祭nine.が目指す、さらなる高み「新しい伝説をファンのみんなと一緒に作っていけたら」
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ハイテンションなパフォーマンスと、全員が激しいダンス&アクロバットをこなせる身体能力の高さを武器に、精力的な活動を展開するBOYS AND MENの弟分ユニット・祭nine.。3月リリースの2ndシングル『HARE晴れカーニバル』では、念願のオリコンウィークリー1位を獲得。彼らのアイデンティティである和テイストを盛り込んだユーロビート×パラパラという90’sリスペクトな試みを込めた3rdシングル『がってんShake!』で、さらなる高みを目指す。メディア進出の著しかった今年の振り返りや、グループとしての成長についても語ってもらった。(古知屋ジュン)
(関連:祭nine. 3rdシングルに曲提供、湘南乃風 SHOCK EYEがグループを絶賛「僕らの若い頃に似ている」)
■「僕らなりの新しいジャンルを作れた」
ーー少し前の話になりますけど、前作『HARE晴れカーニバル』では念願の“てっぺん”を獲りましたよね。
寺坂頼我(以下、頼我):僕ら祭nine.がテーマとして掲げているのが“てっぺんを獲る”ということだったので、素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。リリイベの3カ月間をいつも応援してくださる祭っ子(祭nine.ファンの相性)のみなさんと駆け抜けてきたので、大きな花が咲いたな! と感動しました。
清水天規(以下、天規):メンバー全員『ボイメン新世紀 祭戦士ワッショイダー』(CBCテレビほか)のドラマの撮影とリリイベ期間がかぶっていて、けっこうタイトなスケジュールの中で大変な思いもしたけど、頑張ってよかった! と思いましたね。
神田陸人(以下、陸人):僕らとしては喉から手が出るほど欲しかった1位でしたけど、ファンの方の支えなしではなし得なかった結果ですから。本当に感謝しなきゃいけないなと感じたと同時に、また新しい伝説をファンのみんなと一緒に作っていけたら、という思いを強く持ちました。
高崎寿希也(以下、寿希也):僕はもう嬉しすぎて、パニック状態だったというか……。自分たちが獲ったということよりも、ファンの方々と一緒に1位を獲れた喜びのほうが大きかったですね。発表のとき、ファンの方々の笑顔を見て涙が止まらなかったです。
野々田奏(以下、奏):発表がサンシャインシティでのイベントのときで、ファンの方々と同時に僕らも聞いたんですよ。ファンの方に見届けられながら1位を獲得できたのも、その場で感謝の気持ちを伝えられたのも、素直に嬉しかったです。
浦上拓也(以下、拓也):僕は人並み程度に嬉しかった……いや、嘘ですね(笑)。奏くんも言いましたけど、僕らとファンの方が同時に同じ会場で発表を聞いたので、喜びを共有できたのが何より嬉しかった。僕たちも素直な感情が出せたし、ファンの方も一緒に嬉し泣きしてくれたり、笑顔で「おめでとう!」って祝ってくれたりする方もたくさんいて、改めてそんな環境の中で1位をいただけたことにすごく感謝しました。
横山統威(以下、統威):念願の1位を祭っ子のみんなと獲れたことは、本当にめちゃめちゃ嬉しかったです。かつ、1位を獲ったからには“てっぺん”にふさわしい活動をしていけるようにこれからもっと頑張らないと、と気持ちが引き締まりました。
ーー今回の『がってんShake!』はホームの東海エリアではなく、関東でのリリイベが多いんですよね。東京でのイベント会場を覗いたら、1st、2ndよりもお客さんがぐっと増えていて。
祭nine. (MATSURI NINE.) / 「がってんShake!」Music Video(Short Ver.)
天規:これまでのイベントは名古屋とか愛知県内中心だったんですけど、今回はいろんなところに行かせてもらってます。関東もそうですし、関西や九州ツアーも回らせてもらって、〈東西南北 津々うらら〉……。
拓也:フフフ(笑)。歌詞カード読んでください。
ーーなるほど! まずはタイトル曲「がってんShake!」の聴きどころ、見どころを教えてもらえますか?
頼我:今再ブームになっているユーロビートのサウンドに、僕らのテーマでもある和のテイスト……これは「嗚呼、夢神輿」も「HARE晴れカーニバル」もそうだったんですけど、この2つを融合させたものになっていて、僕らなりの新しいジャンルを作れたんじゃないかなと思います。僕らのグループ名の“祭”といえばどんな方にも楽しんでもらえるものなんで、いろんな方に愛してもらえるような楽曲をいただけたなと。
ーーユーロビートと、この曲みたいなパラパラのダンスといえば90年代にはてっぱんの組み合わせでしたけど、みなさんはユーロビートに親しみは……?
