石濱匡雄とU-zhaan、“鯉”で郡山とインドをつないだ2日間「ベンガル料理にコイして。Vol.2」
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石濱匡雄とU-zhaanによるインド古典音楽ライブの様子。
シタール奏者の石濱匡雄とタブラ奏者のU-zhaanが出演するイベント「ベンガル料理にコイして。Vol.2」が、2月25、26日の2日間にわたり福島・郡山市立中央公民館および郡山公会堂で開催された。
「ベンガル料理にコイして。」は鯉の養殖が盛んな郡山市が、鯉食を広めるために昨年初開催したキャンペーンイベント。インドのベンガル地方で鯉がよく食されるという共通点から、ベンガル料理に精通した石濱とU-zhaanが第1回に引き続き講師を務め、料理教室やトークライブで鯉の魅力を広く紹介した。
1日目「石濱匡雄×ユザーン 極上のベンガル鯉カレー料理教室」
石濱とU-zhaanが講師を務める料理教室には、石濱が一度に教えることができる限界だという定員の23名が参加。調理メニューは「鯉と野菜のジョル」「レンズ豆のスープ」「キャベツのバジャ」という3品で、石濱が実際に23人分を調理しながら、食材やスパイスの説明をしたり、作り方のコツをレクチャーしたりしながら進行していく。参加者は調理工程の一部を手伝いながらメモを取り、質問を投げかけるなど熱心に取り組んでいた。日本の鯉料理というと「甘露煮」や「鯉こく」といった煮物が多いが、今回作る鯉のジョルでは切り身をまず素揚げする。その理由について石濱が「魚の臭みを抜くのと、煮崩れを防ぐ効果がある」と説明するとU-zhaanは「このまま食べてもおいしいよ」と参加者にアドバイスし、石濱も「そうする?」と乗り気になるが、ここで食べてしまうと調理が終了してしまうので続行することに。
またジョルとバジャに投入される、日本ではあまり馴染みのないスパイス「ニゲラシード」について石濱が「鉛筆の芯みたいな味」と解説。これに対して「代用できる日本の香辛料はあるのか」と尋ねられた石濱は、「ないなあ。鉛筆の芯でも代用は無理やな」と回答するひと幕も。完成した料理を全員で試食する際には、U-zhaanが本場仕込みの手食をレクチャーするなど、終始和やかな雰囲気の中で教室が終了した。
2日目「石濱匡雄×ユザーン インド古典音楽&トークコンサート ~ベンガル料理が食べたい~」
2日目は前日に石濱が仕込んだ特製の「ベンガル鯉カレー」が、“いい鯉”の語呂にちなみ151食分がキッチンカーで販売された。販売は地元専門学校に通うバングラディシュ人の留学生が協力しており、本場の雰囲気を高めていた。
またこの日は200人限定の無料コンサート&トークイベントが開催された。石濱とU-zhaanによるインド古典音楽ライブには、イベントを企画した郡山市農林部園芸畜産振興課鯉係の小林宇志係長の熱望によりVJ mitchelが参加。波のような模様を描く華やかな映像が2人の演奏と融合し、没入感のある世界観を作り上げた。
トークコーナーには郡山市立芳山小学校の6年生4人が登場。1年間にわたり郡山の鯉について学習してきたという4人は、鯉の好きなところや「鯉のジョル」を作った調理実習の感想などを述べた。さらに児童たちが学習の一環で制作したという鯉のポスターに興味を示したU-zhaanは、中でも一番気に入ったという「推しがいないなら鯉を推せ」というキャッチコピーを紹介。鯉の“推しポイント”として「少し開いたお口」と書かれている目の付けどころを「最高です」と絶賛した。小学生たちが降壇し、最後に石濱とU-zhaanは岩崎良美の「タッチ」をシタールとタブラで演奏してイベントを締めくくった。