「STAYの声が聞きたかったんです」Stray KidsとSTAYが“最高のSOUND”響かせたドーム公演が終幕
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Stray Kids(撮影:田中聖太郎)
Stray Kidsの日本単独公演「Stray Kids 2nd World Tour "MANIAC" ENCORE in JAPAN」が、昨日2月26日に大阪・京セラドーム大阪にて千秋楽を迎えた。
本公演は昨年より開催されている、世界18都市42公演を巡るStray Kidsのワールドツアーアンコール公演。11、12日に埼玉・さいたまスーパーアリーナ、そして25、26日大阪・京セラドーム大阪で計4公演行われた。本稿では、26日の千秋楽公演の様子をレポートする。
開演時間を過ぎた頃、メインステージに設置された禍々しい円盤状の巨大なステージセットが上空に引き上げられ、Stray Kidsが姿を現す。8人は、STAY(Stray Kidsファンの呼称)で埋め尽くされた客席をまっすぐと見据えたのち、ワールドツアーを象徴する楽曲「MANIAC」でライブの火蓋を切って落とした。頭部に手を置くアイコニックなポーズで曲を終えると、そのままメンバーたちは不敵な笑みを浮かべながらシンクロダンスを繰り広げ「VENOM」につなげた。「Red Lights」では、8人それぞれが、ステージ上空に位置するセットに続く紐がつながれた首輪を装着。動きが制限される中、鬼気迫る表情やこれでもかと感情が込められた歌声で楽曲の世界観を十二分に表現し、迫力あるパフォーマンスでSTAYを魅了した。
オープニングのブロックを終えると、「STAY、ただいまー!」と声をそろえ、弾けるような笑顔で挨拶をしたメンバーたち。ハンが「ごはん食べましたかー?」と大きな声でSTAYに質問を投げかけた際にすかさずリノが「ごはん食べてない人、叫べー!」とシャウトし観客のリアクションを求めるなど、隙あればSTAYの歓声を引き出そうとする。京セラドームに集ったSTAYもまた、彼らの期待以上のリアクションを届け、8人と相思相愛である様子を見せた。「ホンマに今日は最後まで頼むで!」と大阪弁で頼もしく挨拶したリーダーのバンチャンが、「僕たちはパフォーマンスまで想像しながら曲作りをしていますが、それがこんなにも大きい会場でこうやってリアルになって夢が叶うと感動します。今日は今までのMANIAC公演の集大成を皆さんにお見せします!」と宣言すると、STAYは大きな拍手と歓声で期待感を表現した。
トークパートでは親近感を沸かせる姿を見せたStray Kidsだが、楽曲がスタートすると、眼差しから佇まいまで、まとう空気感をガラッと豹変させる。STAYをひときわ熱狂させたのは「Thunderous」で始まったブロック。ヒョンジンによるソロでの舞踊でパフォーマンスが始まると、ステージのせり上がりからバックバンドが合流する。そしてチャンビンが「STAY、俺様の名前はなんだ!」と叫ぶと、STAYは「ソ・チャンビン!」と負けじとシャウト。全力で彼の名前を叫ぶSTAYを見たチャンビンは、満足げな表情でニヤリと口角を上げたのち自身が得意とする高速ラップを畳みかけ「Thunderous」のオープニングへとつなげた。間奏で8人は大勢のダンサーたちを引き連れ、貫禄を漂わせながらセンターステージに続く花道を闊歩。そのままセンターステージの中央がせり上がり、ステージのあちこちから火花が噴出する中、フルスロットルで人気曲を歌い踊ってSTAYを圧倒した。代表曲の1つ「God's Menu」でもその激しさは健在で、バックバンドの演奏によっていっそう荒々しさが増した楽曲を、キレのあるダンスで表現した。
ライブでは、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックスが「Muddy Water」、バンチャン、リノ、スンミン、アイエンが「Waiting For Us」を披露するユニットコーナーも展開された。各ユニットによるMCの時間も設けられ、ヒョンジンが未公開楽曲をお披露目したのちに「いつかSKZ-RECORDにアップしようと思います」と予告してファンを喜ばせたり、スンミンが「STAYの初恋はいつですか? 誰ですか? スンちゃん?」と茶目っ気を見せてSTAYを沸かせたあとに、宇多田ヒカルの「First Love」を歌い上げる場面も。平井堅の「瞳をとじて」で美声を響かせ、大きな拍手を浴びたアイエンは、一瞬照れたそぶりを見せながらも「歌はいつも僕の心をドキドキさせてくれます」と満面の笑みを浮かべた。またリリース間もない「CASE 143」の日本語バージョンが披露された際には、「1, 4, 3 I LOVE YOUじゃなくて、“大好き”でお願いします!」とSTAYにリクエストして、日本ならではのコール&レスポンスを展開。STAYによる「大好き!」コールを浴びたStray Kidsは「超かわいい!」とにっこり。その後も「Hellevator」「TOP -Japanese ver.-」「Victory Song」をノンストップで歌い踊り本編を華やかに終えた。
