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LMYKインタビュー「アルバム『DESSERTS』は全部、ひっくるめて自分らしい作品じゃないかなと思います」

音楽

インタビュー

ぴあ

LMYK Photo:吉田圭子

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フォギーで柔らかな空気感のなかに、憂いや切なさ、甘みも苦味も湛えたボーカルが印象的な、シンガー・ソングライターLMYK(エルエムワイケー)。2020年秋に、アニメ映画『羅小黒戦記 僕が選ぶ未来』の主題歌にもなった配信シングル「Unity」でメジャーデビューを果たし、日本語と英語とをシームレスに繋ぎながらエモーショナルに、そして物語性の高い歌を歌うその声は、アニメファンのみならず静かに強く音楽ファンの耳も刺激した。洋楽的なニュアンスも、懐かしさを帯びた歌謡曲の歌心もニュートラルに紡ぎ、自然な心地よさが心を揺らすアーティストだ。

デビュー以降、世界的プロデューサーチーム、ジャム&ルイス(ジャネット・ジャクソンやメアリー・J.ブライジ、アッシャー等を手がける)の目にとまり、彼らが作品を全面的にプロデュースする形で、ワールドワイドで独自の音楽を発表してきたLMYK。その最新作は、人気アニメ『ヴィンランド・サガ』SEASON 2のエンディングテーマでもある「Without Love」。フォーキーな旋律を持ち、また生の弦・管楽器がドラマティックに描く壮大なサウンドは、細やかな人間ドラマや情緒、人々が織りなす歴史のうねりをじっくりと表現する。そして、無垢な語り部のようなボーカルが美しい曲だ。

今回は全編英語詞ということもあり、アニメのオンエアやMVに先駆け『ヴィンランド・サガ』のトレーラーが公開されると、海外からの反響もより多く、さらに再生回数が伸びていきそうな状況だ。こうして曲が大きく広がってきながらも、まだまだミステリアスな存在でもあるLMYKに、その音楽や表現のルーツについて話を聞いた。

──音楽制作をスタートしたのは大学在学中だったということですが、何がきっかけだったのですか。

はじまりは急で、まさかこうしてこの仕事をしていくことになるとは思っていなかったんです。音楽はずっと好きで、小さい頃には姉とふたりでピアノを習っていて──わたしはすぐにやめてしまって、その後にドラムを習いたいと言ってドラムを習ったり。

高校生の頃には姉の影響でギターを練習しはじめてと、音楽はいつも身近にあって。でも、とにかく人前に出ることがすごく恥ずかしくて、殻に閉じこもった子供だったんです(笑)。ただ歌うことは好きでしたし、自分で作詞・作曲もしていたんですけど、それを人に見せたことはなかったんです。すごくパーソナルなものですし、だれかの反応がほしくて書いていたものでなかったので。

──その歌を発表する後押しがあったんですね。

大学生3年生のとき、きっと今やらないと後悔するなと思ったんです。歌いたいという気持ちもそうですし、やっぱりどこか人と繋がりたいという思いがあったんだと思うんです。一歩、踏み出してみようって思えて。思い切って一度踏み出したときに、こんなに世界って広いんだ、人って受け入れてくれるんだなというのを感じたんです。そこからは速いペースで、どんどん人前で歌うようになっていってという感じだったんです。

──その踏み出した一歩は、ライブだったんですか。

最初は、オープンマイクだったと思います。大学で新しくできた友達に、自分で曲を作っていることを打ち明けてみたんです。そしたら、聴かせてよって言ってくれて。そこから、一緒にオープンマイクに行ったりしていました。

──お姉さんの影響でギターをはじめた頃は、自分で曲を作ってみたりもしていたんですか。

すぐに作ってました。音楽に限らず、もともと小さい頃からものづくりがすごく好きだったんです。だからギターも、最初にCとかGのコードを覚えてから、すぐにメロディとか歌詞をつけてみたのは覚えてます。

──10代の頃はどんな音楽が好きでしたか。

テレビっ子だったので、J-POPや流行りの音楽は全部知ってましたし。学校がインターナショナルスクールだったので、洋楽も同時に聴いてました。家では、お母さんがとくに歌謡曲が好きだったので、洋楽も邦楽も両方聴いて育った感じです。高校生になってからは、ギターを弾いて歌うようなシンガー・ソングライターの曲に惹かれていました。

