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「もう怖いものはありません」NCT DREAMが踏みしめた初ドームの舞台、最終公演直前に語った7人の絆

音楽

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ナタリー

NCT DREAM(撮影:田中聖太郎)

NCT DREAMの日本ツアー「NCT DREAM TOUR ‘THE DREAM SHOW2 : In A DREAM’ - in JAPAN」の追加公演が、昨日2月19日に大阪・京セラドーム大阪で千秋楽を迎えた。

昨年11月から12月にかけて、約2年半ぶりの日本ツアー「NCT DREAM TOUR ‘THE DREAM SHOW2 : In A DREAM’ - in JAPAN」を実施したNCT DREAM。今回のドーム公演はこのツアーの追加公演という位置付けで、2月17日より3日間にわたって開催された。本稿では、最終日である2月19日公演の様子をレポートする。

開演時間を少し過ぎた頃、ステージ上部のモニターにメンバー7人の顔が映し出された。モニタに映るNCT DREAMが、今回のツアータイトルにある「In A DREAM」にちなんで、「夢」について仲睦まじく語り合う中、「ここに集まったNCTzen(NCT DREAMファンの呼称)に僕たちの“夢”を見せてあげるのはどう?」「NCTzen、準備はいい?」「それでは皆さん、目を閉じてみましょうか。今から10秒間、一緒にカウントダウンをしてみましょう」と会場に語りかけ、会場にいるNCTzenとともに「10、9、8……」とカウントダウンをスタートさせる。カウントの終了と同時に場内は暗転。京セラドームに集った4万人のファンの期待が渦巻く中、メインステージの下部から透明ボックスがせり上がり、それらの中からメンバーたちが姿を見せた。7人は一歩一歩踏みしめるような足取りでセンターステージへと歩を進め、「Let's go!」という高らかなシャウトを合図に「Glitch Mode(Japanese ver.)」で千秋楽公演の火蓋を切って落とした。前回のアリーナ公演とは異なり、観客による公演中の声出しが可能となった本公演。一糸乱れぬメンバーたちのダンスに呼応するように、会場のNCTzenも、楽曲に合わせた息ぴったりのコールで彼らのステージに華を添えた。

カリスマ性あふれるステージを終えた7人は「今日もやっぱりすごい熱いですね!」「本当に大勢のNCTzenの皆さんがこの会場をいっぱいにしてくださいました!」と感慨深げに客席のペンライトの海を見渡した。ヘチャンが「僕はたった1人のためにステージに立ちます。その方は……まさに君!」とロンジュンを指差し彼をときめかせる一幕もありつつ、メンバーたちは1人ひとり今回のライブに懸ける意気込みを述べた。リーダーのマークは「皆さん、本当に本当にありがとうございます!」と日本語で挨拶したのち、ライブビューイングや配信で公演に参加するNCTzenに向けて流暢な英語で挨拶。ロンジュンも「世界各国で僕たちを見に来てくださっている皆さんにも感謝を伝えたいです」と続け、「今日は天井が割れてしまうくらい、思いっきり楽しませることを約束します!」と小指を立ててみせた。そんなロンジュンの様子を見て、我先にと小指を絡めに行ったジェノは、挨拶中、メンバーに促されるまま大胆に背中を露出させたセクシーな衣装を見せつけ、客席の悲鳴を引き出した。ジェミンは「皆さんのうさぎちゃんと猫ちゃん、ジェミンです!」「かわいい皆さん、来てくださってありがとうございます」とうさ耳と猫耳のジェスチャーを交えながら、彼らしい口ぶりで自己紹介してオーディエンスをメロメロに。チョンロは「今日もベストを尽くしてクレイジーに遊びましょう」と目を細めて笑顔を弾けさせた。観客に向けて「皆さんと一緒にいる時間が夢みたいです」「一緒に夢の中に行きましょうか! 皆さん、おやすみなさい」と声をかけてオープニングトークを締めくくった7人は、そのまま中央に設置された円柱上のステージへ。ゆっくりと回転する円形のステージに所狭しと身を寄せ合い、そのまま「Dreaming」のステージへとつなげた。