「行こうぜー!」という言葉を合図にスタートしたアンコールで8人は、「Stray Kids」と書かれた黒い旗をなびかせたトロッコに乗って再びSTAYの前へ。「Time Out」「Fairytale」「CIRCUS」「SUPER BOARD」「FAM」が畳みかけられると、会場のボルテージはピークに達した。その後興奮覚めやらぬ中、8人はドーム公演を終える心境をそれぞれ語った。
スンミンは「昨日、ふとステージの中央からSTAYでいっぱいの景色を見たとき、本当に感動しました。ドームで公演することは決して簡単なことではないので、それを僕たちが成し遂げていることは不思議で、感謝の気持ちでいっぱいです」と率直な心境を述べる。ヒョンジンは「昨日と今日のSTAYの歓声は、今まで経験したことがないものでした。まだ僕の耳にはっきりと残っています」「自分の体内の幸せパワーがいっぱいになって、自分ができるもの以上をお見せしたと思っていたのに、上には上がありますね。今日はさらに限界を超えました。愛の力ってすごいですよね? これはすべてSTAYのおかげです」と微笑む。アイエンは「僕は一生ステージに立ち続けていくと思うので、また戻ってきます」と宣言。フィリックスは「時間を気にすることなく皆さんと過ごしたいなとも思いますが、限られた時間だからこそ、この瞬間がとても大切です。STAYといる時間の1分1秒でも無駄にしたくないからです。それくらい、皆さんは僕にとって大切な存在です」とまっすぐな眼差しでSTAYへの愛を語った。
ハンは「日本で公演ができなかったり、皆さんに会えなかったりした日々を乗り越えて、こんなにも多くのSTAYに会えることで、毎日幸せな気持ちで過ごしています」としみじみコメント。そして「STAYのためなら、僕は何にでもなれます。僕のSTAYへの愛の温度は、炎よりも熱いですよ? 皆さんにこれからも僕の熱い愛を送ります」と宣言した。ほかにもチャンビンがSTAYに“元気に生きるための健康ルーティン”として「1、バランスよく食べること。2、運動には言い訳をしないこと。3、寝ても覚めてもチャンビンのことを思うこと! 僕は永遠にSTAYのセクシートレーナーです!」とレクチャーしたり、リノが「日本に来るとプリンのことばかり楽しみにしていると思われているかもしれませんが、実は一番楽しみにしているのはSTAYに会うことです。STAYの目を見たらキラキラしていて、まるで星みたいですよ。めちゃくちゃきれいです」とチャーミングなコメントをしてSTAYの笑顔を引き出すひと幕も。「うれしいです、ホンマにうれしいです」と誰よりも早く目頭を熱くさせていたのはバンチャン。「僕はホンマに幸せ者です。なぜなら、自慢のメンバーたちがいて、仕事ができるスタッフの皆さんがいて、そして、かわいいかわいいSTAYの皆さんがいるからです。皆さん、僕、こんなに幸せでいいんですかね?」と言葉を紡ぎ、「僕たちはいつまでも初心を忘れず、皆さんに身近に感じてもらえるように日々努力をしています。だから、僕たちのことをこれからも温かく見守ってください」と語りかけた。
STAYたちのすすり泣きがあちこちから聞こえる一方、メンバーたちは涙をグッと堪えて「最終日なので写真撮影しましょうか!」と観客との写真撮影の準備を進める。8人が客席を背にモニタのほうを向くと、会場が暗転し、今回のワールドツアーの日本公演を振り返る映像がサプライズで流れ出す。STAYが、映像で流れる楽曲に合わせてコーラスを重ねて彼らへのサプライズに華を添えると、メンバーたちの目からは堪えていた涙がこぼれ出す。観客からの「スキズ!」コールに包まれながら、立ち上がれなくなるほど涙を流したチャンビンに向けて、目を潤ませたメンバーたちが手を差し伸べるシーンも。彼らが「STAYの声が聞きたかったんです」と声を絞り出した際には、STAYは盛大な拍手と歓声でこれに応え、彼らへの愛を表現した。
Stray Kidsは「Haven」でアンコールを終え、ライブが終了したかと思わせて「MIROH」でダブルアンコールをスタート。「皆さん、踊りましょう!」と叫び、8人は花道を全力でダッシュしエネルギーを爆発させる。Stray KidsもSTAYも、まるで会場がダンスフロアであるかのように音楽に身を任せて踊り狂いフィナーレへ。4時間にもおよぶ「Stray Kids 2nd World Tour "MANIAC" ENCORE in JAPAN」の幕を閉じた。
「Stray Kids 2nd World Tour "MANIAC" ENCORE in JAPAN」2023年2月26日 京セラドーム大阪 セットリスト
01. MANIAC
02. VENOM
03. Red Lights
04. Easy
05. ALL IN
06. District 9
07. Back Door
08. Charmer
09. Lonely St.
10. Side Effects
11. Thunderous
12. DOMINO
13. God's Menu
14. CHEESE
15. ROCK + YAYAYA
16. Waiting For Us
17. Muddy Water
18. THE SOUND
19. CASE 143 -Japanese ver.-
20. Hellevator
21. TOP -Japanese ver.-
22. Victory Song
23. Time Out
24. Fairytale
25. CIRCUS
26. SUPER BOARD
27. FAM
28. Star Lost
29. Haven
30. MIROH