──自分で曲を作りはじめたときはどんなことを歌っていたか、内容など覚えていますか。

最初は日本語で書いていたと思います。高校生のときテレビで昔の映像が流れていた時に安全地帯を観て、その後玉置浩二さんのソロの曲も聴いてすごくハマって。その当時に書いていた曲は玉置さんの影響を受けているような世界観の曲や歌詞だったかもしれないです(笑)。

──LMYKさんから玉置さんの名前が出るとは意外ですね(笑)。

それも何か自分に響くものがあったからこそ、出てきたんだと思うんですけど。

──そこから自分で曲を作り続けていくなかで、自分はこういうことを音楽で表現したいんだなっていう気づきはあったんですか。

ずっと、自分のなかから湧き出てくるものはあったんですけど、それがやっと最近になってわかってきた感じがありますね。もともと曲を書くときは、ちょっと自分じゃない感覚っていうのがずっとあったんです。普段生きている自分とは違うというか……もっと無意識で、自分の奥深くに秘めているものが湧き出てくる感覚があって。

きっと言葉にできないもの、感情だったりとか、人に打ち明けられないもの──それは言えないというわけではなくて、どうやって言葉にしていいのか分からない自分の感情とかが、曲になっていたりアートになるんだと思うんです。

──ものづくりが好きということですが、以前から音楽以外でも、その自分の気持ちや、湧き出る思いをアートで表現してきたんですか。

小さい頃は、自分で雑誌を作ったりもしてましたね。とにかく作ることが好きだったんですよね。

──とくに子供の頃なんて、作ったらだれかに見てもらいたくなりません?

お母さんには見せてました(笑)。庭仕事をしているお母さんの写真を撮って、それを入れたりもして。“お庭”という雑誌だったんですけど。

──めちゃくちゃマニアックな雑誌ですね(笑)。家族には見せられるけど、友達にはそういうことをしてるのは、伝えてなかったんですか。

とくに言ってなかったんです。

──では今こうして音楽をやってる、シンガー・ソングライターとして歌をリリースしているなんてびっくりしているのでは。

びっくりされました、最初は。今でも驚かれると思います。

──大学生で一歩踏み出した、より積極的に自分で音楽を発信するようになって、自分の性格的なところやマインドなどの変化もありますか。

変化はあると思います。大学時代はニューヨークに住んでいたんですけど、そのときに人と繋がる感覚とか、このままの自分で受け入れてもらえるという感覚はありました。多分、日本でも受け入れてもらえていると思うんですけど、性格的なものなのか、人との距離を作ってしまう感じがあって。でも、音楽でそれを縮めることができています。

──LMYKさんといえば、このウィスパーボイスともまた違う、独特のエアリーで、物語性を帯びたボーカルが特徴的だなと思いますし、曲をより魅力的にしていますが、自分の声というものを客観的にどうとらえていますか。

10代のときに、「声がいいね」って言われたことがあったんですけど、そんなことを言われたのは初めてで。自分の声って、自分ではこうだってわからないじゃないですか。幼稚園の頃は、ずっと自分の声が変だと思い込んで全然喋らなかったくらいで。自分が感じることと、人が感じることって差があるんだなと思います。今も、歌い方や、もっとこうしたいなど課題はたくさんあるんですけど、でも音楽を通じて、殻に閉じこもることなく自分やその声を信じて、言いたいことを表現できるようになっていると思います。

──2020年にシングル『Unity』でデビューをして、その後数々のアーティストを手がけたプロデューサーチーム。ジミー・ジャム&テリー・ルイス(ジャム&ルイス)との出会いがあり、全面的なプロデュースによる制作が続いています。LMYKさんにとって、ジャム&ルイスとの関わりで得た大きなものは、なんでしょう。

音楽をはじめたときもそうでしたけど、自分にとっては何かを“表現”をすることは普通のことだったんですけど、人からしたらそれが何か特別なことに見えたり、自分は人とは違うという感覚もあったんです。ふたりとの出会いでは、自分の表現により自信つけることができましたね。私らしいものでいい、そのままでいいんだっていうことを教えてくれたというか。

やっぱりはじめた頃は……これは今でもありますけど、もっとこの人みたいにしたいとかもありましたけど。自分の良さを伝えてくれて。例えばボーカルにしても、話すように自信を持って歌えばいいんだと言ってもらえて。わたし自身、ギターがすごく弾けるわけではないんですけど、限られた技術のなかでやることが個性的だって言われて。ギターの弾き方が独特で面白い、そこが良さだと言ってくれたことは自信になっています。