頼我:僕ら的にはなじみがなかったんですけど、今年は荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」とか、DA PUMPさんの「U.S.A.」が流行ったじゃないですか。だから、すごく新鮮で新しいものとして受け止めました。
ーーちなみに、パラパラは知っていましたか?
天規:そういうダンスがあるって聞いたことがある程度で、みんな知らなかったんですよ。
拓也:これまでずっとお世話になってる(渡辺)美津子先生(美津子ダンスカンパニー)に振りをいただいて、初めて踊ったときはけっこう大変でしたね。僕はリズムを取るのが苦手なので、みんなにも助けてもらって。
陸人:それはダンス全般に問題がないかい!?
■「レコーディングは毎回汗だくになる」
ーー(笑)。祭nine.の歌詞はいつもそうですけど、今回もパワーワードが炸裂してますよね。〈NO MATSURI NO LIFE〉とか、最高じゃないですか?
天規:僕のパートですね!(満面の笑みで)
統威:僕もすごく好きです。クールですよね!
陸人:一見意味がないような言葉の中に、ものすごく深い言葉が隠れてて。
ーーサビの〈人生祭りだよ〉の演歌っぽさもインパクトありますね。さすがテイチク!(所属レーベル)っていう。
陸人:僕ら、(テイチクの)看板背負ってますから(笑)。
天規:あとは〈頼れる男が~〉からの歌詞に、僕たちの名前の頭文字が隠れているのもポイントです。この歌詞をいただいたときに、祭nine.の一員としての意識を大切にしないといけないなって改めて思ったんですよ。どの持ち歌も自分たちにとっては大切なんですけど、この曲は特に“僕たちの曲”っていう気持ちが強いですね。
ーーメンバー紹介ソングの「I’m On Fire!」(『HARE晴れカーニバル』パターンA収録曲)もありますけど、それとはニュアンスが違う感じなんですか?
寿希也:「I’m On Fire!」も僕たちのソロパートがあったりして、お客さんが盛り上がるんですけど、それとはまた違った楽しみ方ができる曲なんです。お客さんがコールできるポイントもたくさんあるし、見る人それぞれに楽しみ方を見つけてもらっているのかなって思います。
ーーなるほど。ちなみに「がってんShake!」の歌い回しについて、プロデューサーからのアドバイスは?
頼我:タイトル曲は祭nine.の看板になる曲でもあるので、祭り感と男っぽさというのは毎回テーマにしていますね。活きのいい若者が祭りを盛り上げる! みたいな感じの男くささの中に、僕らの年齢なりのフレッシュさも出せたらいいよねって。
拓也:そのバランスを取るのが、けっこう難しいなと思いましたけど。
天規:3作目ですけど、レコーディングは毎回苦労してますね。1人ずつブースに入るんですが、終わって出てきたらみんな汗だくだし。
統威:僕、レコーディングのとき絶対上裸で歌いますもん。
頼我:そうなの? 知らんかった……。
拓也:そのあとのブースに僕ら入っとるの? イヤやわ(笑)。
天規:歌詞カードにみんなで歌い回しの注意点とか書き込んでいくんで、最後になると、もはや何が書いてあるのかわからない。でも魂込めながらみんな歌ってます。何事も全力ですから。
ーーそんな大変なレコーディングを経たこの曲ですけど、リリイベでのお客さんのリアクションはどうですか?