MCではチソンが「一目惚れだったんだ」という胸キュンセリフを客席に向けて繰り出すシーンも。イタズラな笑みを浮かべたヘチャンから「昨日はなんて言ったんだっけ?」と昨日の公演で披露された胸キュンセリフを再現するよう煽られると、「昨日すべてを出し尽くしたせいか、何も覚えていないんです」と華麗にかわす。しかしヘチャンはその返答すらお見通しだったようで、「そんなことかと思って、プロンプターで用意しました!」とセリフが記載されたカンペを指差し、「君じゃなきゃダメなんだ」という甘いセリフをチソンから引き出し会場を盛り上げた。なおその後チソンは、無茶振りをしたヘチャンに対して「また君に会えるなんて、夢みたい!」という胸キュンセリフを言うよう仕向け、仕返しを果たした。

2016年、メンバー全員が10代半ばでデビューしたNCT DREAM。「My First and Last」をはじめとした“初恋4部作”が披露されたミュージカル調のステージでは、1stアルバム「The First」当時の髪型や衣装を再現した7人のダンサーたちとステージを展開し、“幼い頃のNCT DREAMと競演”する粋な演出も。またボーカルメンバーであるロンジュン、ヘチャン、チョンロによる「Sorry, Heart」、ラップメンバーであるマーク、ジェノ、ジェミン、チソンによる「Saturday Drip」のユニットステージを経て披露された「Quiet Down」では、ボーカルメンバーが閉じ込められた3つのガラスケースにラップメンバーの4人が体を寄せて妖艶なステージを展開した。マークはロンジュンの、チソンとジェミンはチョンロの、ジェノはヘチャンのガラスケースに密着しながら、7人は妖艶なステージを繰り広げて観客の視線を釘付けに。そこから間髪を入れずに披露された、NCT DREAMらしい希望にあふれるポップなナンバー「Better Than Gold」で会場の空気は一変。7人全員でステージを駆け巡り、会場を幸せな空気で包み込んだ。

その後もバックステージで荒々しく踊り狂う「Diggity」、スモークが噴出する“消化器”を振り回し大暴れする「Fire Alarm」から人気曲「BOOM」まで畳みかけ、ノンストップでステージの熱狂を煽り続けたNCT DREAM。2月8日にリリースされた日本デビュー曲「Best Friend Ever」も披露され、最後は「Hot Sauce」で本編を盛大に終えた。「待っていてくれてありがとうございます。アンコール、Let's Go!」とスタートしたアンコールステージではサプライズ演出が。客席を背にした写真撮影のパートで会場が暗転し、彼らにとって初のドーム公演をプレイバックする映像がサプライズで流れた。メンバーたちが予期せぬサプライズ演出に驚くあまり言葉を失ってその場にフリーズする中、NCTzenは「NCT DREAM is my “Best Friend Ever”」と書かれた紙のスローガンを一斉に掲げるサプライズを重ね、メンバーたちをいっそう感激させた。会場がしんみりとしたムードに包まれる中、そのままメンバーたちは1人ずつ3日間のドーム公演を終える心境を述べた。

