東京フィルの2月公演で、巨匠と新鋭の化学反応をチェック!
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すべて見る東京フィルの2月定期演奏会が目前だ。今回の注目は、世界的ピアニストにして特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフと、2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで史上最年少優勝を果たした若き逸材イム・ユンチャンの共演だ。
プログラムには、ベートーヴェンが完成させた最後のピアノ協奏曲、第5番『皇帝』が用意され、巨匠と新鋭の共演に花を添える。『皇帝』は、イム・ユンチャンの最新アルバムにも刻まれた得意のプログラムだけに、巨匠プレトニョフとの共演によってどのような化学反応を起こすのか興味津々。
コンサート後半には英国の詩人バイロンが愛の喪失と葛藤、理想を追いながらもままならない人間の宿命と救済を描いた劇詩『マンフレッド』をもとにチャイコフスキーが作曲した標題交響曲『マンフレッド交響曲』が用意され、チャイコフスキー自身の創作にとっても重要なテーマであった「人間の運命/宿命」がクローズアップされる。
東京フィルハーモニー交響楽団 2月定期演奏会
2月22日(水)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
2月24日(金)19:00開演 サントリーホール
2月26日(日)15:00開演 Bunkamuraオーチャードホール
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20230222.php
●イム・ユンチャン Yunchan Lim (ピアノ, Piano)
2022年第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、史上最年少(18歳)でゴールド・メダルを受賞、併せて聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。その演奏から現れる「魔法のような力」と「自然で本能的な質」(ラ・セーナ)で、世界中の聴衆を驚嘆させた。審査委員長のマリン・アルソップは「ユンチャンは深い音楽性と驚異的なテクニックを有機的にひとつにすることができる、類稀なアーティストである」と評した。
わずか18歳のユンチャンは、流星のように国際的スターダムに駆け上がった。クライバーン・コンクール準決勝におけるリストの超絶技巧練習曲の自由奔放な演奏は、国際的なピアノ界全体で評判を呼び、グラモフォンによって「知的なヴィルトゥオシティとリストの語法への完全なる没入は、まさに超絶的であることを示した」と評された。
決勝で演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、コンクールの中で最も話題を呼び、その演奏動画はYouTubeを介し世界中で視聴された。動画はわずかひと月で550万回再生を突破し、現在YouTubeにアップされている同曲の中で、最も多い視聴回数を持つ。一人の批評家は「その後の拍手喝采は終わりなく続いた。ひとりのスターが我々の目の前に出現したのだ」(スィーンアンドハード・インターナショナル)と評した。
韓国の始興市生まれ。現在、韓国芸術総合学校に在籍。7歳でピアノを始め、翌年にソウル・アーツ・センターの音楽アカデミーに入学。13歳で韓国芸術英才教育院のオーディションに合格し、教師・指導者のソン・ミンスに出会う。翌年2018年、若いピアニストのためのクリーブランド国際ピアノコンクールで2位及びショパン特別賞を受賞。同年のクーパー国際コンクールでは最少年の参加者として注目を集め、3位と聴衆賞を獲得。クリーブランド管弦楽団との共演の機会を提供される。
2019年には最年少の15歳で韓国のユン・イサン国際コンクールで優勝及び二つの特別賞を受賞。これまで韓国全土で演奏しており、韓国オーケストラ・フェスティバル、韓国交響楽団、水原フィルハーモニー管弦楽団、釜山フィルハーモニー管弦楽団等と共演。また、スペインの韓国文化センターに招かれマドリッドで演奏。韓国放送システムによる「2020韓国の若き芸術家たち」のレコーディングに参加し、同年11月にリリースされた。
2022-2023年のクライバーン優勝者ツアーでは4大陸への訪問を予定し、その中にはアメリカのアスペン音楽祭、ラ・ホヤ音楽協会、パフォーミングアーツ・ヒューストン、アジアではソウル・アーツ・センター、台北の国立コンサートホール、KBS管弦楽団、韓国国立交響楽団、ヨーロッパではウィグモア・ホールとルイ・ヴィトン財団が含まれている。
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