統威:僕が編集したんですけど「がってん Shake! 合いの手&パラパラ講座」の動画をチェックして、コールや振りを頑張ってくれる方も多くて嬉しいです。
天規:パラパラはもう覚えてくれている方もいて、ペンライト持ちながら踊ってくれるんですよ。あと、〈てんてんがってんてん!〉の頭をポンポンする振りがかわいいという。
陸人:コールもすごく元気で、祭りっぽく盛り上がってくれてますね。大きな声で参加してくれるので、すごく嬉しいです。
ーー3作目ともなると、なんとなく“祭nine.らしい”楽曲のカラーも定まってきましたよね。
頼我:タイトルだけ聞くと「がってんShake!」ってなんだろう? って感じじゃないですか。それは「HARE晴れカーニバル」もそうだったんですけど。
拓也:共通のトンチキ感というか、あるよね。
頼我:でもそれがグループ名の祭りという言葉が持つパワーじゃないかなって思うこともあるんですよ。世の中にはいろんな祭りがあるじゃないですか。奇祭といわれる祭りだってあるし、祭りという名のもとにいろんなジャンルの開拓もできるんじゃないかって……僕は何を言っているんでしょうか(笑)。
ーーいや、でも突き抜けた感じは強いと思いますよ。サウンドや歌詞、衣装、MVも含めてギラギラしてるというか“かぶいてる”感じが、派手好きな名古屋っぽくもあるなと思いますし。今回の衣装も着物の生地を使ってるそうですけど、前作よりゴージャスになりましたもんね。
寿希也:パワーアップしました。予算の都合で(身頃の)半分だけですけど(笑)。
ーー(笑)。そしてとうとうMVにも名古屋のシンボル・しゃちほこが登場して。
拓也:レーザービームが飛び交ったり、祭神輿が出たりもしましたね。セットがすごかったんで、僕たち自身がビックリしてました。
奏:「HARE晴れカーニバル」でもちょんまげ結いましたけど、今回は学ランにスーツ、忍者姿、花魁姿と衣装も4パターンあります。
天規:こうやって見せ方の方向性がある程度決まってきたからこそ、次の展開も楽しみにしてもらえたらと思いますね。次のシングルで急に来るかもしれないですよ、しんみりした演歌とか。
ーーでも、今の祭nine.なら、アリじゃないですか?
奏:やってみたいですよね。面白いと思います。
ーー前作もバラエティに富んでましたけど、今回もクール系とか曲ごとの振り幅が大きいですよね。4パターンあるジャケ写もカップリングの「ラビリンス9」をフィーチャーしたパターンBなんかはモノクロで意外性もありました。
統威:かっこいいでしょ!? ジャケ買いですね。
天規:「ラビリンス9」は僕らが主演したホラードラマ『FUN HOUSE』(名古屋テレビ)の主題歌なんですが、作品の雰囲気に合わせて、今までとは違うかっこよさを追求した曲です。けっこう人気曲なんですよ。
奏:メンバーが折り重なるようなポーズからスタートするんですが、その立ち位置になるとファンの方が「キャーーー!!!」って言ってくれるんです。振りはマイケル・ジャクソンさんの「Thriller」を意識した感じで、特に間奏部分の首の動かし方とかは、かなりホラーっぽさがあると思います。
陸人:祭りは祭りでも違うタイプの祭りですよね。ハロウィンっぽさというか。
■「一人ひとりの成長を実感できる機会が増えた」
ーーこの曲はファルセットも入るし、歌い回しがけっこう難しくないですか?
天規:歌割りが複雑なのと、リズムを取るのもちょっと難しいですね。
拓也:三連譜の部分とかは確かに苦労したかも。みんなそうじゃないかなあ。
頼我:この曲は特にレコーディングで苦戦しました。何回歌っても「違うよ」って言われて(笑)。
ーーこの曲に限らずですけど、レコーディングで一番ブースに入ってる時間が長いのは?
奏:頼我は特にこだわるので、プロデューサーの方が「OKだよ」って言っても「もう一回いいですか?」って行くことが多いんですよ。
頼我:毎回のレコーディングに新しい壁があって、いろんな歌い方を試しながら掴んでいく感じなんですよね。
ーーなるほど。パターンCの「さわらぬ夢に後悔あり」は、湘南乃風のSHOCK EYEさんが作詞作曲と、これまた組み合わせが意外ですが。
天規:僕たちは前作の『HARE晴れカーニバル』を「日本一縁起のいい曲です!」と言ってきたんですけど、SHOCK EYEさんはすごく縁起のいい人だと言われているらしく、“縁起がいいつながり”と言いますか。
ーーミクスチャーロックっぽくて、ラップもアグレッシブでますね。
陸人:今までの僕たちにはなかった感じの曲ですね。
天規:かっこいいし、王道な感じもあるよね。
奏:最初にリリイベで披露したとき、「みんな頭振ってね!」って言ったら、ファンのみんながぶんぶんヘドバンしてて、初めて見る光景に「すげぇ……!」って思ってました、歌いながら(笑)。
