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EXILE橘ケンチが日本酒最強バイブルを発売!「“ひとつだけ”では満足できないんです」

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インタビュー

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橘ケンチ 撮影:川野結李歌

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日本酒と出会い、その魅力に取り憑かれ、気がつけば約8年。味はもちろん、酒蔵とそこで働く人々、彼らの手と麹によって生み出される醸造の面白さ、そして日本酒の原料となる米を作る土地にまで想いを馳せるようになった橘ケンチ。いつしか彼は日本酒の深遠な世界をひとりでも多くの人に知ってほしいと願うようになり、それをライフワークとしてきた。そんな彼が満を持して500銘柄の日本酒をすべてテイスティングし、1冊の本にまとめた『橘ケンチの日本酒最強バイブル』(宝島社)が発売された。

“日本酒はその土地の風土と文化を感じることができる”と話すように、彼の言葉を通してそれぞれのお酒の魅力が語られたページをめくっていると、不思議と旅に出たくなるような感覚が湧き上がる。

「日本酒を知るようになって、日本各地の美しさやその土地が持つ魅力をあらためて知ることができました。実はこれが一番大きな収穫だったように思います。最初はその美味しさが魅力だったのですが、各地方の日本酒を楽しむことで、その地で採れた肉や魚、野菜のおいしさに目覚め、さらにはその生産者や料理家と語り合うことで得られる知見はかけがえのないものでした。

日本酒を通して僕の人生はとても豊かなものになったと思います。例えば東京で地方のお酒を飲んでいても、口にする度にその土地で出会った人や、風景が思い浮かぶんです。それに、“この日本酒には、この食材が合うんじゃないかな”と考えるようにもなりました。日本酒に出会う前は、お酒も食事もお腹が満たされればいいかな、程度で考えていました。でも、食べることや食べる時間を幸せと思えることって、人生の豊かさに大きく関わるということを感じるようになり、その感覚をひとりでも多くの人に追体験してほしいと思っています」

日本酒と食の魅力に気がついた今、橘は“麹”という微生物の働きによって生まれる食品にも興味が湧いてきているという。

「日本は発酵大国といわれるくらい、発酵の力を活かした食品があります。日本酒や味噌、醤油やお漬物もそうですよね。これからは日本の発酵食品についても知識を増やしたいという思いがあります。それに、発酵のルーツを持つ他のお酒にも興味があります。ワインもその土地で作られたブドウと、気候などに影響を受けながら発酵してできるものなので、いつか日本酒と同じように旅をしながらワインについて学んでいきたいです。でも、ワインも日本酒と同じように歴史が深いので、また人生をかけて終わりのない旅を始めなくてはいけないですね」

ミュージカルへの挑戦、小説執筆
いろいろなことに挑戦をして、失敗もして

日本酒が新たな世界への扉を開いてくれたように、橘自身も今年はミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』という新しいフィールドでの挑戦を始めている。累計140万部突破の大ヒットコミックが原作の本作は、15世紀のイタリアで“罪の子”と呼ばれながらも、その美貌と才知で政争の混乱にあるヨーロッパの統一を夢見るチェーザレの物語だ。橘は主人公・チェーザレに忠誠を誓うミゲル・ダ・コレッタを演じた。

「ダンサーとしてこれまで舞台に立ってきましたが、まさか自分自身が歌ってステージに立つとは想像もしていなかったので、不安がなかったといえば嘘になります。ただ、元々ステージを観ることは好きでしたし、いつかは挑戦したいという気持ちもあったので、お声がけいただいたときは“今がタイミングなんだ”と腹を括り、錚々たるミュージカルスターのみなさんのお力を借りてトライさせてもらいました」

いつものEXILEのライブパフォーマンスとミュージカルを両方体験し、あらためて発見したことなどはあるのだろうか。

「自分の口でメロディーを奏でて、ステージから観客のみなさんに届けるということがこれほど快感だとは想像もしていませんでした。EXILEのライブでも、ボーカルにしか見えていない世界があるんだろうな、ということを感じられたのは大きな経験です。

また、ミュージカルならではの歌い方を学べたこともよかったです。歌唱指導の先生から“歌うというよりは話して”と言われ、最初はそれが難しかったのですが、徐々に自分の中で感覚がつかめるようになっていくのが嬉しかったですね。新たなことを身につけられたことで、パフォーマーとしての表現の幅が広がったように思います」

今年はミュージカルだけではなく、小説家としてもデビューをした。初めての小説『パーマネント・ブルー』では、ダンスにかける情熱を通し青年たちが現実と対峙する姿と、舞台となる2000年代のクラブカルチャーが鮮やかに描かれる。

「元々本が好きで、いつか小説を書きたいという想いがありました。約3年かけて書いてきたものが、やっと世に出ます。小説を書いてミュージカルのステージにも立ち、日本酒を語り、EXILEのパフォーマーとしてダンスもする……橘ケンチってどんな人だろうと思う人もいるでしょうね。僕自身は一芸に秀でていなくて、ひとつ特出した才能を持っている人に憧れながらも、そうなれないことを知っています。それに僕は“ひとつだけ”ということに満足ができないタイプ。いろいろなことに挑戦をして、失敗もして、それでも時間をかけて成果を出す。僕はそんな人間なんだと思います。今年は日本酒の本、ミュージカル、そして小説と、これまでじっくりと手がけてきたものをみなさんに一度に見ていただける機会になったのではないでしょうか」

500本のテイスティングの中で
特に印象に残った1本は?

2月10日からはEXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023『Twilight Cinema』も広島を皮切りに全国ツアーがスタートしている。ますます橘の活躍から目が離せないが、彼自身はツアーで地方を巡ることで日本酒を楽しむ機会も増えるのだろうか。

「本を見ていただくと分かるのですが、日本全国47都道府県に酒蔵があるので、僕自身もまた新しい出会いに期待をしています。また日本酒は季節によって味わえるお酒も変わります。ぜひみなさんにも、この本を片手に旅をしていただき、訪ねた時期にその地で作られたお酒を現地で飲んでほしいです。産地で味わうと、格別の味がしますから」

ちなみに本誌制作のために500本にも及ぶ日本酒を3日間に渡りすべてテイスティングした中で、印象に残った1本を教えてもらうと「岡山県の赤磐酒造『桃の里 純米あらばしり』」という答えが返ってきた。

「濁りのある少し発泡しているお酒で、衝撃的においしかったです。初めて味わったお酒なのですが、こういう出会いがあるから日本酒の世界から抜けられません。この楽しさをぜひみなさんと本を介して分かち合いたいですね」

ちなみに紹介してくれた“あらばしり”は秋の終わり頃から厳寒の冬を経て、春先まで搾られるお酒だ。もしかするとシーズン的にはすでに手に入りにくいかもしれないが、これからの季節は新酒の冬酒から、うすにごりなどの春酒が楽しめるようになる。日々を彩るひとつの方法として『橘ケンチの日本酒最強バイブル』で日本酒を楽しむ生活を始めてみるのもいいだろう。

取材・文:知野美紀子
撮影:川野結李歌
ヘアメイク:水野明美(HMC)
スタイリング:中瀬 拓外
衣装協力:Paul Smith Limited

『橘ケンチの日本酒最強バイブル』書影

『橘ケンチの日本酒最強バイブル』

宝島社
価格:1,980円(税込)

橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)LDH JAPAN公式YouTubeチャンネル内番組『EXILE橘ケンチのSAKE JAPAN』で本書500本のテイスティングの裏側動画を公開中。

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