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菅田将暉の念願叶う、Creepy Nutsとアルピー平子も駆けつけた初の武道館ワンマン

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菅田将暉(撮影:上飯坂一)

菅田将暉のツアー「菅田将暉 LIVE TOUR “クワイエットジャーニー”」の追加公演が2月14日に東京・日本武道館で行われた。

このツアーは昨年10月から今年2月にかけて開催されたもの。菅田は彼の音楽活動を初期から支えているライブバンドメンバー“KNEEKIDS”とともに全12公演を行った。菅田にとってキャリア最大規模となる日本武道館公演では、昨年11月にリリースされた新作「クワイエットジャーニー - EP」の収録曲をはじめとした全21曲が披露されたほか、彼とゆかりのあるゲストが登場してライブを盛り上げた。

ステージはベッドやチェスト、ソファなどの家具が置かれた部屋のようなセットに。開演時間を迎えると菅田とKNEEKIDSが暗がりのステージに登場し、「クワイエットジャーニー」でゆったりとライブをスタートさせる。菅田はパーカーのフードを被り、顔にライトが当たっていない状態で柔らかな歌声を響かせ、徐々に観客のボルテージを上げていく。彼は無言で手を叩いて観客にもクラップを促し、「ゆだねたギター」へつなげると、ゆらゆらと体を動かしながらKNEEKIDSによる演奏を乗りこなしていった。

フードや照明により顔が見えづらい状態でパフォーマンスをする菅田を、観客は固唾を飲んで見守っていたが、ステージ後方に設置された大型ビジョンにフードを取った菅田の顔が映し出された瞬間、会場に興奮の渦が広がった。その熱量を保ったまま、菅田は「武道館!」と叫んで「ソフトビニールフィギア」の演奏へ。先の2曲の落ち着いたパフォーマンスとは一転、ノリのいいリズムに合わせて飛び跳ねながら歌い、サイドステージに足を運んで黄色い悲鳴を沸かせた。

菅田は「八月のエイリアン」でさらに観客を盛り上げたところでMCコーナーへ。「普段俳優業をしているとこれだけの人の前に立つことってあまりないので、不思議な感覚です。今日は約1万人ほどご覧いただいているそうで」とびっしり埋まった客席を眺めつつ、「ひさびさにこうやって人前でしゃべるので、去年1年で感じたことを話していければ」と昨年の思い出を振り返った。

序盤では家具を使用した演出がハイライトに。浮遊感のあるサウンドの「愛と右脳」で菅田はソファに腰かけて気だるげに歌い、sooogood!(G / シミズコウヘイ)はささやくようなラップを披露した。ほろ苦いラブソング「りびんぐでっど」では菅田がベッドに倒れ込み、そのまま寝転びながら歌唱。カメラが真俯瞰から菅田を捉え、ビジョンには彼がベッドの上で身をよじらせながら色気たっぷりに歌い紡ぐ様子が映し出された。続いて披露されたのはあいみょん提供のバラード「キスだけで」。菅田は湿度を含んだ柔らかい歌声で、歌詞の世界観を艶やかに表現する。映画「STAND BY ME ドラえもん 2」の主題歌「虹」、TBS系日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」主題歌「ラストシーン」の演奏にはカルテットが参加して繊細な音色で菅田の歌声に寄り添い、感動的なムードを作り上げた。

この日の会場限定で販売された「クワイエットジャーニー - EP」のアナログ盤がソールドアウトしたという吉報を経て、菅田とKNEEKIDSは北海道での合宿で作り上げたという「つもる話」を披露。菅田はアコースティックギターを優しく爪弾き、場内をリラックスムードで満たした。充足感のある表情を浮かべた菅田は「今度はアコースティックライブをやろう! 僕は思いました。これまでは思いを込めて叫びすぎたと。もちろんそういう曲も素敵なんだけどね」と今後の展望を明かした。

米津玄師が作詞作曲およびプロデュースを手がけた「まちがいさがし」がカルテットによる壮大なアレンジで披露されたところで、菅田は「ずっと(カルテットと)やりたいと言っていたのでやっと叶ってうれしい」と笑顔を見せる。ここで菅田は一旦ステージを降り、ベージュのジャケット姿に衣装チェンジして現れた。彼が意気揚々と「見たこともない景色」を歌い出すも、演奏は一旦中断。ファンにはおなじみのアルコ&ピースの平子祐希が“先生”として現れ、菅田と観客を厳しく指導する。平子主導によるコール&レスポンスで一体感が高まったところで、平子は満足げな表情で退場。再び「見たこともない景色」の演奏に突入し、オーディエンスは大合唱で平子による指導の成果を見せた。

熱気に満ちたムードを引き継いで、菅田はVaundy提供の「惑う糸」、アッパーな「TONE BENDER LOVE」をはつらつとパフォーマンスし、オーディエンスのテンションをさらに引き上げる。アコギを手にした菅田が、日本テレビ系ドラマ「トドメの接吻」の主題歌「さよならエレジー」の印象的なイントロを爪弾き始めると歓声が上がり、会場の盛り上がりは最高潮へ。続く「いいんだよ、きっと」で菅田はエレキギターに持ち替え、気持ちよさそうにかき鳴らした。

終盤に届けられたのは未発表の新曲で、Sundayカミデがプロデュースを手がけた「美しい生き物」。繊細で美しいメロディに透明感のある菅田の歌声が重ねられ、オーディエンスはゆったりと体を揺らして演奏に聴き入った。本編最後には再び「クワイエットジャーニー」が披露され、菅田とKNEEKIDSは場内にノスタルジーな余韻をもたらしてステージをあとにした。

アンコールではゲストとしてCreepy Nutsが登場。菅田はCreepy NutsとともにTHE HIGH-LOWSのカバー「日曜日よりの使者」、そして「サントラ」とCreepy Nuts × 菅田将暉名義の楽曲をパワフルにパフォーマンスし、2人を「またやろうね。お寿司行こうね。……奢ってね」と茶目っ気のあるひと言で見送った。彼は最後に「一番最初に作った曲です」と紹介して「ゆらゆら」を歌唱。満ち足りた表情で歌い上げ、映画のエンドロール後のような静謐さで場内を包んで初の武道館公演の幕を下ろした。

「菅田将暉 LIVE TOUR “クワイエットジャーニー” In 日本武道館」2023年2月14日 セットリスト

01. クワイエットジャーニー
02. ゆだねたギター
03. ソフトビニールフィギア
04. 八月のエイリアン
05. 愛と右脳
06. りびんぐでっど
07. キスだけで
08. 虹
09. ラストシーン
10. つもる話
11. ギターウサギ
12. まちがいさがし
13. 見たこともない景色
14. 惑う糸
15. TONE BENDER LOVE
16. さよならエレジー
17. いいんだよ、きっと
18. 美しい生き物
19. クワイエットジャーニー
<アンコール>
20. 日曜日よりの使者
21. サントラ
22. ゆらゆら