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「痛くなかった?」櫻井翔が広瀬すずを気遣う、「映画 ネメシス」撮影に密着

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「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」メイキング写真。左から櫻井翔、広瀬すず、江口洋介。

広瀬すずと櫻井翔がダブル主演を務めた「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」の撮影が、2022年6月下旬に神奈川県内で実施された。映画ナタリーでは現場の様子をレポートする。

本作は、2021年4月期に日本テレビ系で放送された連続ドラマ「ネメシス」の劇場版。天才的なひらめきで事件の真相を見破っていく探偵助手・美神アンナと、ポンコツだが人望に厚い自称天才探偵・風真尚希の活躍を描いたミステリーエンタテインメントだ。キャストにはアンナ役の広瀬、風真役の櫻井、探偵事務所ネメシスの社長・栗田一秋役の江口洋介に加え、ドラマを彩った俳優陣が再集結。監督はドラマシリーズで総監督を務めた入江悠が担い、脚本は「アンフェア」シリーズの原作者である秦建日子が手がけた。

物語の舞台はドラマの最終話から2年後の世界。1人暮らしを始めたアンナは、チームネメシスの仲間たちが次々と悲惨な死を遂げる悪夢に毎晩うなされていた。時を同じくして、風真は怪しげな行動を取り始める。アンナはある日、夢に何度も現れる“窓”と名乗る謎の男と対峙し、「私たちが握手をしなければ、夢は1つずつ現実になっていく」と伝えられる。

この日撮影されたのは、一点の光のみが射す薄暗い空間で、手足を縛られたアンナと栗田のもとに暗闇から風真が姿を現すシーン。現場には、床に落ちた“ハサミ”、アンナたちが座る黒いシンプルな椅子だけがセッティングされていた。入江は、広瀬と江口に身動きが取れない様子やあたりを見渡して状況を把握するような芝居をリクエスト。櫻井には、歩きながらハサミを拾い上げて懐中時計を確認するといった、アンナたちに近づいていくまでの1つひとつの動作を、テストを重ねながら丁寧に演出していく。

広瀬は手足を縛られた状態でもがくアクションに備えるため、少しでも足を動かしてすぐに反応できるように集中する。その姿に江口は「いいことだ!」と背中を押し、自身もセリフの強弱を細かく確かめながら本番に臨んだ。風真が「データを渡せ」とアンナの首飾りを無理やり引きちぎるシーンも撮影されたが、カットがかかってすぐに櫻井は「大丈夫? 痛くなかった?」と広瀬を気にかける。

キャストやスタッフが口々にこぼしていたという「難しい脚本」「パズルのような脚本」を、1本の映画として形成した入江は「ドラマで10話やったことを踏襲して、映画的なスケールを期待されているかもしれませんが、いい意味で観客が驚く内容になっていると思います」と言及。またアンナが武術カラリパヤットを駆使するシーンでは、最新の映像技術をちりばめた新しいアクションに挑戦したことも明かした。

そしてアンナの前に立ちはだかる“窓”を演じたのは、本作が入江組初参加となった佐藤浩市。かねてより佐藤は入江と一緒に作品を作りたかったそうで、「光栄です」と入江は言う。現場での佐藤については「早く芝居がしたくてたまらないオーラがずっと出ていて、本当に芝居が好きなのが伝わってきました。現場でスタッフとカメラのアングルなどを決めていたりすると、まだスタンバイ中の佐藤浩市さんが『俺が入るよ』とスッとサポートしてくださる。素晴らしい映画俳優です」と語った。

プロデューサーの北島直明は、企画の経緯について「ドラマをやっていた頃は映画化できたらいいな、と思っていました。なので、ありがたいことに多くのファンの方から続編やスピンオフを望む声をいただけて、素直にうれしかったです。それから、監督やキャストの中に“ドラマでもうおなかいっぱい”という方もいらっしゃらなかったので、このように映画化を実現することができました」と説明する。また「映画でしかできないこと、パワーのある画は盛り込みたかった」と話し、とあるロケ地一体を完全封鎖した大規模な撮影を2度敢行したと言う。最後に「ドラマは集中して観るというより、お茶の間で憩いの時間を過ごしながら楽しむものだと思っています。今回の脚本は本当に難解。観客の皆さんには、映画館という集中できる空間で『映画 ネメシス』の謎に挑戦していただきたい」と期待をあおった。

「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」は、3月31日より全国でロードショー。

(c)2023映画「ネメシス」製作委員会