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西洋の紙上に築かれてきた、自然のすがた・かたちを紹介『自然という書物』3月18日より開催

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ロバート・ジョン・ソーントン『フローラの神殿』より「植物に愛を射込むクピド」 1798-1807年刊 町田市立国際版画美術館

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15世紀から19世紀までの西洋のナチュラルヒストリー(自然誌/博物学)とアート(美術/技芸)のつながりに注目し、書物の挿画などを通じて表されてきた自然のすがた・かたちを紹介する展覧会が、東京の町田市国際版画美術館で、3月18日(土)から5月21日(日)まで開催される。

古代ローマの博物学者・大プリニウスの大著『博物誌』にも見られるように、古くから人間は動物や植物などの自然物や地球上の地勢や地質などを記録してきた。中世ヨーロッパの自然観は、こうした書物の知識と想像力、そして神の存在によって形づくられていたというが、15世紀になると、大きな転換が訪れる。ルネサンスを背景に、実際の自然観察に基づく記述や描写が始まったのだ。16世紀には、学者と画家・版画家の協同による草本誌が刊行され始め、活字と版画などの印刷技術の発達とともに、言葉と絵で描写された自然の似姿が人々の間に普及していく。

大航海時代には、描写される自然の範囲が広がり、また17世紀の望遠鏡や顕微鏡といった光学器械の発明が、肉眼ではとらえられなかった自然にも光をあてるようになる。18世紀には、こうした自然を分類・解剖する時代が訪れ、リンネの『自然の体系』やビュフォンの『博物誌』に見られるように、今日に通じる動植物の分類体系の礎が築かれている。

同展は、こうした流れの中で自然がどのように記述・描写されてきたかを、15世紀から19世紀までの書物とその挿画によってたどるものだ。当初は木版画だった挿画は、精緻さを高めるために銅版画に移行し、やがて多色刷りやリトグラフ(石版画)が普及する。こうした挿画の歴史をたどるとともに、顕微鏡の世界から極地に至るまで、自然物の様々なすがた・かたちを目にできることが、同展の大きな魅力だ。

同展ではまた、自然と美術のつながりにも着目する。自然の造形を活かしたデザイン、自然の絵画的な表現、自然を霊感源としたファンタジックな表現など、自然と美術の多彩なつながりの在り方を紐解く試みだ。書物の中に広がる自然の奥深い世界を、ぜひこの機会に堪能したい。

<開催情報>
『自然という書物 15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート』

会期:2023年3月18日(土)〜5月21日(日) ※会期中展示替えあり
会場:町田市立国際版画美術館
時間:10:00〜17:00、土日祝は17:30(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜
料金:一般 900円、大高450円
※初日3月18日(土)と開館記念日4月19日(水)は入場無料、シルバーデー(毎月第四水曜)の3月22日、4月26日は65歳以上の方は入場無料
※会期中の土日祝日・シルバーデーは町田駅周辺から無料送迎バスを運行
公式サイト:
http://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2023-516

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