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【イベントレポート】中村鷹之資、歌舞伎座で上演中の『船弁慶』舞台で感じた思いを語る

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ぴあ(アプリ)連載「ゆけ!ゆけ!歌舞伎“深ボリ”隊!!」presents『船弁慶』中村鷹之資トークイベントが2月15日(水)、東京・東銀座の歌舞伎座ギャラリー内、木挽町ホールにて開催され、この日の主役である中村鷹之資が出席。同連載ライターの五十川晶子氏を聞き手に、父・五世中村富十郎の十三回忌追善狂言として、歌舞伎座「二月大歌舞伎」第二部にて上演されている『船弁慶』に挑む意気込み、作品の魅力や実際に歌舞伎座の舞台で感じた思いを語った。

新歌舞伎十八番のひとつで、能の「船弁慶」を題材とした松羽目物の舞踊劇。ひとりの俳優が、前半では静御前の愁嘆の舞、後半では平知盛の霊の迫力を見せる、女方と立役の踊り分けが見どころとなる本作。現在、歌舞伎座での公演真っ只中の鷹之資は、「追善の舞台で父が当たり役としていた『船弁慶』を、ましてや歌舞伎座で勤めさせていただくのは本当にありがたいこと。いろんなことを感じながら、日々舞台に立っています」と心境をコメント。改めて「本当に大曲だと身に染みている」といい、「毎日が真剣勝負ですし、一日が終わるたび『精根使い果たすとは、このことなんだ』とひしひし感じている」と手応えを示した。「家に帰って、お風呂に入ると、ポカ~っとなりますね」と素顔ものぞかせ、会場を和ませる瞬間も。

静御前という役どころについては「隠しても隠しきれない“香り”が出てきてしまう、魅力のある人物」と分析し、「お能から来ている役柄ですし、あまり生々しくなってもいけないし、かと言って、何もしないのつまらない。そのせめぎ合いが、難しいですね。下手に小手先で演じてはいけない」と試行錯誤の日々。富十郎が勤めた『船弁慶』の映像(1990年2月の歌舞伎座公演)を観ながら、「父もいろいろなことを考えながら、演じていたんだろうなと。ご覧になる皆さんの想像で、物語が膨らんでいく部分もあるので、なかなか断定はできないですが、だからこそ、何十年もかけて作っていく意味があるのだと思う」と話していた。

静の「壺折」と呼ばれる衣裳は、富十郎から受け継いだもので、「自然と温もりというか、安心感を覚えますね。見守ってくれているのかなって。追善ですし、父を思い出していただけるとうれしいですね」としみじみ。舞台上で知盛が手にする長刀は「長さが2メートルくらいあって、扱いも大変」だと明かし、「知盛は武芸に優れた人ですから、使い慣れているように見せないといけない。それに歌舞伎座の大きな舞台なので、大きく使わないと。ただ力強く使うのではなく、鋭く使う部分もある」と苦労を語った。

トークイベントの後半では、来場者の方々からの質問に応える形で、さらなる思いを“深ボリ”。幼少期から習っていたお仕舞が与える影響について問われると、「(片山)幽雪先生には、手取り足取り教えていただき、本当にありがたかったですね。特におっしゃっていたのは、足の出し方。まずはまっすぐ歩く稽古をしなさいと。『船弁慶』は能掛り(能を模倣して演じる歌舞伎)ですから、今まさに『なるほど』と思うことばかり。私にとっては財産です」と先人への敬意を新たにした。

同時に、伝統芸能に関わる同世代にも刺激を受けているといい、野村萬斎の子息・裕基との交流も明かした。「去年の『釣狐』を拝見して、会場の熱量も含めて、これが芸の継承なんだと感銘を受けました。同い年だからこそ、ざっくばらんに語り合える仲間でもあるし、そういう存在はうれしいですね」(鷹之資)。

イベント最後には撮影タイムも

トークイベント前日(2月14日)がバレンタインデーだったことにちなみ、チョコレートに関する話題も飛び出し、チョコレートが公演中のエネルギー源になっていると明かすなど、約1時間のトークイベントは終始和やかなムード。「こうした対面のイベントは久々で、うれしく思います」と笑顔を見せる鷹之資は、「父が愛し、長年研究した『船弁慶』を多くの方に見ていただければ」と締めくくった。

「二月大歌舞伎」は2月25日(土)まで東京・歌舞伎座にて。『船弁慶』は第二部で上演。

■中村鷹之資 プロフィール
1999年4月11日生まれ。人間国宝五世中村富十郎の長男。2001年4月歌舞伎座『石橋(しゃっきょう)』の文珠菩薩で初代中村大を名のり初舞台。’05年11月歌舞伎座『鞍馬山誉鷹(くらまやまほまれのわかたか)』の牛若丸で初代中村鷹之資を披露。13年より自身の勉強会「翔之會」を主宰している。

取材・文・撮影:内田涼

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