「今日は感謝の話をしたい」と口を開いたのはジェノ。NCTzenに感謝するとともに「僕はNCT DREAMになれてとても幸せで、本当にありがたいと思っています」とメンバーに視線を送った。ジェミンは「2023年にこんなにかわいい素敵な思い出を作ってくださって、心からありがとうございます。なんと言いますか、皆さんがいなければコンサートは成立しません。正直に言うと、ダンスをしているときやリハーサルをしているときなど、結構きついんです。なぜなら、皆さんがいるのといないのとでは天と地ほどの差があるからです。皆さんのおかげで、本当に本当に幸せでしたし、最後は危うく泣きそうになりました」、マークは「僕も本当にたくさんのことを考えたんですが、皆さんさえいてくださったら僕たちは何も恐いものはありません」「僕も(この公演を)忘れないので、皆さんも忘れないでください。オーケー? 皆さんがいればどんな困難も乗り越えられます」とそれぞれしみじみとした表情で述べた。その後もヘチャンらが仲宗根梨乃をはじめとしたスタッフに言及して笑顔で感謝を述べる中、ひときわ目を潤ませていたのはチソン。「さっきロンジュン兄さん、ヘチャン兄さんの感想を聞きながら思ったんですが、本当に、今この瞬間が不思議であると感じます。昔のこともいろいろと思い出しました。2019年だったと思うんですけど、ホールに来てコンサートをしたことを思い出しました」と目頭を熱くさせ、「この3日間、これからの僕が人生を歩んでいくための力を皆さんからいただいたような気がします」と言葉を紡ぐと、会場は大きな拍手で彼を包み込んだ。

新たなカバー楽曲のリリースや、「今日の夜、インスタライブで会いましょう!」と、ドーム公演後の“後夜祭”の実施を予告するなど、最後までNCTzenを喜ばせたNCT DREAM。ラストはアンコール衣装にカラフルなグローブを装着してダブルアンコールに登場し、「CANDY」をしゃかりきに歌い踊ってフィナーレまで駆け抜けた。「皆さん忘れないで、風邪に気をつけてください!」とマークが叫ぶと、7人はぎゅっと体を寄せ合って会場を一望。全員で大きく手を振り、グループ初のドーム公演の幕を閉じた。

なおNCT DREAMは、千秋楽公演の直前に報道陣への囲み取材に応じ、17、18日のドーム公演の感想や、最終公演を目前に控える心境などを語った。4万人を前にしたステージの感想を尋ねられると、ジェノはオープニングステージに向けて乗り込むエレベーターから見える、NCTzenのペンライトの海に圧倒されると話す。「本当に天井に届くくらいペンライトが見えるので緊張もするんですけど、一方で、本当に胸が熱くなりました。これほど多くのファンの皆さんが貴重な時間を割いて僕たちのコンサートに来てくださることは本当にありがたく、幸せなことだと思っています」と噛み締めるように説明した。日本のNCTzenに驚かされたことについて質問が飛ぶと、ロンジュンは「日本のファンの皆さんはずっと立ちっぱなしで見てくださっているのがとても印象的です」と話し、「少し心配になる気持ちもありますが、僕たちは皆さんが疲れをまったく感じないような、楽しいコンサートにできるよう準備をしてきました」と続けた。

マークを含む“7DREAM”でツアーを行っていることについて、チソンは「7DREAMでのツアーは昔からの夢だったこともあり、エネルギーにあふれていると感じます。ホテルにいても気分がいいですし、絶えず楽しいです」と笑顔を見せた。また、昨年韓国・ソウルで開催された「NCT DREAM TOUR [THE DREAM SHOW2]」にて、マークが6人に向かって感謝を述べた場面について話題が及ぶと、マークは当初2日間あるソウル公演の最終日にメンバーに向けて感謝のメッセージを伝えることを心に決めていたと話す。「僕たち7DREAMの初めてのコンサートというだけでもドラマチックなのですが……コンサートを実現させるまでに紆余曲折もたくさんありました。そして、僕個人としてもコンサートの準備をしながらつらいことがたくさんありました」と前置きしたのち、「エンディングコメントのときには、もうすごく感情も高まっていて。僕はメンバー1人ひとりに感謝の気持ちを表現したいと常々思っていたので、あの瞬間も、メンバーには言わずにこっそり準備してそれぞれに感謝を伝えたいと思っていました」と当時の心境を明かした。そんなマークについてチョンロは「とってもかわいいと思いました(笑)」とにっこり。「なぜこんなにも心がきれいなんだろうと思いました」と本人に伝え、それを見たほかのメンバーたちも軒並み頷き彼に同意してみせる。続けてチョンロは「マークさんとヘチャンさんはNCT 127でもがんばって活動しながら、これまでやってきましたよね。(2人は)NCT DREAMとして活動するときにも、本当にエネルギーを注いでくれます。僕たちみんながつらいときも、それをわかってくれたうえで一緒にがんばってくれているのでありがたい気持ちにもなりますし、だからこそ、僕たちも努力してここまでがんばってこられたと思います」とコメントした。

