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見逃し厳禁の無敗同士の首位攻防戦! 勝利するのは埼玉WKか? S東京ベイか?

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山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ) (C)F.SANO

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注目の首位攻防戦だ。待望の無敗対決である。リーグ最少失点の盾とリーグ最多得点の矛の激突でもある。気の早い話をすれば『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23』プレーオフトーナメントの前哨戦とも言える。『NTTリーグワン2022-23』第10節で首位埼玉ワイルドナイツが2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎え撃つ。

“逆転のワイルドナイツ”は今季も健在。東芝ブレイブルーパス東京との開幕戦、続く静岡ブルーレヴズ戦、第6節・横浜キヤノンイーグル戦など、あわや黒星かと思われた試合でことごとく逆転勝利。『NTTリーグワン2022-23』でも無類の勝負強さを発揮している。

とくに横浜E戦は神懸っていた。5分WTB竹山晃暉が巧みなショートパントを自らキャッチし先制トライを奪うと、SO松田力也のCGも成功。5分後には南アフリカ代表SHファフ・デクラークにトライを返されるも、CGは失敗。その後もごつごつしたフィジカルバトルを繰り広げ、埼玉WKが7-5で前半を折り返した。

後半早々に竹山が再びショートパントからトライを獲得し14-5となるも、その直後横浜Eの秘策が飛び出す。ゴール前でFKからFLコーバス・ファンダイク、デクラーク、FBエスピー・マレーとボールをつなぎ、インゴールへ侵入。CGも決めて12-14とした。34分にはアマナキ・レレイ・マフィに代わって出場したNo8シオネ・ハラシリが強引にディフェンス網を切り裂いて逆転トライ、マレーのCGも決まり14-19となった。

ここで2トライの竹山が大仕事をやってのけた。リスタートのキックオフで猛チャージを見せ、ペナルティを獲得。埼玉WKが敵陣にとどまり、最後の猛攻がスタート。モールを止められても、タッチに蹴り出されても、埼玉WKは攻め続け、ついに10フェーズ、PRヴァル アサエリ愛がインゴールにボールを叩きつけて同点。ノーサイドのホーンが鳴った後、松田がCGを通して21-19の劇的逆転勝利を飾ったのだった。

試合後、ロビー・ディーンズ監督が「この経験を経て自分たちはより強くなっていける。自信はなかったが、選手たちを信じていた。この挑戦を乗り越えられると思っていた。結果的に、選手たちが勝利への道を探し出してくれた」と選手を称えれば、坂手淳史主将も「あの時間帯で負けていて、何か特別なことや大きいプレーをして勝てない試合もあるが、今日のワイルドナイツはいつも通りプレーできたことが、最後に点数を取れた要因のひとつだと思う。淡々とプレーを続けて、トライにつなげたことがワイルドナイツの強さだと思う。選手たちが同じ絵を見続けたことが勝利につながった。ワイルドナイツとして一つひとつの仕事をやり抜くよういつも話しているし、最後まで100%でやり続けたことが最後のアタックにつながったと思う」と胸を張った。

横浜E戦を経て、埼玉WKはより安定した戦いぶりを見せている。第7節・グリーンロケッツ東葛に45-0、第8節は花園近鉄ライナーズに41-6、前節はコベルコ神戸スティーラーズを後半突き放した。

10-10で迎えた49分、FB山沢拓也のPGでリードすると、57分ラインアウトモールをHO堀江翔太がトライ。61分には山沢の突破からFBに回った野口竜司がこの日ふたつ目のトライ。68分にはSH小山大輝が抜け出して勝負あり。その後も攻め手を緩めず2トライ、前半にDGを決めた山沢は後半もPG1本とCG5本を全て決めて48-10。埼玉WKが危なげない戦いぶりで全勝をキープした。

堀江翔太(埼玉ワイルドナイツ) (C)F.SANO
野口竜司(埼玉ワイルドナイツ) (C)F.SANO

試合後、次節・S東京ベイ戦のコメントを求められたディーンズ監督はこのように述べた。「S東京ベイはいいチームだと感じているし、たぶん選手たちは対戦をとても楽しみにしていると思う。毎週テストされているような感じだが、S東京ベイもこの試合によりフォーカスを当ててくると思う。昨季はプレーオフ準決勝で戦かったが、その結果を考えてもこの試合にとても集中してくると思う。いい試合になると思うし、できればスタジアムを満員にしたいと願っている」

不戦敗を除いて『ジャパンラグビー トップリーグ』から公式戦42試合無敗、最後の黒星は2018年12月まで遡らなくてはならない埼玉WKが負ける姿はなかなか想像できない。だが、もし負けるとしたら、S東京ベイのデカくて強いFWがぐいぐい押しまくったならば……と想像するラグビーファンは決して少なくないだろう。“ストップ・ザ・ワイルドナイツ”の最右翼は今季8勝1分、勝点2差で首位を追うS東京ベイである。

『NTTリーグワン2022-23』第5節・コベルコ神戸スティーラーズ戦・25-21、第6節・ブラックラムズ東京戦・40-38、第7節・トヨタヴェルブリッツ戦・44-34と際どい試合続きだったS東京ベイだが、バイウィーク明けとなった第8節以降、本来の姿を取り戻した。