頼我:僕らもパッションで歌ってる曲なので、初めて観る方は勢いに圧倒されたりするかもわかりませんが、ぜひヘドバンにも参加していただきたいです。
ーーそして「勇者なら」は映画『猫企画』のタイアップ曲なんですね。
頼我:猫ネタは陸人くんの担当ですね。自称ですけど前世が猫なんで(笑)。
陸人:僕らが猫になりきって歌う曲です。外を駆けずり回る猫ちゃんたちの日常って、冒険の毎日だと思っていて。僕らが100%の全力でそんな猫ちゃんになりきってかわいく歌う、全力脱力ソングです。サビがほぼほぼ〈ニャー〉なんですよ。
拓也:だから誰でも歌えて参加できちゃいます。
寿希也:振りにも猫っぽい動きが入ってるんで、ファンの方も一緒に踊ってくれるんですよ。いつも歌いながらその光景を見てニヤニヤしてます。
統威:『NHK みんなのうた』的なノリもあるんですけど、めちゃめちゃかっこよく始まっていきなりゆるゆるな展開になるから、ギャップのすごさにビックリするかもしれないんですが。
頼我:レコーディングのときに猫を意識して歌うので、最初は恥ずかしかったんですよね。わりと力んで歌うような曲が多いから、この曲で脱力した感じがなかなか出せなくて、「違うなあ……」ってダメ出しもあって。今では完璧に猫ですけど(真顔で)。
ーー今回のシングルはMVなど目に見える豪華さもありますが、どの曲からもすごく気合いを感じました。
頼我:1枚目でいい結果を残せて、2枚目でさらにいい結果を残せたので、この3枚目はすごく大事だなと思っていて。より多くの方に祭nine.を知っていただけるように、僕たち自身が祭り感とか楽しさを意識しながら、パワーアップしたものを見せていきたいというのはありました。なので、これまでのシングルよりもさらに祭nine.の名刺がわりになる仕上がりになってるんじゃないかと思います。
陸人:ホラーテイストだったり、熱量があったり、かわいい感じだったり、いろんな曲がありますが、どの曲もより世界観を大事に見せていきたいという気持ちがみんなの中にあると思います。メンバー同士でしっかり意思疎通を図ることで、全体の雰囲気を高められるような曲をいただけたので、今作で祭nine.もレベルアップできたんじゃないかなと。
ーーここからちょっと話の切り口を変えていきますが、今年はテレビ、ラジオのレギュラー番組が一気に増えましたね。11月からは『オトコ気向上バラエティ 祭nine.のハンパじゃナイン!』(TOKYO MX)もスタートしました。
寿希也:この番組に関してとりあえず言えることは、台本がない!
拓也:打ち合わせ的なものもまったくない。
頼我:スタッフさんも、何をやるとかどこに行くとか一切教えてくれない。
統威:いろんな意味でハンパじゃナイン!(笑)。
陸人:そのまま収録現場に連れられて行って、スタッフさんがニヤニヤしながらカメラを回してるっていう。
天規:毎回僕たちが素でリアクションしてるので、本当にリアルな映像なんですよ。
頼我:だからこそ男気が上がる! という男気向上バラエティなんです。
奏:僕らがロケに行ったり、特技披露とかのミニコーナーもあったりします。それはオンエアでぜひチェックしていただければと。もう何回分かは収録してるんですけど、回が進むほどハンパじゃないんですよ、マジで。
ーー楽しみにしてます。今年はそのほかにもレギュラー番組が増えて、自分たちがメインで回す現場も増えましたよね。
頼我:まだつたないけど、トークなんかも絶対的に前より進歩した部分はあると思います。
天規:ちょっとずつ、1人ずつのキャラが見えるようにもなってきてるかな。
ーー『日本一縁起がいい夏フェス2018 祭nine.のご利益!ご利益!』では、最年少チームの寿希也さんも進行を頑張っていましたよね。
寿希也:ファンの方もいろんなメンバーが前に出ていくのを喜んでくれるので、前よりもトークには積極的になったと思います。番組収録でスタッフの方やゲストの方と話していて見つかるヒントもたくさんあるので、1回1回を大切にしていかないとなって。
統威:前は東海エリアの番組中心でしたが、今年は東京でもラジオ(『祭ラジオ…』文化放送)がスタートして、それもすごく嬉しいです。
ーーデビュー当時は祭nine.といえば名古屋代表! みたいなニュアンスがあったと思いますが、今や全国区ですもんね。
奏:全国で見たり聞いたりしてもらえるような番組もありつつ、大阪や九州でもレギュラー番組が始まったので、各地で僕らを知ってもらえる機会が増えましたね。僕らの活動のテーマの1つに「祭の輪を広げる」というのがあるので、そういう意味ではありがたい流れだなと思います。
頼我:このグループでデビューしてからまだ1年ちょっとですけど、個人としてのお仕事をいただくこともあるので、ここにきて一人ひとりの成長を実感できる機会が増えてきたんですよ。切磋琢磨しながらこれからも頑張っていきたいなと思います!
(取材・文=古知屋ジュン/写真=はぎひさこ)