日比谷ー!」という渋谷のシャウトに、オーディエンスも高く拳を上げて応えた。その後は最新曲「ないしょダンス」へ。客席に思いをぶつけるように叫ぶ渋谷のテンションに牽引され、観客の盛り上がりはピークに達した。

熱狂する客席をクールダウンさせるように、渋谷は「ライブナタリー5周年おめでとうございます。もっともっと続いて広がっていけばいいです。楽しい時間はなんぼあってもええからな(笑)。こういうところで子供の頃から生きている人間として感謝しています」とこの日のステージに立った思いを述べる。「また呼んでください、もっと寒い日でもいいですよ?」と笑顔を浮かべた渋谷が最後に披露した曲は「素晴らしい世界に」。深みのある歌声と重厚なバンドアンサンブルで、ライブナタリー5周年企画のエンディングを飾った。

ナタリーストアではこの日のイベントコラボグッズを販売中。Tシャツとステッカーは会場で完売したことを受け、2月10日11:59まで受注販売を受け付けている。

「ライブナタリー 5周年記念公演 “渋谷すばる × THE BAWDIES”」2023年2月5日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)セットリスト

THE BAWDIES

01. IT'S TOO LATE
02. YOU GOTTA DANCE
03. LEMONADE
04. WHY WHEN LOVE IS GONE
05. I'M IN LOVE WITH YOU
06. I BEG YOU
07. HOT DOG
08. LET'S GO BACK
09. JUST BE COOL

渋谷すばる

01. ライオン
02. BUTT
03. ぼーにんげん
04. アナグラ生活
05. ベルトコンベアー
06. きになる
07. ワレワレハニンゲンダ
08. 爆音
09. ないしょダンス
10. 素晴らしい世界に