第8節・三菱重工相模原ダイナボアーズでは前半こそ13-8と食い下がられたが、後半早々数的有利になると、勝負どころを逃さず一気に畳み掛けた。42分、ドライビングモールから南アフリカ代表HOマルコム・マークスがトライをマークすると、45分にはCTBリカス・プレトリアスのパスを受けたPRオペティ・ヘルが守備網を突破、再びリカスへボールを戻すと、右サイドから中へ切り込んできたFBゲラード・ファンデンヒーファーが交差した瞬間にボールを託し、そのままファンデンヒーファーがインゴールへ。48分はWTB根塚洸雅のゲインからSH谷口和洋がショートサイドを突いて、オーストラリア代表SOバーナード・フォーリー、No8ファウルア・マキシ、再度谷口とボールをつないだ。52分には右サイドのフォーリーが左サイドのWTB木田晴斗へピンポイントキックパス、木田がこの日2本目のトライを決めた。怒涛の4連続トライにフォーリーもCG4本を成功、あっという間に41-8としたのだ。

マルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (C)スエイシナオヨシ

その後、相模原DBも意地を見せてトライを2本返したが、S東京ベイはおつりを付けて3トライ。最後まで攻め手を緩めずに60-22と快勝した。

続く、BL東京戦でも持ち前の爆発力を発揮。5分リカスがタッチ際でトライを決めて先制すると、9分BL東京はPGで返す。5-3で迎えた13分、右サイドへポジショニングした木田がゲインし、根塚がトライ。フォーリーのPGを挟んで24分、リカスのワンテンポ溜めたパスを受けたマークスが守備網を切り裂いてインゴールへ。29分ラインアウトからのロングスローでチャンスメイク、最後はCTBハラトア・ヴァイレアがトライして27-3とした。その後BL東京に2トライ1ゴールを返されて27-15で折り返すと、後半木田が2連続トライ。48分フォーリーのキックパスを相手WTBと同時にキャッチするも木田がボールをもぎ取り、中央へ回り込んでトライ。51分に1本奪われると、59分ハーフウェイライン手前でインターセプトした木田がそのまま独走トライ。その10分後には今度はFBゲラード・ファンデンヒーファーが敵陣10mライン手前からひとりで走り切って44-20。最終スコアは46-27とボーナスポイントも獲得した。

木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (C)スエイシナオヨシ

試合後、フラン・ルディケHCは「先週の試合と同様、80分間を通していいパフォーマンスができた。東芝とは毎回激しい戦いになる。そうした中でしっかりとチャンスをモノにした結果だと思う」と手応えを口にした。出場7試合で11トライを量産するトライランキング2位木田について問われると、「しっかりハードワークができる選手。相手からしたら脅威になる選手だと思う。しっかりと動いている中でトライを取っている。フットワークもよく、スピードチェンジもできる選手なので、相手のディフェンスにとってはマークしにくく、脅威になっていると思う。彼はランも、パスも、キックもできる選手」と評価した。

唯一の3ケタポイント、113得点で得点王争いをリードするフォーリーは次戦・埼玉WK戦に向けて、「エキサイティングなチャレンジになるだろう。試合スケジュールが出た時から、パナソニック戦のことは頭に入っていた。パナソニック戦でもベーシックなこと、細かいところをどれだけしっかりとできるのか。ディフェンスが優れたチームなので、まずは接点で勝ちたい。ゲインラインで勝てないとプレッシャーがかかるので、そこでもベーシックなことをきっちりとどれだけできるか、ハードワークがどれだけできるのか。しっかりとコミュニケーションを取っていけば、いい試合になると思う。自分たちの立ち位置が試される試合になると思う」と笑顔で語った。

バーナード・フォーリー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) (C)スエイシナオヨシ

両軍の試合登録メンバーは以下の通り。
【埼玉WK】
1稲垣啓太、2坂手淳史、3平野翔平、4リアム・ミッチェル、5ルード・デヤハー、6福井翔大、7ベン・ガンター、8ジャック・コーネルセン、9小山大輝、10山沢拓也、11マリカ・コロインベテ、12ダミアン・デアレンデ、13ディラン・ライリー、14長田智希、15野口竜司、16堀江翔太、17クレイグ・ミラー、18藤井大喜、19長谷川崚太、20ラクラン・ボーシェー、21高城佑太、22ヴィンス・アソ、23丹治辰碩

【S東京ベイ】
1海士広大、2マルコム・マークス、3松波昭哉、4ヘル ウヴェ、5デーヴィッド・ヴァンジーランド、6トゥパ フィナウ、7末永健雄、8ファウルア・マキシ、9藤原忍、10バーナード・フォーリー、11木田晴斗、12立川理道、13リカス・プレトリアス、14ゲラード・ファンデンヒーファー、15島田悠平、16スカルク・エラスマス、17紙森陽太、18オペティ・ヘル、19青木祐樹、20ピーター・ラピース・ラブスカフニ、21谷口和洋、22ハラトア・ヴァイレア、23テアウパ シオネ

埼玉WKは松田がメンバー外で山沢とのダブル司令塔はならず、コロインペテは第8節以来の復帰となったが、竹山は戻って来れなかった。一方、S東京ベイはCTB立川主将がスタメン復帰、FLラピースも第8節以来の出番が目され心強いが、ルアン・ボタ&デーヴィッド ・ブルブリングのLOツインタワと根塚の不在が気になる。

果たして、無敗をキープするのはどっちか。『NTTリーグワン2022-23』第10節・埼玉WK×S東京ベイは3月4日(土)・熊谷スポーツ文化公園ラグビーにてキックオフ。試合の模様は日本テレビ(関東ローカル)にて生中継。

取材・文=碧山緒里摩(ぴあ)

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ジャパンラグビー リーグワン 観戦ガイド 2022-23
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