──音楽をやる上での、よき支えになっているんですね。改めて曲作りについてもおうかがいしていこうと思いますが、普段曲を作る際はギターですることが多いですか。

最初の2年くらいはギターで作っていたんですけど、そのあとはLogicなどDAWソフトをはじめて。今はそちらの方が多いですね。

──ギターで作るときと、DAWソフトで作るときとの曲の違いや考え方の違いなどはありますか。

ギター1本で作っていたときの方が、もしかしたらメロディに豊かな感じがあったかもしれません。デジタルで作る面白さは、いろんなサウンドを探したりとか、ギターとは違うインスピレーションで、もっとこういう音がほしいなとかがどんどん広がっていったり、学びもありますね。もちろん今もギターで作ることもあるんですけど、実際に弾きながらだからこそ、自分の中から出てくるものもあるんだと思います。

──今回のニュー・シングル「Without Love」は、どのように曲作りがスタートしているんでしょう。

これまでは、わたしが作ってきたデモをテリーさん、ジミーさんと一緒にアレンジしながら完成させることが多かったんですけど。今回の曲は今までとは違って、テリーさんとジミーさんと1から作りあげた作品なんです。LAで一緒に。まずはジミーさんがピアノのリフを考えて、それを元に今度はテリーさんの部屋で一緒に──あ、スタジオにジミーさんの部屋とテリーさんの部屋があるんですけど。

──ふたりの部屋を行き来する感じなんですね(笑)。

そうなんです。テリーさんの部屋に行って、ジミーさんが作ったループを流しながら、マイクを持ってメロディやフレーズを考えていってという感じでした。今回はアニメ『ヴィンランド・サガ』SEASON 2のエンディングテーマなんですけど、アニメの監督の方には、“希望のないものを”と言われて。

──希望がないというのも、それはそれで難しいお題ですね。

わたしが冒頭の部分を“time and time again”という言葉ではじめたいというのがあったんですけど、そこにテリーさんが、“my hopes are gone”とつけて。その最初の1行が決まってから、徐々に作り上げていって、それを今度はジミーさんに聴かせて、ジミーさんからのフィードバックがあってという流れで共作していきました。

──アニメの監督からは、希望がない感じでというお題がありましたが、そこから自分としてはどういうものを表現しようという思いでしたか。とくに、愛がなければ、自由がない、no freedom without loveという言葉が印象的でもあります。

どんなに希望がないと言っても、人間って少しは希望を持っていると思うんです。そのほんの少しある希望をどう描いて行くかが目標ではありました。あとは、このアニメ『ヴィンランド・サガ』は中世が舞台の、バイキングの物語なんですけど、テリーさんがたまたまそういう作品にすごくハマっていたようで(笑)。

人間の苦悩や葛藤、心理だったり、権力の争いだったり、そういうドラマを見るのが好きなようで。制作中、テリーさんの熱意、熱量がすごく高かったんです。テリーさんと一緒に話しながら、出てきたワードでもありました。

──さらにサウンド面では、フォーキーでありながらも、壮大、また雄大なサウンドスケープがあって、生楽器を用いたボリューム感のあるものになっていますね。サウンドイメージなど、思い描いていたものはありましたか。

生のストリングスやブラスを用いているんですが、これは作りながらどんどん壮大になっていきました。多分曲が、そういうアレンジや音を求めていたんだと思うんです。最初は静かなピアノからはじまって、サビができたときにみんなのなかでイメージがぐっと広がって、ティンパニを入れたりとか──ここはデジタルだったんですけどね。最初にイメージしていたものよりもはるかに壮大なものになりました。

──今実際にアニメのエンディングで流れていますが、映像と合わさったときさらにダイナミックに響きますね。

そうですね。自分の曲なんですけど、感動しました(笑)。

──この春には、1stアルバムがリリース予定ですが、制作の方はどのような感じですか。

今、ほぼ完成というところにきていますね。こうしたタイアップの曲はもちろん、古い曲では5年前くらいの曲もあって、ちょっと内容的に恥ずかしいんですけどね。いろんな時期、いろんな面を含めて、今も変わらない部分もあるので。全部、ひっくるめて自分らしい作品じゃないかなと。

──ちなみにこれまでリリースされた曲だと、昨年6月にリリースした「Square One」という曲が異色というか、明るく幸福感のある曲でしたよね。

「Square One」はドラマ『いぶり暮らし』のオープニングテーマとして書き下ろした曲で、同棲しているカップルが料理をするというストーリーだったので、明るいものを作りたいなというのがありました。ジミーさんが、作ってくれたアップリフティングなトラックに、アイディアを乗せて作ったので、もともとそういった要素はあったと思います。ドラマに合わせてアレンジをしていくうちにさらに明るくなっていったんです。

──今回の「Without Love」ももちろん、LMYKさんの曲はどこか憂いを帯びたトーンがありますが、「Square One」のような曲は普段の自分とはちょっと離れた感覚もあるんですか?