NCTzenとの絆、そしてメンバー同士の絆がテーマの楽曲「Best Friend Ever」にちなんで、メンバーとの絆を感じたエピソードを尋ねられると、へチャンは、メンバー全員で話し合う“団体会議”を定期的に行っていることについて言及。「僕たちは、もう10年くらい一緒にいます。やはり子供の頃から一緒にいたので喧嘩することもあったし、いろいろなことがたくさんあったのですが、お互い困っていることや大変なことがあれば、団体会議で都度話し合い、ここまで駆け上がってきました」と話した。今回のドーム公演前にも団体会議は行われたそうで、「公演に向けた心構えや、今後ドーム公演をしたりさまざまなツアーを回ったりするためのマインドについてもたくさん話し合いました」と明かした。真剣な眼差しで報道陣の質問に真摯に答える7人だが、「お気に入りの大阪グルメ」について尋ねられると、途端に表情が和らぐメンバーたち。中でも、「すき焼きです。すき焼き、本当に美味しいです」と、日本語で誰よりも早く回答したのはチョンロだった。「大阪のすきやきは、ほかの地域のすき焼きと違うと思っているんです。ちょっとお砂糖がまぶしてあって味が違っていて、格別に美味しいと思いました」と分析したのち、「A5ランクの和牛が本当に美味しかったです」と最後に付け加えた。

NCT DREAMならではの強みについて尋ねられると、マークは「たくさんありますが、僕たちにしかないストーリーがあることは強みだと思います。これは練習室で作られるものでも、物理的に作れるものでもありません。7人の運命が交わって、1つの特別なストーリーが作られていますね。ファンの皆さんとの絆を深める1つの要素にもなっていると思います」と自信を見せる。「これからもいい音楽やファンの皆さんとの触れ合いを通じて、時代にとらわれない、僕たち7DREAMのストーリーを歩み続けていきたいです。これはほかのグループと競い合うということではなくて、僕たち自身のストーリーを刻み続けていきたい、ということです」と語った。メンバー全員が20代となった今、10代の頃から成長した部分について問われるも、「僕たちはまだ成長していません」とはにかんだのはジェミン。「僕たちは『Chewing Gum』を歌っていたあのときと変わっていない気がします。もちろん、ステージや実力の面では成長して力を伸ばしている部分もあるかと思いますが、僕たちが話している姿を見て聞いていただけたら、あまり変わっていないことがわかると思います。子供の頃から7人一緒にいるので、当時の姿のまま、10年近く経った今も雰囲気は変わっていません。メンバー同士で交わす会話も、当時と同じような内容なんじゃないかと思います」と説明し、最後には「(NCT DREAMには)誰よりもかわいくて愛らしいところがあると思います。よろしくお願いします!」と茶目っ気たっぷりに結論づけ、会場を和ませた。

そんなジェミンは、最後に京セラドームでの千秋楽公演に向けて「僕がいつも言っていることなんですけど、健康には気をつけてくださいね。そして暖かい服を着て(会場に)来てほしいです。それから、ご飯もしっかり食べてください。具合が悪くなったなと思ったら、すぐに病院に行ってくださいね。とにかく健康が一番大事ですし、具合が悪くなったら何もできないので。NCTzenの皆さんは僕たちにとって大切な存在なんです」とNCTzenに愛ある気遣いを見せたのち、「皆さんにたくさんのエネルギーをお届けしたいと思っているので、僕たちの楽しくて熱いエネルギーを受け取ってほしいです」と話し、会見を締めくくった。