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まるで映画のようにドラマチック! 激動期の日本映画界を活写した『社長たちの映画史』が出版

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中川右介著『社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡』(日本実業出版社)

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戦後の激変期に日本映画界を生きた映画人たちの、激烈な姿を生々しく描いたノンフィクション『社長たちの映画史』(日本実業出版社)が、このほど刊行された。

映画界を牽引した5大映画会社の社長だけでなく、三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎、中村錦之助といった、所属会社から独立して映画制作を手掛けた大スター俳優たちの社長としての姿も映し出す、業界トップの「攻防と興亡」に着目したこれまでにない視点の日本映画史だ。

著者はぴあアプリの水先案内でもおなじみの作家・編集者 中川右介さん。本作は、これまでの著書『市川雷蔵と勝新太郎』、『角川映画 1976-1986』、『アニメ大国建国期 1963-1973』と同様、膨大な資料から時代を活写する歴史よみもの。

戦後、映画は娯楽の王様だった。映画館に足を運んだ人の数が1年間で11億2745万人と過去最高になったのは1958年。2022年の約10倍におよぶ。当時の主要な映画会社5社、東宝、松竹、大映、東映、日活は、2週間に2本のペースで新作を自社の映画館チェーンにて公開していた。もちろん外国映画はロードショー館などで上映されていたが、映画興行の中心は日本映画だった。この黄金時代ともいえる日本映画界で何が起きていたのか。そして、坂を転がり落ちるように、右肩下がりの産業と化していったのは何故か。そこには恐ろしく人間臭いドラマがあった。

なかでも個性的であくの強さはピカイチ、破天荒としかいいようのない人物が永田雅一だ。京都の任侠団体「千本組」から無声映画時代の日活へ、戦前・戦中と映画界で暗躍し、戦後は大映の社長として君臨する。長谷川一夫、勝新太郎、市川雷蔵らスターを擁し、次々と娯楽作をヒットさせ、黒澤明に監督を依頼した『羅生門』がヴェネチア映画祭グランプリを得るなど映画史に残る大プロデューサーである。プロ野球の球団を持ち、政界にも広く人脈を持っていたが、1971年に会社は倒産し、永田も業界から姿を消す。まるでジェットコースターのような人生。この本の主要キャラクターのひとりといっていい。

トップスターによる相次ぐ独立の動きと、それを阻止しようと画策しながら、一方で彼らに頼らざるをえない映画各社のジレンマ、日本を代表する映画監督黒澤明の、日本映画界だけなく米メジャーをも巻き込んだ波瀾万丈の映画作り……など、映画界のトリビアが満載されている。アクションシーンはないけれど、映画界の歴史それ自体が、まさにエンタテインメント。「映画化すれば『仁義なき戦い』みたいにきっとなる」と思える1冊だ。

書名:社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡
著者:中川右介
出版社:日本実業出版社
価格:2200円+税

◎ぴあアプリ「水先案内人」中川右介さんの
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