歌詞の内容は、もともと書き溜めていたもので合うなというものを元に広げているんですけど、アレンジの明るさはドラマに合わせて。ちょっと違った一面ではあるのかなと思います。でも明るい曲を歌うのも好きなんです。アルバムにもアップテンポの曲はありますけど、ちょっと悲しげだったり、切なさはどこかに入っています。

──自然とそうなっているんですね。

好きなコード感やメロディがついそういう感じになってしまうんです。明るいんだけど、ちょっと切ないとか。セブンスコードとかがすごく好きで、自分でもまたこのコードを使ってるなとは思うんですけど(笑)。

──アルバムもリリースも控えていますが、2023年はどういう活動をしていきたいですか。

アルバムをリリースして、もっとライブをやっていきたいですね。あとは新しい曲を書きたいなと。

──昨年、公式YouTubeで「Unity 5 Sessions」と題したスタジオライブの配信があり、ピアノとのセッション、ギターとのセッション、またストリングスとのセッション、最後はすべてのアンサンブルでといろんなバージョンで「Unity」を聴かせている企画がすごく面白いなと思いました。実際のライブでも、いろんな形態で観てみたいなと思いました。

ああいう感じもライブでやれたらいいなと思いますね。普段はキーボードの方とふたりのライブが多いんですが、昨年のサマソニで初めてバンドセットで、ドラムとベースとキーボードという形でライブをしたんです。デビューをしたのがコロナ禍でもあってライブの数自体はまだそんなに多くないですが、ようやく楽しさも出てきたので。ライブはもっと重ねていきたいです。

「TRIAL GATE Vol.4」会場:TOKIO TOKYO Photo:板場俊

Text:吉羽さおり Photo:吉田圭子

<リリース情報>
LMYK「Without Love」

配信中

LMYK「Without Love」配信ジャケット

配信リンク:
https://erj.lnk.to/FfcmUU

LMYK「Without Love」MV

LMYK『Without Love』CD+DVD(期間限定生産盤)

3月1日(水) リリース
価格:1,540円(税込)

LMYK『Without Love』CD盤ジャケット (C)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ SEASON 2 製作委員会

【CD収録内容】
1. Without Love
2. Without Love(Instrumental)

【DVD収録内容】
1. TVアニメ『ヴィンランド・サガ』SEASON 2ノンクレジット・エンディング映像
2. 「Without Love」Music Video

予約リンク:
https://erj.lnk.to/wiSpuT

LMYK ニューアルバム『DESSERTS』

3月29日(水) リリース
価格:3,300円(税込)
※初回仕様:限定ケース

LMYK『DESSERTS』期間限定生産盤ジャケット
LMYK『DESSERTS』ジャケット

【CD収録内容】
01. 0 (zero)(TVアニメ『ヴァニタスの手記』EDテーマ)
02. Unity(映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』日本語吹替版主題歌)
03. It’s so fun
04. Without Love(TVアニメ『ヴィンランド・サガ』SEASON 2EDテーマ)
05. ソラカラ
06. Little bit lonely
07. Smiley
08. Tendency
09. Nature-Nature
10. Weak
11. Square One(ドラマ『いぶり暮らし』OPテーマ)
12. I’ll take it

予約リンク:
https://erj.lnk.to/DKsR32

<ライブ情報>
『HOPE!2023 -tokyo春-』

2023年3月31日(金) 渋谷SPACE ODD
開場 17:45 / 開演 18:30
出演:Wez Atlas/LMYK/FIVE NEW OLD/Laura day romance ※アイウエオ順
問合せ:SMEライブクリエイティブ
SME.Inquiry@sonymusic.co.jp

『HOPE!2023 -osaka春-』

2023年4月6日(木) 心斎橋Music Club JANUS
開場 17:45 / 開演 18:30
出演:Wez Atlas/LMYK/Sarina/Laura day romance ※アイウエオ順
問合せ:YUMEBANCHI(大阪)
06-6341-3525(平日12:00~18:00)
https://www.yumebanchi.jp/

【チケット料金】(東京・大阪共通)
立見:3,800円(税込)※別途ドリンク代必要

■先行先着販売(東京・大阪共通)
販売期間:2月26日(日) 23:59まで
受付URL:
https://w.pia.jp/t/hope2023/

■一般発売
3月4日(土) 12:00~各プレイガイドにて

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