由来を教えて!劇団名50 その7 ももちの世界
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次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
7番目に登場するのは、京都を拠点とする劇団、ももちの世界。作・演出を担うピンク地底人3号は、社会の歪みや軋みを精緻に描く真摯な姿勢が魅力の作り手で、2018年にせんだい短編戯曲賞大賞を受賞、2020年にOMS戯曲賞佳作受賞、2021年に岸田國士戯曲賞最終候補作品に選出されたほか、昨年兵庫・神戸アートビレッジセンター KAVCホールで上演された手話裁判劇「テロ」では、演出家としても手腕を奮った。そんな注目の作り手・ピンク地底人3号を軸とするももちの世界は、劇団名の“今後”について、少々不安を抱いているようで……。
ももちの世界(モモチノセカイ)
Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。
ピンク地底人3号が“ピンク地底人”(現在活動休止中)では表現できない作品を発表する場として、ももちの世界を作りました。
劇団名は、もも(ピンク)ち(地底人)の(別)世界という意味です。
それからモモチという苗字に昔から憧れています。
学校のクラスにいるかもしれない、モモチくん、モモチさんみたいな劇団を目指しました。
Q. 劇団の一番の特徴は?
王道であること / オルタナティブであることを両立させている点です。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
ピンク地底人というふざけた名前に比べて、ももちの世界という劇団名は、びっくりするぐらい浸透してないので、浸透させたいです。浸透しないのであれば、あるいは改名も今後、あるかもしれません。
プロフィール
2015年にピンク地底人3号のイマジナリーフレンド、桃地 patric 伸弥の作品を上演する団体として発足。最近の主な舞台に「サバクウミ」、第66回岸田國士戯曲賞最終候補作品となった「華指1832」など。